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不倫の慰謝料相場はいくら?請求できる条件・時効・有効な証拠を解説

監修者
川越 悠平
弁護士
不倫の慰謝料相場はいくら?請求できる条件・時効・有効な証拠を解説
目次
  1. 不倫(浮気)の慰謝料とは
  2. 不倫(浮気)の慰謝料の相場
  3. 不倫(浮気)の慰謝料が高額になるケース
    1. 婚姻期間が長い
    2. 不倫(浮気)期間が長い
    3. 不貞行為の回数が多い
    4. 幼い子どもがいる
    5. 不貞行為の態様が悪質である
    6. 不貞行為の発覚により夫婦関係が破綻した
    7. 不倫(浮気)が原因でうつ病などを患った
  4. 相場以上の不倫(浮気)慰謝料が認められた判例
    1. 不倫期間22年間で400万円認定|東京地裁平成27年7月8日判決
    2. 関係解消要求後も不倫継続で300万円認定|東京地裁平成19年4月5日判決
  5. 不倫(浮気)の慰謝料を請求できる相手
    1. 配偶者|離婚しない場合は請求しないのが一般的
    2. 不倫相手|不倫相手のみに請求する場合は求償権に注意
  6. 不倫(浮気)の慰謝料請求の流れ
    1. 1.不倫(浮気)の証拠を確保する
    2. 2.内容証明郵便を送付する
    3. 3.当事者間で話し合う(示談交渉)
    4. 4.調停または裁判での解決を図る
  7. 不倫(浮気)の慰謝料請求に有効な証拠の例
    1. 肉体関係の存在を示す写真・動画
    2. 探偵の調査報告書
    3. 不貞行為を認める書面・録音データ
    4. ラブホテルの領収書・クレジット明細
    5. カーナビやドライブレコーダーの記録
    6. 肉体関係の存在を匂わすメール・LINEなどのやり取り
  8. 不倫(浮気)慰謝料請求権の消滅時効
    1. 不貞の事実と相手を知った時から原則3年
    2. 不貞行為があった時から20年
  9. 不倫(浮気)の慰謝料請求を成功させるためのコツ
    1. 不貞行為の証拠を出すタイミングを見極める
    2. 感情的にならずに淡々と事実確認をする
    3. 離婚・不倫慰謝料に詳しい弁護士に手続きを依頼する
  10. 相手が不倫(浮気)慰謝料を支払わない場合の対処法
    1. 強制執行を申し立てて相手の財産を差し押さえる
    2. 時効の完成が近い場合は完成猶予・更新の手続きをとる
  11. 不倫(浮気)の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
    1. 証拠の選定や相手との交渉を任せられる
    2. 慰謝料の増額が期待できる
    3. 調停や訴訟の手続きを一任できる
  12. 不倫(浮気)慰謝料の請求でお悩みなら「ベンナビ離婚」
  13. 不倫(浮気)慰謝料に関するよくある質問
    1. Q. 不倫(浮気)の慰謝料請求が認められないケースはありますか?
    2. Q. 不倫慰謝料を請求するのが「時代遅れ」と言われるのはなぜですか?
    3. Q. 不倫(不貞行為)の慰謝料として1,000万円が認められるケースはありますか?
    4. Q. ダブル不倫の場合の慰謝料請求はどうなりますか?
    5. Q. 慰謝料請求された側も弁護士に依頼できますか?
  14. まとめ

不倫(浮気)の慰謝料は、離婚しない場合で50万円~200万円程度、離婚する場合で100万円~300万円程度が相場です。

慰謝料額は、婚姻期間や不倫期間の長さ、不倫前後の夫婦関係の状況、悪質性などさまざまな事情を考慮して算定されるため、相場に幅があります。

自分のケースでいくら貰えるか見通しを立てるには、過去の裁判例の傾向を熟知し、交渉による解決の相場を把握している弁護士への相談が有効です。

本記事では、不倫慰謝料の相場・増額される事情・請求できる相手や流れを解説します。

証拠の集め方や支払われない場合の対処法、弁護士に依頼するメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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不倫(浮気)の慰謝料とは

