弁護士保険のデメリットとは?補償内容や役立つシーン・デメリットを超える有用性について

アシロ少額短期保険
山田 亮一 (代表取締役)
監修記事
弁護士保険のデメリットとは?補償内容や役立つシーン・デメリットを超える有用性について
目次
  1. 弁護士保険(弁護士費用保険)とは
  2. 弁護士保険の一般的な7つのデメリット
    1. 保険料が「掛け捨て」になる可能性が高い
    2. すべてのトラブルを補償するわけではない(補償範囲の限定)
    3. 「今起きているトラブル」には使えない(待機期間・不担保期間)
    4. 支払われる保険金(弁護士費用)に上限がある
    5. 免責金額や自己負担割合が設定されている場合がある
    6. 弁護士の「質」や「相性」は保証されない
    7. 利用の心理的ハードルと「保険金請求」の手間
  3. 弁護士保険の加入メリット|デメリットを超える3つの有用性とは
    1. 経済的障壁の除去と高額な弁護士費用への備え
    2. 紛争の質的解決と経済的利益の最大化
    3. 幅広い日常生活リスクへの対応と予防効果
  4. 弁護士保険への加入をおすすめできる人・事業者の特徴
    1. 経済的な余裕がなく、費用倒れや泣き寝入りを避けたい方
    2. 日常生活や通勤で「偶発的な事故」リスクが高い方
    3. 法務部を持たない中小企業経営者、個人事業主・フリーランスの方
    4. 家族のトラブル(いじめ、相続、離婚など)に備えたい方
    5. 近隣トラブルやネット誹謗中傷といった「無形の被害」に悩まされたくない方
  5. 弁護士保険の活用事例と費用補填の具体例5選
    1. 事例 1:製造物責任による交通事故(個人向け)
    2. 事例 2:退職した元従業員からの不当解雇訴訟(事業者向け)
    3. 事例 3:大口の工事代金未払いと裁判(事業者向け)
    4. 事例 4:貸し切り客による店舗の備品破損トラブル
    5. 事例 5:不適切な雇用管理による従業員からの残業代請求トラブル
  6. まとめ

「弁護士保険 デメリット」とお調べした方には、保険料が掛け捨てになる可能性や、本当に必要な時に使えるのかといったご懸念があると思います。業界に10年以上携わる我々から見ても当然の疑問です。

弁護士保険にも確かにデメリットは存在します。しかし、私たちが日々実感しているのは、そのデメリットを遥かに上回る「絶大な安心感」というメリットです。

法的トラブルは、交通事故や病気と同じで、ある日突然、誰の身にも起こり得ます。その「万が一」の際、費用を気にせず「すぐに弁護士に依頼できる」という切り札を持っているか否かは、ご自身やご家族の人生を守る上で決定的な差となります。

現代社会において、交通事故やビジネス上の紛争、あるいは近隣や家族間のトラブルといった法的リスクは避けて通れません。これらの問題に直面した際、高額な弁護士費用専門知識の不足が、正当な権利の主張を妨げ、泣き寝入りを招く最大の要因となります。

本記事では、まずプロの視点でデメリットを包み隠さず解説し、その上で、なぜ私たちが「それでも加入する価値がある」と断言できるのか、その本当の理由を詳しくご説明します。

