- 「弁護士に不倫慰謝料の交渉や対応を依頼した場合にかかる成功報酬の相場はいくら?」
- 「成功報酬を含む弁護士費用を抑えて、費用倒れ(赤字)を防ぐにはどうすればいい?」
不倫慰謝料の交渉などを弁護士に依頼する場合、弁護士の成功報酬はケースによって金額が大きく変わります。
そのため「成功報酬が高くなって費用倒れにならないか」と不安になるでしょう。
本記事では、弁護士に不倫慰謝料の請求を依頼した場合にかかる成功報酬の相場、実際に弁護士へ依頼した場合に手元にどのくらいのお金がかかるかのシミュレーション、費用倒れを防ぐためのポイントを解説します。
弁護士費用がどのくらいかわからないと、不倫慰謝料の請求を依頼するか躊躇するのはいうまでもありません。
本記事を読めば、弁護士費用がどのくらいかかる可能性があるか、費用倒れの不安はあるかをイメージしやすくなります。
不倫慰謝料の問題を弁護士に依頼したときの成功報酬相場はどのくらい?
不倫慰謝料の問題を弁護士に依頼した場合に発生する成功報酬の相場は、獲得額または減額できた金額(経済的利益)の10〜20%です。
日本弁護士連合会の旧報酬基準では、300万円以下の経済的利益に対する報酬金は16%と定められていました。
そのうえで示談交渉・調停の場合は3分の2まで減額できるとされており、計算上は約11%です。
現在は弁護士報酬が自由化されていますが、多くの事務所が今でも旧基準を参考に料金を設定しています。
押さえておきたいのは、経済的利益の計算方法が立場によって異なる点です。
慰謝料を請求する側なら、獲得できた金額が経済的利益です。
一方、減額を求める側の場合は、当初の請求額からいくら減らせたかが経済的利益にあたります。
なお、裁判(訴訟)まで進んだ場合は弁護士の業務量が増えるため、交渉や調停で解決した場合より報酬率が高めに設定される傾向があります。
慰謝料を請求する場合の成功報酬の相場
慰謝料を請求する場合の成功報酬は、獲得した慰謝料の10〜20%程度が相場です。
注意したいのは、成功報酬の計算方法が事務所によって異なる点です。
実際に回収できた金額を基準とする事務所が多いですが、示談での合意額や判決で認められた金額を基準とする事務所もあります。
たとえば300万円を請求して実際の回収額が200万円だった場合、回収額ベースなら200万円に対して成功報酬がかかります。
合意額ベースであれば、請求額である300万円が基準です。
どちらの基準を採用しているかは、必ず契約前に確認しておきましょう。
不倫慰謝料の相場は50万〜300万円程度です。
報酬率15%で計算した場合の成功報酬の目安は以下のとおりです。
| 獲得した慰謝料 | 成功報酬率 | 成功報酬の目安 |
|---|---|---|
| 50万円 | 15% | 7万5,000円 |
| 100万円 | 15% | 15万円 |
| 200万円 | 15% | 30万円 |
| 300万円 | 15% | 45万円 |
慰謝料の減額を求める場合の成功報酬の相場
慰謝料の減額を求める場合の成功報酬は、減額できた金額の10〜20%が相場です。
たとえば、300万円を請求されて100万円で和解できた場合、減額できた200万円に対して成功報酬がかかります。
報酬率15%で計算した場合の成功報酬の目安は以下のとおりです。
| 項目 | 200万円減額できたケース | 100万円減額できたケース |
|---|---|---|
| 相手からの請求額 | 300万円 | 300万円 |
| 実際の支払額 | 100万円 | 200万円 |
| 減額分(経済的利益) | 200万円 | 100万円 |
| 成功報酬(15%の場合) | 30万円 | 15万円 |
減額できた金額が高額になるほど、成功報酬も高くなります。
なお、相手の請求を完全に退けて慰謝料を支払わずに済んだ場合は、請求額の全額が経済的利益として扱われます。
たとえば、300万円の請求がゼロになれば経済的利益は300万円、成功報酬率15%なら報酬額は45万円です。
減額の見込み額や成功報酬率については、初回の相談で弁護士に確認しておくことをおすすめします。
不倫慰謝料の請求でかかる成功報酬以外の弁護士費用内訳