不倫(浮気)の慰謝料とは、配偶者と不倫相手の不貞行為によって受けた精神的苦痛を補うために支払われる損害賠償金です。

不貞行為とは、配偶者のある人が自由な意思に基づいて、配偶者以外の相手と肉体関係を結ぶことです。

不貞行為は、配偶者への貞操義務に反し、平穏な婚姻共同生活を破壊する行為として、民法上の不法行為にあたります。

不貞行為は、配偶者と不倫相手が共同でおこなう不法行為であるため、他方配偶者に生じた精神的損害は不貞当事者双方が連帯して賠償義務を負います。

【関連記事】
不倫の慰謝料請求できる条件は?請求方法や慰謝料相場を詳しく解説
不貞行為の定義とは?どこからが不貞になるかを詳しく解説

不倫(浮気)の慰謝料の相場

不倫(浮気)の慰謝料相場は、離婚するかどうかで変わります。

おおよその目安は、以下のとおりです。

夫婦の状況 慰謝料の相場
離婚しない場合 50万円~200万円程度
離婚する場合 100万円~300万円程度

離婚に至った場合は、夫婦生活の基盤そのものを失った精神的苦痛が加わるため、離婚しない場合より高くなる傾向です。

不倫(浮気)の慰謝料が高額になるケース

不倫(浮気)の慰謝料額は、ひとつの基準で機械的に決まるものではなく、事案ごとの事情を総合して判断されます。

慰謝料の算定に影響を与えるのは、婚姻期間や不貞期間の長さ、未成熟子の有無、不貞行為が夫婦関係に与えた影響の程度などです。

被害を受けた側の精神的苦痛が重いと評価されるほど、慰謝料は相場の上限側に近づきます。

本章では、不倫(浮気)の慰謝料が高額になるケースを紹介します。

婚姻期間が長い

婚姻期間が長いほど、慰謝料額は高くなる傾向にあります。

婚姻関係が長く続くほど、平穏な夫婦生活は安定して強固になるため、より保護されるべきだからです。

婚姻共同生活の基盤が強い(婚姻期間が長い)ほど、被る精神的苦痛も大きいと考えられます。

婚姻から10年以上が経過した夫婦の不貞では、相場の上限に近い金額が認められる場合もあります。

反対に、結婚まもない時期の不貞では、金額が低めに算定される傾向です。

不倫(浮気)期間が長い

不倫(浮気)の期間が長いほど、慰謝料額は高くなる傾向にあります。

不貞が長期間にわたって続いたケースほど、被害を受けた側が受ける心理的ダメージは大きくなると考えられるためです。

過去の裁判例を見ると、不貞期間が3年以上に及ぶケースで相場の上限に近い金額が認められている傾向です。

不貞期間が比較的短くても、婚姻期間に占める不貞期間の割合が大きい場合は、増額事由として考慮されるケースもあります。

反対に、関係が短期間で解消されたケースでは、金額が低めにとどまる傾向です。

不貞行為の回数が多い

不倫(浮気)の期間が短くても、肉体関係をもった回数が多ければ、高額な慰謝料が認められる可能性があります。

回数が多いほど、配偶者の精神的苦痛が大きいと評価される傾向があるためです。

一方、一夜限りの関係や回数や頻度が少ない場合には、慰謝料が減額される傾向にあります。

なお、肉体関係を持った回数は、証拠上明らかなもののみが慰謝料算定の基礎になります。

実際には数十回に及ぶ肉体関係があったとしても、証拠により客観的に証明できなければ、裁判では認められません。

幼い子どもがいる

幼い子どもを育てている時期に不貞をされた場合、慰謝料額は高くなる傾向にあります。

乳幼児など手のかかる時期は、配偶者の協力や家庭の安定が必要不可欠であり、婚姻共同生活の平和を害した程度が大きいと評価されるためです。

経済的・社会的に自立していない子が複数いる場合も、増額要素として考慮される可能性があります。

不貞行為の態様が悪質である

不貞行為の態様が悪質な場合は、慰謝料額は高くなる傾向にあります。

不貞行為による侵害の程度が大きいほど、精神的苦痛は大きいと考えられるためです。たとえば、以下のようなケースです。

  • 関係解消を求められたのに、交際を継続した
  • 夫婦の自宅で不貞行為に及んだ
  • 一方的に別居して不貞相手と夫婦同様の生活をした
  • 他方配偶者に対し、嫌がらせをした
  • 他方配偶者に対し、離婚を執拗に要求した