表:法的トラブル解決における弁護士依頼および弁護士保険の総括

トピック 弁護士依頼の主な特徴と効果 弁護士保険の主な機能と効果
主要なメリット 経済的利益の最大化:保険会社提示額(任意保険基準)よりも高額な裁判基準で賠償金(慰謝料、逸失利益など)を獲得し、増額を実現できる。 費用障壁の解消:数十万〜数百万円の高額な弁護士費用を、月々数千円の保険料で補償し、泣き寝入りや費用倒れを防ぐ
精神的・時間的負担の軽減:煩雑な手続き、交渉、書類作成をすべて弁護士が代行。事故のストレスから解放される。 幅広いリスク対応:交通事故などの偶発事故に加え、離婚、相続、労務、近隣、ネット誹謗中傷などの一般事件も広く補償。
専門的な問題解決:複雑な過失割合の交渉や後遺障害等級認定のサポートなど、専門知識を要する問題を適切に処理。 トラブルの予防と早期解決:「bonobo」のように、契約書ひな形提供、AIチェック、法務チャット相談などの予防法務サービスが付帯し、平時からのリスク管理を支援する。
リスク・注意点 費用倒れリスク:賠償金が少額(軽症、物損のみなど)の場合、弁護士費用が上回り経済的に損をする可能性がある。 補償対象外期間:一般事件(離婚、相続など)では、契約後、数ヶ月の待機期間や1~3年の不担保期間が設定されている場合がある。
弁護士の質や相性:対応が遅い、報告不足、専門性が低い、あるいは依頼者の意向を無視する弁護士に当たる可能性がある。 既発紛争は対象外:加入時点で既に発生している法的トラブルや、予測されていたトラブルは補償の対象外となる。
保険会社紹介弁護士:保険会社との関係性から、利益相反が発生し、被害者の利益を最大限に追求しない解決(早期終結など)に偏るリスクがある。 補償の制限:補償には上限金額(例:200万円/事案)や縮小てん補割合が設定されており、自己負担額が発生する可能性がある。

弁護士保険(弁護士費用保険)とは

個人や事業活動において予期せぬ法的トラブルに遭遇した際、弁護士への相談料や依頼にかかる着手金、報酬金といった費用を補償する保険です。

この保険の最大の目的は、数十万円から数百万円になる可能性のある弁護士費用の経済的負担を、月々数千円程度の保険料で軽減することにあります。これにより、費用の不安から正当な権利を諦めてしまう「泣き寝入り」を防ぐ効果があります。

補償対象は、個人向け(離婚、相続、近隣騒音、ネット誹謗中傷など、日常生活のトラブル)と事業者向け(売掛金未回収、労務問題、契約トラブルなど、事業運営に伴うトラブル)に大別され、幅広いリスクをカバーします。対象となるトラブルは、交通事故などの突発的な「特定偶発事故」と、それ以外の「一般事件」に分類されます。

弁護士保険は、トラブルが深刻化する前の初期段階で弁護士に気軽に相談できる環境を整備し、公正な解決を支援する「転ばぬ先の杖」としての役割を果たします。

多くの商品で、被害者・加害者の立場を問わず補償が適用される点も特徴です。ただし、保険契約前に発生したトラブルは補償されないなど、免責事項の確認は不可欠です。

弁護士保険の一般的な7つのデメリット

デメリット

弁護士保険(権利保護保険)は、万が一の法的トラブルの際に弁護士費用を補償してくれる、非常に有用な保険です。

しかし、万能ではありません。ご加入を検討される上で、我々プロの目線から「必ずご理解いただきたいデメリット」を7点、詳細に解説いたします。

保険料が「掛け捨て」になる可能性が高い

弁護士保険の最大のデメリットであり、お客様が加入を躊躇される最大の理由が「掛け捨て」のリスクです。

業界に10年以上おりますと、この点をどうご説明するかが最も難しいと感じます。自動車事故と違い、弁護士を必要とする深刻な法的トラブルは、多くの方にとって一生に一度も経験しない可能性の方が高いのです。

例えば、月額3,000円のプランに20年加入すれば、総支払額は72万円に達します。この間、幸運にも法的トラブルに見舞われなければ、この72万円は戻ってきません。医療保険にあるような「健康お祝い金」のような制度も一般的ではありません

もちろん、多くの保険には無料の電話相談サービスが付帯しており、これを「予防法務」として日常的にご活用いただくことで、保険料分の価値を見出すことは可能です。

しかし、いざという時の「数百万円にもなり得る弁護士費用に備える」という本来の目的だけを考えると、利用機会がなければ「高いお守り代だった」と感じてしまう可能性は否めません。このコスト感覚を許容できるかどうかが、加入の最大の分岐点となります。

すべてのトラブルを補償するわけではない(補償範囲の限定)

「弁護士保険」という名称から、弁護士が関わるすべての問題で使えると誤解されがちですが、現実は大きく異なります。

保険商品である以上、必ず「補償対象外(免責事由)」が厳格に定められています。例えば、最も多い除外例は「故意または重大な過失によるトラブル」です。自ら起こした暴力沙汰や詐欺行為、迷惑行為などは当然対象外です。