成功報酬以外の弁護士費用には、以下のとおり大きく分けて相談料・着手金・実費・日当の4つがあります。
| 費用項目 | 相場の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 相談料 | 30分あたり5,000円〜1万円程度(初回無料の事務所もあり) | 法律相談の際にかかる費用。 |
| 着手金 | 10万〜30万円 (着手金ゼロの事務所もあり) |
依頼時に支払う初期費用で、結果に関わらず返金されない。相場は交渉で10万円程度、調停で10〜20万円程度、訴訟で10〜30万円程度と依頼内容によって異なる。 |
| 実費 | 数千円〜数万円 | 弁護士の交通費や通信費、コピー代、裁判費用など。 |
| 日当 | ・半日:3万〜5万円程度 ・1日:5万〜10万円程度 |
弁護士が事務所外で業務にあたる際にかかる費用。 |
費用の中で見落としやすいのが実費と日当です。
着手金や成功報酬が安くても、出廷回数が増えれば日当がかさみ、トータルの費用が膨らむことがあります。
法律事務所を比較する際は、金額が「税込」か「税抜」かを必ず確認してください。
表記の違いだけで数万円の差が出ることがあります。
なお、不倫を理由に離婚手続きの対応も同時に依頼する場合は、離婚手続き分の着手金・報酬金が別途かかります。
慰謝料請求だけの費用感とは異なる点を理解しておきましょう。
不倫慰謝料は弁護士費用を引いたら手元にいくら残る?ケース別シミュレーション
不倫慰謝料は弁護士費用を引いたら手元にいくら残るのでしょうか。
請求する側と減額を求める側、それぞれの具体例でシミュレーションしてみましょう。
なお、以下はあくまでも一例です。
費用は事務所や状況によって変わるため、正確な金額は依頼する弁護士に確認してください。
請求する側|慰謝料150万円を獲得できたケース
Aさんは配偶者の不倫相手に慰謝料を請求し、弁護士に交渉を依頼した結果150万円で合意しました。
実際に全額が振り込まれ、弁護士費用を差し引いても手元に118万円残りました。
■弁護士に交渉を依頼し慰謝料150万円を獲得できたケース例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 獲得した慰謝料 | 150万円 |
| 着手金 | 10万円 |
| 成功報酬(獲得額の10%) | 15万円 |
| 実費 | 1万円 |
| 日当(半日×2日間) | 6万円 |
| 弁護士費用の合計 | 32万円 |
| 手元に残る金額 | 118万円 |
Aさんのケースでは交渉のみで解決したため、費用は比較的抑えられています。
調停や訴訟に発展すると、着手金の追加や日当の増加で費用がさらにかかる可能性があります。
手元にいくら残るかは獲得額や解決方法によって変わるため、事前に弁護士に確認しておきましょう。
減額を求める側|300万円の請求を100万円に減額できたケース
Bさんは不倫相手の配偶者から300万円の慰謝料を請求されましたが、弁護士に交渉を依頼した結果、100万円まで減額できました。
■弁護士に交渉を依頼し慰謝料を300万円→100万円に減額できたケース例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 相手からの請求額 | 300万円 |
| 減額後の支払額 | 100万円 |
| 減額分 | 200万円 |
| 着手金 | 10万円 |
| 成功報酬(減額分の10%) | 20万円 |
| 実費 | 1万円 |
| 日当(半日×2日間) | 6万円 |
| 弁護士費用の合計 | 37万円 |
| 最終的な出費(支払額+弁護士費用) | 137万円 |
弁護士に依頼しなければ、Bさんは300万円をそのまま支払うか、自分で減額交渉をしてもそれほど減額されなかった可能性が高いです。
しかし、弁護士に交渉を依頼したことで弁護士費用を含めても137万円で済み、163万円も出費を抑えられています。
Bさんのケースは交渉のみで解決していますが、訴訟に発展すると着手金の追加や日当の増加で費用がかさみます。
相談の段階で、減額の見込み額と費用の見通しについて確認しておくのがおすすめです。
完全成功報酬制と通常の成功報酬制|自分に合うのはどっち?