不貞行為の態様が悪質で、積極的に婚姻関係を破壊しようとしたケースでは、不貞期間が短くても高額な慰謝料が認められる可能性があります。

反対に、謝罪の意を示し、早期に関係を解消したときは、減額要素として考慮される場合があります。

不貞行為の発覚により夫婦関係が破綻した

不貞行為の発覚によって夫婦関係がどれだけ悪化したかも、慰謝料額に影響を与えます。

慰謝料は、婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益の侵害により生じた損害を賠償するための金銭です。

不貞行為の前後で、どの程度の権利侵害があったかという評価によって金額が異なります。

不貞行為が原因で離婚に至った場合や、別居に至るほど深刻に悪化した場合は、金額が高くなる傾向にあります。

反対に、夫婦関係が相当程度修復されている場合は、減額要素として考慮される傾向です。

不倫(浮気)が原因でうつ病などを患った

不倫(浮気)が原因で、被害を受けた側がうつ病などの精神疾患にかかった場合も、慰謝料の増額事情になります。

不倫(浮気)による慰謝料は、被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われるものです。

医療機関での治療が必要な状態にまで追い込まれたという事実は、精神的苦痛の度合いが高いと評価されやすくなります。

不倫と発症の因果関係が明白な場合には、慰謝料とは別途治療費や休業損害などが認められるケースもあります。

相場以上の不倫(浮気)慰謝料が認められた判例

本章では、増額要素が考慮され、相場以上の不倫慰謝料が認められた裁判例を紹介します。

不倫期間22年間で400万円認定|東京地裁平成27年7月8日判決

不倫相手に対する慰謝料400万円が認められた事例です(東京地裁平成27年7月8日判決)。

不貞開始までの夫婦の婚姻期間は約24年間で、交際開始当時、夫婦間には0歳の子が一人いました。

配偶者と不倫相手は、不倫が発覚したあとも原告を欺く態様で関係を継続しています。

裁判所は、不倫期間が少なくとも約22年に及び、婚姻期間に匹敵するほど長期にわたる点を増額要素のひとつとしています。

原告が受けた精神的苦痛は相当深刻なものと認められ、400万円の慰謝料が認定されました。

【参考元】Westlaw Japan – 判例・法令検索・判例データベース | 日本 | トムソン・ロイター

裁判年月日 平成27年 7月 8日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決

事件番号 平25(ワ)29690号

事件名 損害賠償請求事件

裁判結果 一部認容 文献番号 2015WLJPCA07088007

関係解消要求後も不倫継続で300万円認定|東京地裁平成19年4月5日判決

不倫相手に対する慰謝料300万円が認められた事例です(東京地裁平成19年4月5日判決)。

不貞開始までの夫婦の婚姻期間は約6年間で、概ね平穏でした。

不倫相手は、原告の配偶者が既婚と知りながら交際を開始しました。

裁判所は、不倫相手が、原告から再三にわたり関係解消を求められたにもかかわらず、拒絶し続けた点を増額事情のひとつとして考慮しています。

原告と配偶者の婚姻期間が比較的長い6年であった点も踏まえ、300万円の慰謝料が認められました。

【参考元】Westlaw Japan – 判例・法令検索・判例データベース | 日本 | トムソン・ロイター

裁判年月日 平成19年 4月 5日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決

事件番号 平18(ワ)15086号