また、ご自身が加害者となる「刑事事件」も、ほとんどの保険で補償されません(痴漢冤罪など、一部の「被疑者補償特約」を除く)。さらに、プロの目線で特にご注意いただきたいのが、「事業・副業に関するトラブル」です。

個人向けプランでは、本業・副業問わず、ビジネス上の紛争は対象外となるのが一般的です。他にも、離婚や相続(※これらは特約で対応可能な商品もある)、借金問題(債務整理)、特許や著作権などの知的財産権に関わる紛争も、標準的なプランでは対象外となることが多いです。

加入前に「約款」の免責事由を熟読し、ご自身の最大のリスクが補償範囲に含まれているかを確認しないと、いざという時に全く使えないという事態に陥ります。

「今起きているトラブル」には使えない(待機期間・不担保期間)

これは非常によくある誤解です。「トラブルが起きたから、慌てて弁護士保険に入る」ということはできません。

保険には「モラルハザード(意図的な保険金請求)」を防ぐため、加入してから一定期間は保険金が支払われない「待機期間」や、特定の事由については補償しない「不担保期間」が設けられています。

例えば、「一般事件(偶発的な事故など)」は3ヶ月程度の待機期間、「離婚・相続・いじめ」など、ある程度予見可能、あるいは長期化しやすい特定事件については1年〜3年程度の不担保期間が設定されているのが一般的です。

もちろん、保険加入「後」に発生原因が生じた突発的な事故(例:交通事故)については、待機期間終了後すぐに使えますが、すでに火種が燻っている隣人トラブルや、離婚を切り出されそうな家庭内不和などは、加入してもすぐには補償対象にならないのです。

この仕組みを理解していないと、保険料だけ払い、肝心の問題は全額自費で解決するしかなくなります。

支払われる保険金(弁護士費用)に上限がある

弁護士保険に加入すれば、弁護士費用が「タダ」になる、あるいは青天井で補償されるわけではありません。

必ず「保険金支払限度額」が設定されています。例えば、一般的なプランでは「法律相談料:年間10万円まで」「(訴訟など)事件単位の着手金・報酬金:1事故あたり300万円まで」といった上限が定められています。

確かに、一般的な民事訴訟(例:200万円の未払金請求)であれば、この範囲内で収まるケースがほとんどです。しかし、事案が複雑化・長期化した場合や、請求額が非常に高額(例:1億円の損害賠償請求)な事件では、弁護士費用が300万円の上限を超える可能性は十分にあります。

その場合、超過分は当然ながら自己負担となります。特に、難易度の高い訴訟や、複数の争点を含む裁判では、上限額を意識しておく必要があります。無制限に補償されるわけではない点は、大きな注意点です。

免責金額や自己負担割合が設定されている場合がある

保険金が満額支払われるとは限りません。商品設計によっては、「免責金額(一定額までは自己負担)」や「自己負担割合(かかった費用の一定割合を自己負担)」が設定されている場合があります。

例えば、「免責金額5万円」とあれば、弁護士費用が30万円かかった場合、保険金は25万円となり、5万円は自分で支払う必要があります

また、「自己負担割合30%」というプランでは、同じく30万円の費用に対し、保険金は21万円、自己負担は9万円となります。これは、保険料を安く抑えるための仕組みですが、利用者から見ればデメリットです。

特に、少額のトラブル(例:10万円の着手金)で免責5万円が設定されていると、実質的な負担感はかなり大きくなります。保険料の安さだけで選ばず、こうした自己負担の有無や割合をしっかり比較検討することが重要です。

弁護士の「質」や「相性」は保証されない

多くの弁護士保険には、保険会社と提携している弁護士を紹介するサービスが付帯しています。これは一見メリットのようですが、注意が必要です。

保険会社が紹介する弁護士が、必ずしも「その分野で最も優秀な弁護士」であるとは限りませんし、何より「自分との相性が良い」とは限りません。弁護士と依頼者の関係は、信頼関係が第一です。

紹介された弁護士の方針に納得がいかない、どうも高圧的で話しにくい、といった「相性」の問題は、裁判の結果を左右するほど重要です

もちろん、保険の規約上、自分で弁護士を探して依頼することも可能ですが(弁護士選定の自由)、その場合、その弁護士が保険利用の手続き(保険会社への報告や請求)に慣れていないと、スムーズに進まないケースもあります。