弁護士費用の料金体系には、着手金ゼロの「完全成功報酬制」と、着手金ありの一般的なプランがあります。
どちらが自分に合うかは、資金の有無で判断するのがひとつの方法です。
2つのプランの違いを比較してみましょう。
| 項目 | 着手金ありのプラン | 完全成功報酬制 |
|---|---|---|
| 着手金 | 10万〜30万円 | 0円 |
| 成功報酬率 | 経済的利益の10〜20%程度 | 経済的利益の20〜30%程度 |
| 初期費用の負担 | あり | なし |
| トータルコスト | 抑えやすい | やや高くなる傾向 |
| 向いている人 | 初期費用を用意できる方 | 手元資金ゼロで依頼したい方 |
自分の状況に合ったプランを選ぶために、それぞれの特徴を確認してみてください。
初期費用ゼロでリスクを減らすなら「完全成功報酬制」
手元に初期費用がない方や、自分の財布から先に支払いたくない方には、完全成功報酬制が向いているでしょう。
メリットは、着手金なしで弁護士に依頼できる点です。
基本的には慰謝料を獲得できた場合にのみ成功報酬が発生し、回収した慰謝料の中から弁護士費用を清算できます。
ただし、成功したかどうかの基準は事務所によって異なります。
また、実費や日当は成功・不成功にかかわらず発生する場合があるため、成功の基準や持ち出しゼロかどうかは契約前に確認してください。
なお、「着手金無料」としていても、成功報酬に着手金相当額が上乗せされている事務所もあります。
成功報酬の内訳は事前に確認しておきましょう。
また完全成功報酬制は必ずしも利用できるとは限りません。
以下のようなケースでは、依頼を断られることがあります。
- 証拠が不十分で回収の見込みが低い
- 相手に支払い能力がない
- 交渉での解決が難しく訴訟が前提になる
完全成功報酬制を希望するなら、まずは無料相談で自分のケースが対象になるかを確認してみましょう。
着手金を払える余裕があるなら「通常の成功報酬制」
着手金を依頼時に支払えるなら、着手金ありのプランのほうが手元に残る金額は大きくなりやすいです。
着手金を支払う分、完全成功報酬制と比べて成功報酬率が低めに設定されるのが一般的であるためです。
獲得額が大きくなるほど、この差がトータルの費用に響きます。
獲得見込み額がある程度大きいなら、着手金を払ってでも成功報酬率を抑えたほうが手残りが増える可能性があります。
初期費用に余裕がある方は、まず着手金ありプランで見積もりを取るとよいでしょう。
弁護士費用で費用倒れ(赤字)を防ぐための6つのポイント
弁護士費用が慰謝料の金額を上回る「費用倒れ」にならないためには、以下の6つのポイントを押さえておきましょう。
- 無料相談で費用倒れしない不倫慰謝料の最低獲得ラインを算定してもらう
- 成功報酬の「最低固定額」や「追加実費」がないか確認する
- 費用保証制度があり費用倒れを防げる法律事務所を選ぶ
- 合意額でなく回収額に対して成功報酬がかかる法律事務所を選ぶ
- 不倫慰謝料が分割払いなら弁護士費用も分割払いにできるか確認する
- 相手との話し合いがこじれる前に弁護士へ相談・依頼する
法律事務所の料金体系は、ホームページに記載されている料金表だけでは全貌が把握できない可能性があります。
契約後に「思ったより費用がかかった」と後悔しないために、無料相談の段階で費用の詳細を確認しておくとよいでしょう。
無料相談で費用倒れしない不倫慰謝料の最低獲得ラインを算定してもらう
まずは、自分のケースで最低いくら獲得できるかを見積もってもらいましょう。
不倫慰謝料の相場は、あくまでも目安にすぎません。
不貞行為の期間や婚姻年数、子どもの有無、行為の悪質性などの状況によって、獲得できる金額は変わります。
無料相談では、自分が集めた証拠をもとに、厳しめの最低獲得ラインを出してもらいましょう。
提示された見込み額から弁護士費用を差し引けば、手元にいくら残るかを確認できます。
注意したいのは、リスクを説明してくれない事務所です。
メリットやプラスになることしか説明せず、「絶対に勝てます」「確実に取れます」などと安易に言い切る弁護士は避けましょう。