事件名 損害賠償請求事件

裁判結果 一部認容 文献番号 2007WLJPCA04058001

不倫(浮気)の慰謝料を請求できる相手

不倫(浮気)の慰謝料は、不貞をした配偶者と不倫相手の双方に請求できます。

二人は共同の不法行為者として、連帯して賠償義務を負うためです。

ただし、同じ損害について二重に受け取ることは認められず、一方が全額を支払えば他方は支払義務を免れます。

誰にいくら請求するかは、離婚するかどうかや相手の支払能力を踏まえて検討します。

配偶者|離婚しない場合は請求しないのが一般的

離婚せず婚姻を続ける場合、配偶者に対しては慰謝料を請求しないのが一般的です。

法律上は、配偶者にも不貞を理由とする慰謝料を請求できます。

しかし、婚姻を続けるかぎり、同じ家計から出た金銭が同じ家計に戻るだけになり、請求する実益が乏しくなるケースが多いです。

不貞が原因で離婚する場合は、配偶者に対しても慰謝料を請求するのが通常です。

離婚に伴う慰謝料には、不貞行為そのものへの賠償に加え、離婚によって配偶者の地位を失うことへの賠償も含まれます。

不倫相手|不倫相手のみに請求する場合は求償権に注意

不倫相手だけに慰謝料を請求する場合は、求償権に注意しましょう。

不倫相手が慰謝料を全額支払うと、自分の責任割合を超えた部分について、配偶者に返還を求める権利(求償権)を得ます。

配偶者と不倫相手は、慰謝料を連帯して負担する関係にあるためです。

離婚せず婚姻を続けるケースで、不倫相手に求償権を行使されると、夫婦の共有財産から配偶者の負担分が支払われることになります。

受け取った慰謝料の一部が、実質的に家計から不倫相手へ戻る形です。

不倫相手だけに請求する際は、配偶者を含む三者間で示談し、浮気相手に配偶者に対する求償権を放棄してもらう方法を検討しましょう。

求償権放棄と引き換えに減額を求められる可能性はありますが、交渉や支払いの二度手間を避けられます。

不倫(浮気)の慰謝料請求の流れ

不倫(浮気)の慰謝料請求は、当事者間の話し合いで解決するケースが多く、まとまらない場合に調停や訴訟へ移ります。

1.不倫(浮気)の証拠を確保する

慰謝料請求に着手する前段階として、不貞行為を証明できる証拠をできるだけ多く集めましょう。

証拠が乏しいままでは、言い逃れや口裏合わせ、証拠の隠滅につながるおそれがあります。

有効な証拠の例は、以下のとおりです。

  • 肉体関係の存在を示唆する写真や動画
  • 探偵事務所が作成した調査報告書
  • ラブホテルの利用履歴やクレジットカードの明細
  • 不貞を認める発言が記録された録音や書面
  • 肉体関係をうかがわせるメッセージのやり取り

通常、性行為は第三者の目が届かない場所でおこなわれるため、肉体関係を直接証明する証拠を入手できない場合も多いです。

しかし、状況証拠を複数組み合わせると、肉体関係の存在を立証できる余地は十分にあります。

できる限り複数の証拠を確保しましょう。

2.内容証明郵便を送付する

証拠を確保できた段階で、内容証明郵便などを用いて相手に慰謝料請求の意向を伝えます。

内容証明郵便とは、差し出した文書の内容・差出人・受取人・日付について、日本郵便株式会社が証明する郵便サービスです。

通常の郵便とは異なる厳格な書式で届くため、受け取った相手に本気度を示す心理的な効果もあります。

無視すれば訴訟に発展しかねないと感じさせることで、話し合いに応じてもらいやすくなるでしょう。

また、内容証明郵便を用いた請求(催告)には、消滅時効の完成を6ヵ月間先延ばしにできる効果もあります。

【関連記事】不倫相手に内容証明を送る流れや守るべきルールについて解説

3.当事者間で話し合う(示談交渉)

