詐欺罪とは、他人を騙して財産を交付させる犯罪のことです(刑法第246条)。
犯罪であるため、詐欺罪が成立している場合は捜査機関に逮捕されるリスクがあります。
ただし、必ずしも逮捕されるわけではなく、犯罪の悪質性や犯行後の行動などによって変わります。
本記事では、詐欺をした可能性がある人に向けて、以下の内容について詳しく説明します。
- 詐欺罪で逮捕される確率
- 詐欺罪で通常逮捕される場合の主な要件
- 詐欺罪で逮捕される可能性が高いケース
- 詐欺罪で逮捕された場合に生じるデメリット
- 詐欺罪による逮捕を回避するためのポイント など
本記事を参考に、詐欺罪で逮捕される可能性があるか、今から何をするべきかなどについて確認しましょう。
詐欺罪で逮捕される確率|約54%の人が逮捕されている
検察統計によると、2024年(令和6年)の詐欺罪で逮捕された件数・割合は以下のようになっています。
| 逮捕された件数 (警察で身柄釈放含む) |
8,825件(54.2%) |
|---|---|
| 逮捕されていない件数 | 7,463件(45.8%) |
| 総数 | 1万6,288件 |
刑事事件全体の逮捕割合は、約36.5%となっています。
そのため、刑事事件の中でも詐欺罪は比較的逮捕される可能性が高い犯罪といえるでしょう。
【参考】検察統計「罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員(年次2024年)」
詐欺罪で通常逮捕(後日逮捕)される場合の要件
詐欺罪で通常逮捕(後日逮捕)される場合の要件は以下のようになっています。
- 詐欺をした疑いがあること
- 逃亡や証拠隠滅のおそれがあること
ここでは、詐欺罪で通常逮捕される場合の要件について詳しく確認しましょう。
1.詐欺をした疑いがあること
被疑者を逮捕するには、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由が必要です(刑事訴訟法第199条1項本文)。
詐欺罪であれば、メールやLINEでのやり取り、銀行口座の取引履歴、偽の契約書などが主な証拠となります。
捜査によって合理的・客観的な証拠が得られた場合に、捜査機関は詐欺をした被疑者を逮捕するために動きます。
2.逃亡や証拠隠滅のおそれがあること
被疑者を逮捕するには、逮捕の必要性も求められます(刑事訴訟法第199条2項ただし書き)。
一般的に、被疑者が逃亡したり、証拠を処分したりする可能性がある場合は、逮捕が認められます。
| 逃亡のおそれがあると判断される要素 | ・家族がいない ・定職に就いていない ・前科や前歴などがある ・実刑判決の可能性が高い ・任意出頭に応じていない など |
|---|---|
| 証拠隠滅のおそれがあると判断される要素 | ・欺被害者の連絡先などを知っている ・詐欺に関する重要な証拠を隠している ・組織的な詐欺で口裏合わせの可能性がある など |
上記のような逃亡・証拠隠滅のおそれがある場合は、より逮捕される可能性は高まるでしょう。
詐欺罪で逮捕される可能性が高いケース3選
詐欺罪で逮捕される可能性が高いケースは以下のとおりです。
- 詐欺による被害額が多い場合
- 繰り返し詐欺を働いている場合
- 特殊詐欺をおこなっている場合
ここでは、詐欺罪で逮捕される可能性が高いケースについて説明します。
1.詐欺による被害額が多い場合
詐欺事件では、被害額が非常に重要です。
当然、被害額が多いほど悪質性が高いと判断されて、逮捕されるリスクは高まります。
具体的な目安はありませんが、被害額が100万円以上になると逮捕のリスクは高まるといいます。
また、被害額が100万円以上の場合は、初犯であっても実刑判決を受ける可能性が高いでしょう。
2.繰り返し詐欺を働いている場合
詐欺を繰り返している場合も、逮捕される可能性は高まります。
常習性が認められると、再犯や余罪などのおそれがあると判断されるでしょう。
そのため、逮捕によって被疑者の身柄を拘束しようとしてくる可能性が高いといえます。
3.特殊詐欺をおこなっている場合
特殊詐欺とは、以下のような詐欺行為の総称です。
- オレオレ詐欺
- 架空料金請求詐欺
- 還付金詐欺
- 預貯金詐欺 など
特殊詐欺は、計画性が高く、社会的な影響力も強いため、非常に悪質な犯罪といえます。
また、被害が大きいことも予想されるため、高い確率で捜査機関に逮捕されるでしょう。