信頼できる弁護士であれば、減額されるリスクや回収できない可能性も正直に教えてくれるはずです。
成功報酬の「最低固定額」や「追加実費」がないか確認する
成功報酬率だけを見て「安い」と判断するのは危険です。
事務所によっては、成功報酬の最低金額が固定されていることがあります。
たとえば、成功報酬率15%で80万円の慰謝料を獲得した場合、計算上の成功報酬は12万円です。
しかし最低金額が20万円に固定されているなら、20万円の支払いが発生します。
獲得額が数十万円しかないなど、獲得額が少ないケースであれば費用倒れの原因になるおそれがあります。
「〇万円+経済的利益の〇%」という料金体系にも注意が必要です。
この場合、仮に慰謝料を1円も獲得できなかったとしても、固定の「〇万円」は発生する可能性があります。
実質的には着手金の後払いと同じです。
追加費用がかからないかどうかも確認しておきましょう。
弁護士費用があとから追加されることは通常ありませんが、交渉で解決できず調停や訴訟に移行した場合は、追加の着手金や裁判所に納める印紙代などが発生します。
トラブルを防ぐには、見積書を書面で出してくれる事務所を選びましょう。
口頭の説明だけで契約を進めると、あとから「聞いていなかった費用」が出てくるおそれがあります。
費用保証制度があり費用倒れを防げる法律事務所を選ぶ
費用倒れを防ぐための保証を設けている法律事務所を選ぶのもひとつの方法です。
保証の内容は事務所によって異なりますが、大きく分けると以下の2タイプがあります。
ひとつは、獲得額を超える弁護士費用は請求しないタイプです。
たとえば慰謝料50万円しか獲得できず、本来の弁護士費用が60万円だった場合、費用を50万円以内に抑えてくれます。
手元に残る金額はゼロかもしれませんが、自腹で10万円を補填する必要はありません。
もうひとつは、成果が得られなかった場合に着手金を返金するタイプです。
慰謝料を1円も獲得できなかった、あるいは減額交渉で成果が出なかったときに、支払った着手金が戻ってきます。
どちらのタイプでも、適用には条件があるケースがほとんどです。
途中で自分から契約を解除した場合などは、対象外になることがあります。
保証の具体的な内容と適用条件は、契約前に必ず確認しておきましょう。
合意額でなく回収額に対して成功報酬がかかる法律事務所を選ぶ
成功報酬が「合意額」ではなく「回収額」に対してかかる法律事務所を選びましょう。
合意額ベースの場合、示談で200万円の支払いに合意しても、相手が振り込まなければ慰謝料は手元に入りません。
それでも弁護士には200万円に対する成功報酬を支払う必要があります。
回収額ベースであれば、基本的に相手が実際に支払わない限り成功報酬は発生しません。
不倫問題では、相手が支払いを渋ったり逃げたりするケースも珍しくないため、回収額ベースの事務所を選んでおくと安心です。
弁護士に確認する際は、成功報酬が示談や判決で決まった金額に対してかかるか、実際に相手から振り込まれた金額に対してかかるかを聞いてみてください。
不倫慰謝料が分割払いなら弁護士費用も分割払いにできるか確認する
不倫慰謝料が分割で支払われるときは、弁護士費用も分割で精算できるかを確認しておいたほうがよいでしょう。
相手に一括で支払う資力がない場合、分割払いでの示談となるケースが多いです。
なかには示談成立の時点で成功報酬を一括請求する事務所もあるため、手元に資金がない方にとっては大きな負担になるでしょう。
たとえば、慰謝料200万円を月5万円ずつ分割で受け取る示談が成立したとします。
仮に1ヵ月分の入金があったとしても、成功報酬30万円を一括で請求されれば大部分を自分の貯金から持ち出す必要があります。
分割払いで示談が成立しそうな場合は、成功報酬をいつ・どのように支払えばよいのかを弁護士に確認しておきましょう。
事務所によっては、支払い時期の調整や分割での精算に応じてくれる可能性があります。
相手との話し合いがこじれる前に弁護士へ相談・依頼する