保険会社が紹介する利便性と、自分で探す相性の良さ。どちらも一長一短があり、必ずしも最適な弁護士にたどり着けるとは限らない点はデメリットと言えます。

利用の心理的ハードルと「保険金請求」の手間

自動車保険や火災保険と決定的に違うのは、弁護士保険は「使う=誰かと争う」ことを意味する点です。

保険の権利があっても、「事を荒立てたくない」「裁判沙汰は避けたい」という日本人的なメンタリティが働き、利用をためらうケースは少なくありません。

我々も「まずは電話相談サービスだけでも」とお勧めしますが、結局一度も使われずに終わることも多いのです。また、実際に保険金を受け取るには、保険会社に対して「これは保険事故である」と認めさせる必要があります。

保険会社は、そのトラブルが補償対象か、本当に弁護士が必要な事案か、見積もられた弁護士費用は妥当か、などを審査します。

この審査のために、状況報告書や弁護士との契約書などを提出する手間がかかりますし、場合によっては保険会社の見解と弁護士の見解が異なり、調整が必要になることもあります

こうした手続きの煩雑さや心理的ハードルが、利用の妨げになる側面は否定できません。

以上が、弁護士保険の主なデメリットです。

これらの点を十分にご理解いただいた上で、ご自身のライフスタイルやリスク許容度と照らし合わせ、メリット(いざという時の安心感)とデメリット(コスト)を天秤にかけてご判断いただくことが、後悔のない保険選びに繋がります。

【関連記事】【法人向け】弁護士保険は役に立たない?役立つケースと利用メリットを徹底解説

弁護士保険の加入メリット|デメリットを超える3つの有用性とは

弁護士保険のデメリット(待機期間、補償の限定、自己負担の可能性など)を考慮してもなお加入するメリットは、それらを上回る、あるいは「法的リスクに対するセーフティネット」としての役割を果たすという点で非常に強力であると考えられます。

弁護士保険のデメリットとして挙げられる「待機期間」や「補償対象外のトラブル」は、主に保険の不正利用防止やリスクの限定を目的としたものです。

これに対し、弁護士保険のメリットは、「人生で稀に発生する高額な法的トラブル費用」を、「低額な月々の費用」でカバーし、万が一の際に泣き寝入りせず、専門家による公正かつ最大限に有利な解決(特に賠償金増額)を可能にする点にあり、このメリットはデメリットを遥かに凌駕する安心感を提供すると言えます。

経済的障壁の除去と高額な弁護士費用への備え

弁護士保険の最大のメリットは、高額な弁護士費用という経済的な障壁を、少額の月額保険料で取り除くことができる点です。

費用負担の劇的な軽減

法的トラブルで弁護士に依頼する場合、着手金や報酬金などで数十万円から数百万円のまとまった費用が必要になる可能性があります。弁護士保険は、月額1,000円から5,000円程度の保険料を支払うことで、こうした高額な費用への補償を受けられるようになります。

「泣き寝入り」の回避

経済的な理由から弁護士費用を捻出できず、本来得られるべき賠償や解決を諦めてしまう「泣き寝入り」を防ぐことができます。費用の不安がないため、気軽に弁護士に相談できる環境が整います。

費用倒れリスクの解消

自動車保険などに付帯する弁護士費用特約と同様に、弁護士費用を保険でカバーできるため、高額な賠償金を得たにもかかわらず、手元に残る金額が減ってしまう「費用倒れ」の心配を大幅にクリアできます。

紛争の質的解決と経済的利益の最大化

弁護士に依頼することで、トラブルの解決が専門的かつ公正に行われ、結果として依頼者が得る経済的利益が最大化される可能性が高まります。弁護士保険は、この「専門家へのアクセス」を費用面から保証します。

適正な慰謝料・賠償金の獲得

当事者同士の交渉や、保険会社が提示する基準(任意保険基準など)ではなく、弁護士が介入することで法律に基づいた公正中立な立場から、より高額な裁判所基準(弁護士基準)に基づいた適正な慰謝料や賠償金額を提示・交渉してもらえます。

例として、製品事故のトラブルにおいて、依頼者が自分で解決した場合は30万円の経済的利益でしたが、弁護士に依頼し訴訟を起こした結果、180万円の損害賠償を得られた事例が示されています。