かけ子・受け子・出し子などの闇バイトをしている場合も、逮捕される可能性が高いといえます。
詐欺罪で逮捕された場合に考えられる3つのデメリット
詐欺罪で逮捕された場合のデメリットには、以下のようなものが挙げられます。
- 数日間、身柄を拘束されてしまう
- 家族や職場の人などに知られてしまう
- 場合によっては実名報道されてしまう
ここでは、詐欺罪で逮捕された場合に考えられるデメリットについて説明します。
1.数日間、身柄を拘束されてしまう
逮捕された場合、通常は数日間(72時間以内)捜査機関に身柄を拘束されます。
逮捕後は勾留が決定するまでは、弁護士を除き、外部の人とやり取りをすることはできません。
孤独感や不安感を覚えることも多く、精神的にも辛い状況に追い込まれることになるでしょう。
勾留された場合は最長20日間も身柄を拘束される
勾留が認められた場合は、10日間身柄を拘束されます。
また、勾留延長が認められた場合は、追加で10日間身柄を拘束されることになります。
この間、通常であれば家族との面会はできますが、特殊詐欺などでは認められないケースも多いでしょう。
2.家族や職場の人などに知られてしまう
捜査機関に逮捕されたことを、家族や会社に知られる可能性は高いです。
警察官が自宅にやってきて逮捕されれば、絶対に隠すことはできません。
また、無断外泊や無断欠勤が続けば、家族や会社は「何かあったのではないか」と心配するはずです。
もし詐欺で逮捕されたことを知られれば、家族や会社からの信用を失ってしまう可能性はあるでしょう。
3.場合によっては実名報道されてしまう
逮捕された場合、事件の内容によっては実名報道される可能性があります。
実名報道されると会社を解雇されたり、学校から退学処分を受けたりするリスクがあります。
また、周囲の人にも知られるため、仮に不起訴処分や無罪などを獲得しても人間関係に悪影響が生じます。
近年は、インターネット上に情報が残ってしまうため、長期間にわたり不都合が生じるといえるでしょう。
詐欺罪による逮捕を回避するための3つのポイント
詐欺罪による逮捕を回避するためにできることは、以下のとおりです。
- 被害者との示談の成立を目指す
- 早い段階で自首する/捜査に協力する
- 刑事事件が得意な弁護士のサポートを受ける
ここでは、詐欺罪による逮捕を回避するためのポイントについて説明します。
1.被害者との示談の成立を目指す
逮捕を回避するには、被害者との示談の成立を目指すことが重要です。
十分な謝罪や被害弁償などをおこない、示談が成立した場合、被害者の処罰感情は和らいだと判断されます。
また、被害者との示談が成立している場合は、一般的には逃亡や証拠隠滅のおそれは小さいと評価されます。
そのため、捜査機関は逮捕・勾留をせず、身柄を拘束しない「在宅事件」で捜査が進む可能性が高まるでしょう。
2.早い段階で自首する/捜査に協力する
通常、逮捕を回避するには、自首して捜査に協力することも役立つことが多いです。
自首して捜査に協力すれば、捜査機関から逃亡や証拠隠滅の可能性は低いと判断してもらえます。
なお、自首した結果、その場で警察に逮捕されてしまうリスクもあるので慎重な判断が必要になります。
特に住居や仕事が定まっていない場合や重大犯罪に関与している場合には、逮捕のリスクは高まるでしょう。
3.刑事事件が得意な弁護士のサポートを受ける
逮捕を回避したい場合は、刑事事件が得意な弁護士に相談・依頼するのもおすすめです。
弁護士に相談・依頼すれば、被害者との示談交渉や自首する際の同行などのサポートを受けられます。
また、弁護士から捜査機関に対して、逮捕・勾留しないように働きかけをしてくれることも多いです。
そのほか、被疑者の家族や上司などに事情を説明して、身元引受人になってくれるよう説得もしてくれます。
さいごに|ベンナビ刑事事件で詐欺事件が得意な弁護士を探して相談しよう
詐欺罪は逮捕率が比較的高く、2人に1人以上の割合で逮捕されています。
そのため、詐欺行為を働いた場合は、積極的に逮捕されないための行動を取ることが望ましいです。
しかし、示談交渉や自首をひとりで対応するのは難しいため、弁護士に協力を求めるほうが望ましいでしょう。
詐欺罪による逮捕・勾留を回避したい場合には、「ベンナビ刑事事件」で弁護士を探すことをおすすめします。
即日対応可能な法律事務所も多く掲載されているため、不利な状況を回避するためにサポートしてくれるでしょう。