内容証明郵便の送付後は、当事者間で示談交渉をおこないます。

話し合いで慰謝料の金額や支払い方法について合意できれば、調停や裁判を経ずに早期に解決できます。

時間や費用の負担を抑えられる点が、示談交渉のメリットです。

合意内容は口約束にとどめず、示談書として書面化しておくのが望ましいです。

口頭だけの約束では、あとから「言った、言わない」の争いに発展するおそれがあります。

感情的な対立が激しい場合は、当事者同士の交渉が難航しやすいです。

話し合いがまとまらない、または顔を合わせたくないという場合は、弁護士に交渉を任せるのもひとつの方法です。

【関連記事】不倫の示談書の書き方|離婚慰謝料を請求するためのテンプレート付きで紹介

4.調停または裁判での解決を図る

示談交渉がまとまらない場合は、調停または裁判で解決を図ります。

調停手続は、調停委員を介して話し合いをおこない、合意による解決を目指す手続きです。

当事者同士では感情的になりやすい話し合いも、第三者を介すると冷静に進めやすくなるでしょう。

調停でも合意に至らない場合は、訴訟を提起して裁判所の判断を求めます。

裁判では、提出した証拠にもとづいて裁判所が慰謝料の金額を判断します。

法廷での主張・立証には専門知識が求められるため、訴訟による解決を図る場合は、弁護士への依頼を積極的に検討してください。

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不倫(浮気)の慰謝料請求に有効な証拠の例

不倫(浮気)の慰謝料請求では、肉体関係の存在を客観的に示す証拠が必要です。

ただし、性行為そのものは密室でおこなわれるため、決定的な証拠を確保できるケースは多くありません。

直接的な証拠を掴めない場合は、複数の間接的な証拠を組み合わせて立証します。

本章では、不倫(浮気)の慰謝料請求に有効な証拠の例を紹介します。

肉体関係の存在を示す写真・動画

肉体関係の存在を示す写真・動画は、不貞行為の有力な証拠です。

性行為中の様子を写真や動画に収めたものがあれば、決定的な証拠となるでしょう。

性交渉そのものが映っていなくても、ベッド上に裸や下着姿で二人きりで映る写真などは、肉体関係を強く推認する証拠として有力です。

撮影日時が明確に記録されていると、証拠としての信用性が高まります。

なお、無断でのプライベート空間への侵入など違法な手段で取得した証拠は、証拠能力を否定されるおそれがあります。

証拠を集める際は、収集方法自体が違法にならないよう注意しましょう。

探偵の調査報告書

探偵事務所に依頼して作成された調査報告書は、不貞行為の証拠として広く使われています。

尾行や張り込みといった適法な方法で集められた報告書であれば、裁判でも証拠として提出できます。

調査報告書には、対象者がいつ・どこで・誰と会い、どの施設に何時間滞在したかが、写真とともに記録されているのが一般的です。

ラブホテルへの出入りが記録されていれば、肉体関係を強く推認する有力な証拠となります。

ただし、調査費用は、内容や期間によって数十万円から100万円程度かかるケースも少なくありません。

探偵業の届出をしていない業者や違法な手段で調査する業者も一部にいるため、契約前に届出の有無と調査方法を確認しておくと安心です。

不貞行為を認める書面・録音データ

不倫(浮気)をした当事者が不貞行為を認める書面や録音データも、証明力の高い証拠になります。

不貞行為を直接認める発言だけでなく、日時・場所・回数などが具体的にわかる内容であれば、証拠としての価値がより高まります。

ただし、不倫(浮気)をした配偶者が不貞を認める書面・録音データだけで、裁判で不貞行為が認定されるとは限りません。

実際には肉体関係を持っていなくても負い目から不貞を認めたり、早く離婚したいという気持ちから書面を作成したりするケースもあるためです。

不倫(浮気)をした配偶者の自白を証拠として用いる場合には、配偶者の言葉を裏付ける証拠も確保しておく必要があります。

ラブホテルの領収書・クレジット明細

ラブホテルの領収書やクレジットカードの明細も、不貞行為の証拠になり得ます。

一般に、ラブホテルは性行為を目的として利用される施設と受け止められており、利用の事実から肉体関係の存在を推認できるためです。

ただし、記録に残るのは利用の事実だけで、誰と一緒に利用したかまでは示せません。

同じ日のメッセージのやり取りや位置情報、防犯カメラの映像など、同行者を特定できる証拠と組み合わせて初めて、不貞の裏づけになります。

なお、利用先が一般のシティホテルやビジネスホテルの場合は、性交渉が前提の利用とは言い切れないため、ラブホテルほど強い推認は働きません。

カーナビやドライブレコーダーの記録

カーナビの履歴やドライブレコーダーの記録も、不貞行為の状況証拠として使えます。

カーナビやETCの目的地・通過履歴からは、いつどこへ向かったかがわかります。

ドライブレコーダーには、車内の会話や同乗者の姿が残っている場合もあるでしょう。

深夜の外出や同じ場所への繰り返しの訪問が確認できれば、不貞の状況を組み立てる材料になります。

ただし、車が目的地へ行ったとわかるだけでは、肉体関係があったとまでは示せません。

写真やメッセージなど、ほかの証拠と組み合わせて使うのが前提です。

肉体関係の存在を匂わすメール・LINEなどのやり取り

肉体関係をうかがわせるメールやLINEのやり取りも、不貞行為の証拠になり得ます。

性行為や性行為に準ずる具体的な行為に触れた文面であれば、証拠価値が高くなります。

たとえば、以下のような内容のメール・LINEなどです。

  • 「デートがいつもラブホテルばかりになってごめんね」
  • 「前回一緒に行った○○(ラブホテル名)良かったから、また行きたいな」
  • 「コンドームの予備がなくなったから、来るとき買ってきて」
  • 「私としている間は、奥さんとエッチしないでね」