専門性の確保

交通事故における後遺障害の等級認定支援や、複雑な過失割合の交渉訴訟提起など、専門的知識が必要な手続きを弁護士に任せることができます。これにより、後遺障害等級が覆り、賠償額が大幅に増額した事例もあります(例:14級9号から12級13号へ覆り、1200万円以上の増額)。

精神的・手続き的負担の軽減

弁護士が相手方との交渉窓口を代行してくれるため、被害者が事故やトラブルのストレスに加え、交渉の専門家である相手方とやり取りをする精神的な負担や危険を回避できます。

幅広い日常生活リスクへの対応と予防効果

弁護士保険は、自動車保険の特約ではカバーしきれない、日常生活で起こりうる多様な法的トラブルを補償します。

幅広い補償範囲

交通事故などの特定偶発事故だけでなく、一般事件(離婚、相続、労働問題、近隣トラブル、ネット被害、悪徳商法、医療トラブルなど)にも対応しています。これにより、現代社会で身近になっているSNSの誹謗中傷やネット被害にも費用を気にせず法的手段を取ることができます。

被害者・加害者双方の補償

弁護士保険は、被害者側だけでなく、過失によって第三者に損害を与えてしまった加害者側の事故処理に関するトラブルも補償対象となるケースが多いです。

即時の補償開始(特定偶発事故)

一般事件には待機期間や不担保期間がありますが、交通事故などの特定偶発事故(偶発的・突発的な事故)に関しては、これらの期間が適用されず、責任開始日以降すぐに補償を受けられることが一般的です。

付帯サービスによる予防効果

弁護士の紹介、法律文書のチェック、無料相談窓口、トラブル防止に役立つ弁護士保険ステッカーの配布といった付帯サービスを利用できる場合があり、トラブルの予防や初期段階での対応に役立ちます。

弁護士保険で利用できる付帯サービスの一例

  • 弁護士の紹介サービス(弁護士紹介サービス/弁護士ネットワークを活かした案内サービス)
    • 弁護士費用保険ミカタ:日弁連を通じて各地域の弁護士を無料で紹介
    • bonobo:不動産、知的財産権、債権回収など、抱える問題を得意とする専門家を案内
  • 法律相談サービス(無料相談窓口/弁護士直通ダイヤル/法務チャット相談)
    • bonobo:日常業務で生じる法的な不安を迅速に解消できる「法務チャット相談」
    • 弁護士費用保険ミカタ:弁護士に電話で無料相談ができる「弁護士直通ダイヤル」が用意
  • 予防法務・実務支援に関するサービス(主に事業者向け)
    • 法律文書のチェック:契約書や社内規程などの法律文書のチェックサービス
    • 契約書/社内規定のひな形提供サービス:bonoboでは、契約書や社内規程のひな形をダウンロードできる。
    • AIリーガルチェックシステム:bonoboでは、手元の契約書の不備をAIが指摘し、リスクを自動で洗い出すシステムが付帯
    • 反社チェックサービス:取引開始前に相手企業の信頼性を確認できる
  • その他
    • トラブル防止に役立つ弁護士保険ステッカーの配布
    • 税金の相談サービス
    • 保険ご利用相談ダイヤル
    • 無料相談ができるアプリ

弁護士保険への加入をおすすめできる人・事業者の特徴

弁護士保険は、そのデメリット(掛け捨て、待機期間、免責事由など)から、まだ必要性を感じていない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、月々数千円〜数万円程度の費用で「法的トラブルによって人生や経営が頓挫するリスク」を回避できるという点は、非常に大きなメリットです。

弁護士保険は、特に以下のようなリスクを抱えている方にとって、デメリットを上回る有効な「備え」となります。

経済的な余裕がなく、費用倒れや泣き寝入りを避けたい方

法的トラブルの解決を弁護士に依頼すると、内容によっては数十万円から数百万円にも及ぶ費用(着手金や報酬金など)が発生する可能性があります。

現時点で潤沢な資金がない場合、たとえ相手の不当な要求であっても、この高額な費用を恐れて正当な権利の主張を諦めてしまう「泣き寝入り」に陥るリスクがあります。

このような経済的な不安を抱える方こそ、弁護士保険への加入が強く推奨されます。月々わずか数千円程度の保険料を支払っておくことで、万が一の際には弁護士費用が補償されるため、費用の心配をせずに法律の専門家を頼ることができます。

