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盗撮未遂とは?起こりうるデメリットと加害者が今すぐ取るべき対応について解説

監修者
木村 洋平
弁護士
盗撮未遂とは?起こりうるデメリットと加害者が今すぐ取るべき対応について解説

盗撮未遂で警察に声をかけられたり、事情聴取を受けたりして、「撮影はできていないのに、罪になるのだろうか」「このまま逮捕や前科が付くのではないか」と強い不安を抱えている人は少なくありません。

また、実際に逮捕された、あるいは家族や恋人が盗撮未遂で逮捕されたという状況に直面し、今後どうなるのか見通しが立たず、混乱している人もいるでしょう。

盗撮未遂は、仮に撮影をしていなかったとしても、状況によっては刑事責任を問われる可能性があります。

捜査の進み方次第では、身柄を拘束される、実名で報道される、起訴されて有罪判決を受けるといった深刻な結果につながるおそれも否定できません。

一方で、早い段階で適切な対応を取ることで、不起訴処分や処分の軽減が見込めるケースがあるのも事実です。

本記事では、盗撮未遂とはどのような犯罪なのかを法律の観点から整理したうえで、成立する要件、想定されるデメリット、そして加害者側が取るべき具体的な対応について解説します。

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盗撮未遂とは?盗撮行為をしたが失敗した犯罪のこと

盗撮未遂とは、盗撮を目的とした行為に着手したものの、結果として撮影が成功しなかった状態を指します。

盗撮未遂の判断において重視されるのが「撮影できたかどうか」ではなく、「盗撮をする目的で具体的な行為に及んだかどうか」です。

そのため、たとえばスマートフォンや小型カメラを用いて他人の身体や衣服の内側を撮影しようとした時点で、犯罪の実行に着手したと評価されることがあります。

撮影できていない場合でも、状況によっては犯罪として処罰される可能性がある点に注意しましょう。

【関連記事】【弁護士監修】撮影罪(盗撮罪)とは?刑罰や構成要件をわかりやすく解説

盗撮未遂罪(性的姿態等撮影の未遂)の主な構成要件

盗撮未遂に当たるかどうかは、性的姿態等撮影処罰法の条文に照らして判断されます。

(性的姿態等撮影)

第二条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。

一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為

イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分

ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態

二 刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為

三 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為

四 正当な理由がないのに、十三歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は十三歳以上十六歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為

2 前項の罪の未遂は、罰する。

引用元:性的姿態等撮影処罰法

わかりやすく整理すると、主に以下のポイントが問題になります。

  • 正当な理由がなく、ひそかに撮影しようとしたこと
  • 性的な部位や下着姿などの「性的姿態等」を撮影しようとしたこと
  • 撮影行為をおこなおうとしたが失敗していること

それぞれの要件について詳しく見ていきましょう。

1.正当な理由がなく、ひそかに撮影しようとしたこと

盗撮未遂が成立するための重要な要件の一つは、正当な理由なくおこなわれたひそかな撮影行為であることです。

たとえば、スマートフォンをポケットやバッグから取り出して他人の下着や身体の一部をこっそり撮ろうとした行為や、隠しカメラを設置しようと試みた行為などがこれに当たります。

2.性的な部位や下着姿などの「性的姿態等」を撮影しようとしたこと

盗撮未遂として処罰の対象となるためには、撮影の対象が性的な部位や下着姿など、プライバシー性の高い身体の一部である必要があります。

単に人物を撮影しようとしただけでは、盗撮未遂には該当しません。

具体的には、下着で覆われた臀部や胸部、スカートの内側、衣服の中に隠れた身体の一部などが該当します。

また、更衣室やトイレなど、本来人に見られることを前提としていない場所での撮影行為も、性的姿態を対象としたものと判断されやすくなります。

3.撮影行為をおこなおうとしたが失敗していること

盗撮未遂と判断されるためには、盗撮を目的とした撮影行為に着手しているものの、結果として撮影が成功していないことが必要です。

つまり、「盗撮をしようとしたが、何らかの理由で撮影に至らなかった状態」であることが前提となります。

たとえば、スマートフォンをスカートの内側に差し向けたものの途中で気付かれた場合や、隠しカメラを設置しようとしたが発見されてしまった場合などが該当します。

撮影ボタンを押していなかった、映像が記録されていなかったといった事情があっても、盗撮を目的とした具体的な行為が確認されれば、未遂として評価される可能性があります。