弁護士への相談・依頼は、相手との話し合いがこじれる前におこないましょう。
交渉だけで合意できれば、弁護士費用は着手金と成功報酬で済みます。
しかし、話し合いがこじれて調停や裁判に進むと追加の着手金や裁判費用が発生し、費用は大きく膨らみます。
自分で交渉を試みたものの感情的なやり取りになってしまい、結果的に裁判まで発展するケースは珍しくありません。
話し合いの段階から弁護士に入ってもらえば、冷静な交渉でスムーズに合意できる可能性が高まります。
弁護士費用の節約にもつながるため、相手とのやり取りが難しいと感じたら、早めに相談するのがおすすめです。
不倫の慰謝料交渉を弁護士に依頼する3つのメリット
不倫の慰謝料交渉は、弁護士に依頼するのがおすすめです。
メリットは以下の3つです。
- 日常生活や仕事への影響を最小限にできる
- 過去の判例と証拠に基づいて適正な金額を引き出せる
- 示談書の作成により解決後の未払いや再発を防止できる
自分で相手と交渉しようとすると、感情的になって話がまとまらない可能性があります。
精神的な消耗も大きく、仕事や日常生活に支障が出ることもあるでしょう。
費用面の不安が解消できたら、弁護士に依頼することで得られるメリットにも目を向けてみてください。
日常生活や仕事への影響を最小限にできる
弁護士に依頼することで、不倫相手や配偶者と直接やり取りする必要がなくなります。
交渉を自分で進めるストレスは想像以上です。
自分を裏切った相手と冷静に話し合うのは難しく、感情的になって話がこじれるケースも珍しくありません。
平日の日中に電話やメールで対応を迫られたり、話し合いのためにやむを得ず有給を使ったりすることもあります。
仕事に集中できずミスが増えるなど、日常生活への影響も無視できません。
弁護士に依頼すると受任通知が相手に送られ、以降の連絡は全て弁護士経由でおこなわれます。
相手との接触を遮断できるため、普段どおりの生活を送りながら解決を目指せます。
交渉のストレスから解放されるだけでも、弁護士に依頼する価値は十分にあるでしょう。
過去の判例と証拠に基づいて適正な金額を引き出せる
弁護士に依頼すれば、過去の判例や算定基準をもとに、適正な慰謝料額を引き出してもらえます。
また、不利な金額で合意してしまうリスクを防げる点もメリットです。
当事者だけで交渉した場合、相手が開き直って支払いを拒否したり、「20万円しか払えない」などと不当に低い金額を提示してきたりすることもあります。
法的知識がない状態では、提示額が妥当かどうか判断できず、泣き寝入りしてしまうこともあるでしょう。
弁護士は、過去の裁判例や慰謝料の算定基準をもとに交渉します。
「婚姻期間〇年、不貞行為の期間〇ヵ月であれば、判例上は〇万円が相当」と客観的な根拠を示せるため、相手も支払いに応じやすくなります。
弁護士に依頼したことで、自分で交渉するよりも獲得額が上がったり、より多く減額できたりといったケースは少なくありません。
弁護士費用を差し引いても手元に残る金額が増えるなら、費用対効果は十分にあるといえるでしょう。
示談書の作成により解決後の未払いや再発を防止できる
弁護士が作成する示談書があれば、慰謝料の未払いや不倫相手との再接触を防止できます。
口約束やLINEでのやり取りだけで済ませた場合、あとから「そんな約束はしていない」「払う余裕がない」と覆されるおそれがあります。
合意内容が曖昧だと、いくらで合意したのかを立証するのが困難です。
弁護士が作成する示談書には、以下のような内容を盛り込めます。
- 慰謝料の金額
- 支払い期日・方法
- 遅延損害金
- 「今後一切、配偶者に接触しない」旨の条項
- 相手が約束を破った場合の違約金
さらに、示談書を公正証書にしておけば、相手が支払いを怠った場合に裁判を経ず給与や預貯金を差し押さえることも可能です。
未払いリスクに対する強力な備えになるでしょう。
不倫問題の弁護士費用に関するよくある質問
不倫慰謝料の弁護士費用について、依頼前によく寄せられる疑問をまとめました。
契約前に確認しておくと安心です。
弁護士費用を不倫相手に負担させることは可能ですか?