また、少額の金銭トラブル(例:友人に貸した50万円の未返済、不当な敷金返還請求)のように、弁護士に依頼すると**「費用倒れ」になる可能性が高い事案**であっても、保険を利用すれば自己負担を抑えつつ、法的な手段で適正な解決を目指すことが可能になります。

日常生活や通勤で「偶発的な事故」リスクが高い方

外出機会が多い方、特に自動車や自転車を運転する方、あるいは公共交通機関で長時間通勤・通学する方は、**予期せぬ事故やトラブル(特定偶発事故)**に巻き込まれるリスクが社会との接点が多い分高まります。

例として、自動車・自転車事故、歩行中の人身事故、混雑した電車内での痴漢冤罪などが挙げられます。

これらの特定偶発事故は、離婚や相続といった一般事件とは異なり、多くの場合、保険加入後の待機期間や不担保期間が適用されず責任開始日以降すぐに補償を受けられるというメリットがあります。

また、自動車保険の弁護士費用特約は基本的に被害者側を対象としますが、単独の弁護士保険であれば、ご自身が加害者となってしまった場合の事故処理にかかる弁護士費用も補償の対象となるケースが多いです。

被害が軽微なむちうちや物損事故の場合でも、弁護士特約がないと費用倒れになりがちですが、弁護士保険を利用すれば費用を気にせず、保険会社が提示する金額(任意保険基準)よりも高額な裁判基準で適正な賠償金交渉を行えます。

法務部を持たない中小企業経営者、個人事業主・フリーランスの方

企業経営において法的トラブルは避けられず、多くの企業が課題を抱えていますが、法務の専門部署を持たない中小企業やスタートアップ企業、個人事業主・フリーランスは、備えが不十分になりがちです。

売掛金の未回収従業員との労務トラブル(不当解雇、ハラスメント、残業代請求)、顧客からの悪質なクレーム(カスハラ)ネットでの風評被害 など、事業に致命的な影響を与えるリスクが常に潜んでいます。

これらの企業や個人事業主・フリーランスにとって、弁護士保険は「ライトな顧問弁護士」のような役割を果たします。

顧問弁護士を雇う費用(月額5万円程度が相場)はかけられなくても、弁護士保険であれば月々5,000円台から安価に加入でき、万が一訴訟に発展した際の着手金や報酬金といった高額な弁護士費用が補償されます。

さらに、契約書チェック や、法的疑問をすぐに解消できるチャット相談サービスといった予防法務機能 が付帯している商品もあり、トラブルを未然に防ぎ、安心して経営に集中できる体制を構築できます。

参考:bonobo 経営を平和に、サブスク法務と。

家族のトラブル(いじめ、相続、離婚など)に備えたい方

家族に関わるトラブル、特に離婚や相続といった親族間の紛争は、感情的な対立が激しく、長期化しやすい一方で、費用を気にして当事者間での解決が困難になるケースが多々あります。

また、子どもが学校でいじめに遭った場合や、高齢の親が介護施設でトラブルに巻き込まれた場合など、自分以外の家族が被害者となるリスクも軽視できません。

弁護士保険には、契約者本人だけでなく、配偶者や子ども、親族までを補償対象に追加できる商品や特約があります。これにより、家族がトラブルに巻き込まれた際も、費用を気にせず専門家を頼れます。

特に離婚や相続に関するトラブルは、不担保期間(1年~3年など)が設定されていることが多い一般事件ですが、将来の発生に備えてあらかじめ加入しておくことで、いざというときに弁護士に依頼し、親権や財産、慰謝料に関する公正かつ法的な解決を図ることができます。

近隣トラブルやネット誹謗中傷といった「無形の被害」に悩まされたくない方

目に見える損害ではないものの、生活の質や精神衛生に深刻な影響を与える「一般事件」のリスクに備えたい方にも弁護士保険は有効です。

近隣トラブル(騒音、悪臭、違法駐車) や SNSでの誹謗中傷・風評被害職場のハラスメント などは、当事者同士で話し合うと事態が悪化しがちです。

弁護士保険に加入し、弁護士という第三者(法律のプロ)を介入させることで、感情論を排除し、法的な根拠に基づいた冷静な交渉を進めることができます。

例えば、SNSの誹謗中傷に対し、費用を気にせず発信者情報開示請求などの複雑な法的手続きを進めたり、悪質な勧誘に対して弁護士保険ステッカーを提示し、トラブルを未然に防ぐ抑止力として活用したりできます。