盗撮未遂をした場合に起こりうる3つのデメリット

ここでは、盗撮未遂が発覚した場合に想定される主なデメリットを、代表的な3つの観点から整理します。

1.捜査機関に身柄を拘束されるおそれがある

盗撮未遂であっても、状況によっては逮捕され、警察や検察による捜査を受ける可能性があります。

現行犯で発覚した場合だけでなく、防犯カメラ映像や関係者の証言などから特定され、逮捕に至るケースも少なくありません。

逮捕されると、一定期間にわたり身柄を拘束され、取調べを受けることになります。

勾留が認められた場合には、仕事や学校に通えなくなり、社会生活に大きな支障が生じるおそれがあります。

2.実名報道される可能性がある

盗撮未遂で逮捕された場合、事件の内容や立場によっては、報道機関により実名で報道される可能性があります。

とくに、公共性の高い立場にある人や、行為の態様が悪質と判断されたケースでは、実名や勤務先が報じられる可能性が高まります。

一度実名報道されると、その情報はインターネット上に残り続け、事件後の生活に長期的な影響を及ぼしかねません。

また、不起訴処分となった場合でも、報道そのものが取り消されるわけではないことに注意が必要です。

【関連記事】実名報道される4つのデメリット|報道される基準と回避方法について

3.起訴されて有罪判決になる可能性がある

盗撮未遂であっても、捜査の結果によっては検察に起訴され、刑事裁判で有罪判決を受ける可能性があります。

撮影が成功していないことは考慮されますが、それだけで必ず不起訴になるわけではありません。

起訴され有罪となった場合、罰金刑や拘禁刑が科されるだけでなく、前科が付くことになり、就職や転職、資格取得などに影響が及ぶおそれがあります。

盗撮未遂をした場合に加害者側が取るべき3つの対応

盗撮未遂が発覚した場合、その後の対応次第で処分の重さや結果は大きく変わります。

ここでは、盗撮未遂をしてしまった加害者側が、できる限り不利な結果を避けるために取るべき対応を3つに分けて解説します。

1.刑事事件が得意な弁護士に相談する

盗撮未遂で警察の捜査を受けている場合、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが重要です。

弁護士に相談することで、取調べへの対応方法について助言を受けられるほか、逮捕や勾留を回避するための働きかけをしてもらえる可能性があります。

また、捜査機関に対して適切な意見を述べることで、処分の軽減や不起訴処分につながる場合もあります。

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2.弁護士に示談交渉をおこなってもらう

盗撮未遂事件では、示談交渉は弁護士に任せるべきです。

盗撮未遂のような事件では、被害者が加害者を許す意思を示した場合、検察は起訴を見送る判断をすることがあります。

一方で、示談が成立しなければ、未遂であっても起訴される可能性は否定できません。

しかし、加害者本人が被害者に直接連絡を取ると、被害者に恐怖心や不快感を与えるおそれがあります。

その点、弁護士であれば被害者の意向を慎重に確認しながら、謝罪や補償の方法を整理し、冷静かつ適切に交渉を進めることが可能です。

【関連記事】弁護士に示談交渉を任せたい!依頼の流れ・費用・注意点をわかりやすく解説

3.十分に反省して再犯防止策に取り組む

盗撮未遂をしてしまった場合、不起訴の可能性を少しでも高めるためには、再犯防止策に取り組む姿勢を明確に示すことが重要です。

その理由は、盗撮が比較的再犯率の高い犯罪とされており、捜査機関や検察が「同じ行為を繰り返すおそれがあるかどうか」を重視しているためです。

再犯防止に向けた具体的な行動が確認できなければ、反省が十分でないと評価される可能性があります。

たとえば、医療機関や専門のクリニックで治療やカウンセリングを受ける、公共交通機関の利用を控える、盗撮に関連する動画や書籍を破棄するといった取り組みが考えられます。

また、配偶者や親にスマートフォンの中身を定期的に確認してもらうなど、家族の協力を得ることも再犯防止策の一つです。

さいごに|盗撮未遂の弁護が得意な弁護士は「ベンナビ刑事事件」で探せる

盗撮未遂は、撮影に失敗していたとしても、対応を誤れば逮捕や起訴につながるおそれがあります。

一方で、早い段階から適切な対応を取ることで、不起訴処分や処分の軽減が見込める場合もあります。

そのためには、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。

盗撮未遂について弁護士を探す際は、「ベンナビ刑事事件」を活用する方法があります。

地域や相談内容に応じて、刑事事件に注力する弁護士を探すことができ、相談のきっかけとして利用しやすいサービスです。

不安を抱えている場合は一人で抱え込まず、早めに弁護士へ相談して適切な対応を取り、将来への影響を最小限に抑えてください。

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株式会社アシロ編集部
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