交渉や調停の段階では、弁護士費用は自己負担が原則です。
ただし、裁判で不貞行為を認める判決を得た場合は、認容された慰謝料額の約10%を「弁護士費用相当額」として相手に請求できる可能性があります。
たとえば、裁判で認められた慰謝料が200万円なら、約20万円を弁護士費用相当額として請求できます。
「慰謝料額の10%」というのは、裁判所の運用で決まっている数字です。
全額を負担させることまではできない点を理解しておきましょう。
途中で和解した場合は成功報酬にどう影響しますか?
弁護士に依頼したあと、早い段階で和解が成立したときも、原則として成功報酬が発生します。
成功報酬は「どれだけ交渉したか」ではなく「経済的利益がいくら得られたか」で計算されるためです。
たとえば、300万円を請求して和解で150万円を獲得した場合、150万円に対して成功報酬がかかります。
トラブルを防ぐためには、委任契約書で「どのような場合に成功報酬が発生するか」を事前に確認しておきましょう。
「経済的利益」に婚姻費用(生活費)や養育費は含まれますか?
多くの事務所では、婚姻費用や養育費も経済的利益に含まれます。
不倫が原因で離婚や別居に至った場合、慰謝料だけでなく婚姻費用や養育費もセットで請求するケースが一般的です。
このとき、獲得した養育費や婚姻費用の一定期間分を経済的利益として成功報酬の計算に含めます。
たとえば、経済的利益の算定期間が2年分、成功報酬率が15%の事務所で獲得した養育費が月額8万円だった場合、以下の報酬が上乗せされます。
| 8万円×24ヵ月=192万円(経済的利益) 192万円×15%=約29万円(成功報酬) |
慰謝料の成功報酬だけを気にしていると、婚姻費用や養育費の報酬で予想外の金額になることがあります。
契約前に、「経済的利益にはどこまで含まれるのか」「婚姻費用や養育費の算定期間は何年分か」を必ず確認しておきましょう。
判決が出ても相手が1円も払わなかった場合、成功報酬はどうなりますか?
成功報酬を計算する基準が「判決額(合意額)」か「回収額」かで、結果は大きく異なります。
基準が「判決額」ベースであれば、慰謝料を回収できていないにもかかわらず、判決額に対する成功報酬の支払い義務だけが残ります。
たとえば200万円の判決が出て成功報酬率が15%なら、30万円を自腹で支払わなければなりません。
手元に入ったお金はゼロなのに、弁護士費用だけが出ていく最悪のパターンです。
しかし「回収額」ベースなら、実際にお金が振り込まれない限り成功報酬は発生しません。
相手の支払い能力に不安があるときは、回収額ベースの事務所か、費用倒れを防ぐ保証がある事務所を選ぶと安心です。
さいごに|慰謝料の弁護士費用は相場と手残り額を確認して依頼を検討しよう
不倫慰謝料の成功報酬の相場は、獲得額(または減額できた額)の10〜20%です。
日本弁護士連合会の旧報酬基準では報酬金は最大で16%と定められており、示談交渉・調停ではその3分の2(約11%)まで減額できるとされていました。
現在も多くの事務所がこの基準を参考にしています。
着手金ありプランと完全成功報酬制のどちらが向いているかは、手持ち資金の有無によって変わります。
初期費用を抑えたいなら完全成功報酬制、トータルコストを抑えたいなら着手金ありプランを検討しましょう。
費用倒れを防ぐには、成功報酬の最低固定額や追加費用の有無、成功報酬の計算基準などを確認することが大切です。
費用倒れを防ぐ保証が設けられている事務所もあるため、あわせて確認してみてください。
まずは複数の事務所の無料相談を活用して、自分のケースでの最低獲得ラインと見積もりを出してもらいましょう。
見込み額から弁護士費用を差し引いて、手元にいくら残るかを確認すれば、依頼すべきかどうかを判断できます。