また、多くの弁護士保険には弁護士直通ダイヤルなどの無料相談窓口が用意されており、トラブルが深刻化する前に初期相談できるため、迅速かつ適切な対応が可能となります。

弁護士保険の活用事例と費用補填の具体例5選

弁護士保険の活用事例として、個人向けおよび事業者向けの具体的なケースをご紹介します。特に弁護士保険のメリットが明確に表れている事例を5つピックアップし、本来負担するはずだった費用と保険金でカバーできた金額(自己負担額)を解説します。

事例 1:製造物責任による交通事故(個人向け)

家電量販店で購入した電動自転車に乗って坂道を下っていた際、急ブレーキをかけたところハンドルを取られ転倒し、全治3ヶ月の重傷を負いました。原因は自転車のフロントフォークの溶接不良であり、製造元メーカーに対して慰謝料や治療費、休業損害などを請求したいケースです。

自分で解決を試みた場合、消費者センター経由でメーカーと話し合い、新品への交換と治療費実費分の30万円を支払ってもらうのが精一杯でした。この場合、仕事への影響など、3ヶ月間の通院で生じる懸念が残ります。

弁護士保険活用による結果

弁護士保険(「ミカタ」99プランの試算)を利用して弁護士に損害賠償請求を依頼し、裁判を起こした結果、180万円の損害賠償を勝ち取り、経済的利益を大幅に増額することができました。

費用項目 弁護士報酬額 (支払うはずだった費用) 保険金支払額 (カバーされた金額) 依頼者自己負担額
法律相談料(30分) 5,500円 5,500円 0円
着手金・手数料 158,400円 158,400円 0円
報酬金等 330,800円 330,800円 0円
合計 494,700円 494,700円 0円

※このケースでは、弁護士費用約50万円が全額保険でカバーされ、依頼者は自己負担なしで180万円の経済的利益を得ています。

事例 2:退職した元従業員からの不当解雇訴訟(事業者向け)

不祥事を起こした従業員に退職勧奨を行い、自主退職という形で退職金を支払い済みでしたが、後になって元従業員から「不当解雇である」として慰謝料200万円を求める解雇無効訴訟を起こされてしまったケースです。

企業側は主張に納得がいかなかったものの、弁護士費用や裁判の長期化によるコストを懸念し、相手方の要求を飲んでしまう(経済的利益 $0$ 円)結果となりがちです。

弁護士保険活用による結果

弁護士保険(「事業者のミカタ」標準プラン・スタンダードタイプ)に加入していたことで、弁護士に裁判対応を委任し、慰謝料の支払いに応じない旨を主張。

最終的に請求された慰謝料の支払いを免れることに成功し、200万円の経済的利益(請求された支払いを免れた額)を得ました。

費用項目 弁護士費用総額 (支払うはずだった費用) 保険金支払額 (カバーされた金額) 依頼者自己負担額
合計 不明(高額な裁判費用) 134,200円 不明

※弁護士費用総額は不明ですが、保険金として134,200円が支払われています。保険を活用することで、200万円の慰謝料支払いを免れたという、事業継続上極めて大きな利益を得ています。

事例 3:大口の工事代金未払いと裁判(事業者向け)

工務店が施主に対して行った工事代金2,000万円が未払いとなったため、裁判を起こして代金を回収しようとしたケースです。代金未払いトラブルは、交渉がこじれると裁判に発展しやすく、弁護士費用も高額になりがちです。

法的手段を取らなければ、2,000万円の売掛金が回収できないリスクがあります。

弁護士保険活用による結果

工賃2,000万円の未払いに対して裁判を起こした結果、弁護士費用130.5万円のうち、92.5万円が保険金で補填され、大幅に自己負担額を削減できました。

費用項目 弁護士費用総額 (支払うはずだった費用) 保険金支払額 (カバーされた金額) 依頼者自己負担額
合計 1,305,000円 925,000円 380,000円

※この事例では、弁護士費用130.5万円のうち約71%が補填されています。

事例 4:貸し切り客による店舗の備品破損トラブル

イタリアンレストランを大学のサークル生20名が貸し切りで利用した際、一部の利用客が泥酔し、自動検温器や花器、トイレの便座など約90万円相当の店舗備品を破損しました。予約幹事に連絡しても「壊した覚えはない」「誰がやったか分からない」と話し合いにならなかったため、弁護士へ請求を依頼したケースです。

相手側が責任を認めないため、自己負担で修理費用をまかなうか、泣き寝入りする可能性が高くなります。

弁護士保険(bonobo)活用による結果

弁護士に依頼し、示談交渉を行った結果、約90万円の全額を回収することに成功しました。 bonoboは実額補償(免責金額なし、てん補割合100%)を目指した商品設計であり、スタンダードプランの場合、弁護士費用(200万円/事案を限度)は全額補償されます。

費用項目 弁護士費用総額 (支払うはずだった費用) 保険金支払額 (カバーされた金額) 依頼者自己負担額
合計 着手金:220,000円
報酬金:158,400円
実費:50,000円
実額補償 0

※bonoboのスタンダードプランは実額補償(免責金額なし、てん補割合100%)を目指しているため、補償上限額内(200万円/事案)であれば、弁護士費用は実質的に全額カバーされます。

参考:bonobo保険金支払事例より

事例 5:不適切な雇用管理による従業員からの残業代請求トラブル

「正社員」として募集した社員に対し、誤って「契約社員用の雇用契約書」をそのまま使用して契約を結びました。また、残業代を抑えるため、現場マネージャーが社員の実際の出勤打刻時間を勝手に「10時」に修正していました。

その社員から労働基準監督署へ相談が入り、その後、未払い残業代の支払いを求めて約175万円の請求額で調停を申し立てられてしまったケースです。

労務管理の不備(雇用形態の不一致、打刻修正)が明確であるため、企業側は敗訴や多額の残業代支払いリスクに直面します。

弁護士保険(bonobo)活用による結果

弁護士に調停対応を依頼した結果、約175万円の請求額のうち、80万円を支払うことで和解が成立しました。弁護士が介入し、請求額を大幅に減額したことで、企業側の経済的損失を抑えることができました。

bonoboの弁護士費用補償により、企業は費用を気にせず、労務トラブルに強い弁護士に迅速に対応を依頼できます。

費用項目 弁護士費用総額 (支払うはずだった費用) 保険金支払額 (カバーされた金額) 依頼者自己負担額
合計 相談料:11,000円
着手金:220,000円
報酬金:167,200円
実額補償 0

※bonoboのスタンダードプランは実額補償(免責金額なし、てん補割合100%)を目指しており、弁護士費用(200万円/事案を限度)は全額補償されます。企業は弁護士費用を気にせず、約95万円の請求リスクを回避しました。

参考:bonobo保険金支払事例より

まとめ

交通事故や日常生活、そして経営の現場に潜む法的なトラブルは、時に人生や事業を停滞させかねません。高額な弁護士費用を恐れて泣き寝入りしたり、専門的な知識を持つ相手に不利な条件を飲んだりする時代は終わりを告げました。

弁護士保険は、この高すぎる法的アクセスの障壁を、月々わずかな保険料で取り払い、適正な賠償金や公正な解決を実現します。

単なる事後的な費用の補償にとどまらず、特に事業者向けの「bonobo」のような商品は、契約書チェックや法務チャット相談といった予防法務機能を付帯することで、「トラブルが起こる前の安心」を日常的に提供します。

これにより、私たちは不安や恐れから解放され、費用倒れのリスクを解消しつつ、人生や経営における日々の**「決断」を力強く前進させる**ための確かな基盤となる、法の盾を手に入れることができるのです。

監修記事
アシロ少額短期保険
山田 亮一 (代表取締役)
保険業界経験20年以上。MDRT成績資格会員(2017,2018)。株式会社光通信に新卒入社、同社の保険子会社出向を経て関連保険会社6社の取締役を歴任。 現在はトラブルが「起こる前」も「起こった後」も利用できる、サブスク法務サービス付きの弁護士費用保険『bonobo』を運営する、株式会社アシロ少額短期保険の代表取締役に着任。
この記事をシェアする
アシロ編集部
編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
弁護士の方はこちら