「好き」「楽しかった」「次はいつ会う?」など、単に好意を示す内容や会う約束を取り付ける内容だけでは、不貞行為の証拠としては弱いです。

【関連記事】不倫の慰謝料請求に有効な証拠25選!証拠の集め方やNG行動も詳しく解説

不倫(浮気)慰謝料請求権の消滅時効

不倫(浮気)の慰謝料請求権は、以下のいずれか早い時点で、時効により消滅します。

  • 不貞の事実と不倫相手の氏名・住所を知った時から3年
  • 不貞行為があった時から20年

期間が過ぎたあとでも、相手が任意に支払えば慰謝料は受け取れます。

しかし、通常は時効の援用を主張され、裁判でも請求は認められません。

時効が迫っているときは、期間が過ぎる前に手続きを進める必要があります。

不貞の事実と相手を知った時から原則3年

慰謝料請求権

不貞の事実と不倫相手を知った時から3年が過ぎると、慰謝料請求権は時効によって消滅します。

「知った時」とは、不貞行為の事実に加え、不倫相手の氏名や住所など相手を特定できる情報を把握した時点を指します。

不貞の事実を把握していても、相手が誰かわからないうちは3年の時効は進みません。

なお、配偶者に対する不貞慰謝料請求権は、婚姻が続いている間と、離婚などによる婚姻解消から6ヵ月の間は、時効の完成が猶予されます。

離婚慰謝料請求権の消滅時効は、離婚が成立した日から3年です。

不貞行為があった時から20年

不貞行為があった時から20年

不貞行為があった時から20年が過ぎると、慰謝料請求権は消滅します。

3年の期間とは異なり、被害を受けた側が不貞の事実を知っていたかどうかは問われません。

不貞に気づかないまま20年が経過した場合も、時効の更新や完成猶予がないかぎり、請求権は失われます。

不倫(浮気)の慰謝料請求を成功させるためのコツ

不倫慰謝料請求を有利に進めるには、証拠の使い方と交渉の進め方に工夫が必要です。

交渉や裁判の見通しを立てながら進めるには、不貞・離婚問題を扱う弁護士のサポートを受けるのが有効です。

不貞行為の証拠を出すタイミングを見極める

不貞行為の証拠を出すタイミングを見極めましょう。

証拠が不十分な段階で見せると、相手に言い訳や証拠隠滅の機会を与えるためです。

たとえばツーショット写真だけを早々に示しても、「やましいことはない」と言い逃れをされるおそれがあります。

疑いを察した相手に、証拠を消されたり口裏を合わせられたりする可能性もあります。

効果的なタイミングは、証拠が十分そろい、かつ相手が不貞を否定したり嘘の説明をしたりした場面です。

相手が徹底的に争う構えを見せる場合は、証明力の高い証拠を訴訟まで温存する方法もあります。

ただし、訴訟に入ってからの出し惜しみは、時機に後れた攻撃防御方法として却下されるおそれがあります。

証拠は集まり次第、適切なタイミングで提出する準備を整えておきましょう。

【関連記事】不貞行為の証拠を出すタイミングは?不貞行為を認めない場合の対処法も紹介

感情的にならずに淡々と事実確認をする

不倫相手や配偶者への対応は、感情的にならず、淡々と事実確認を進めるのが基本です。

怒りに任せて問い詰めると、相手が身構えて話し合いがこじれ、解決までの時間も精神的な負担も大きくなるためです。

事実関係をひとつずつ確認し、手元の証拠と照らし合わせていくと、相手の言い逃れを防ぎやすくなります。

感情的な言動は、のちの裁判で不利な事情として扱われるおそれがあるため控えてください。

離婚・不倫慰謝料に詳しい弁護士に手続きを依頼する

不倫(浮気)の慰謝料請求を成功させるには、離婚・不倫慰謝料に詳しい弁護士に手続きを依頼するのが有効です。

証拠の評価や相場の見極めには、専門的な知識が欠かせません。

自分で進めると、有効な証拠を見落としたり、相場からかけ離れた金額を求めて交渉が長引いたりしがちです。

弁護士に依頼すれば、証拠収集のアドバイスから相手との交渉、調停・訴訟の手続きまで一任できます。

感情的な対立を避けた円滑な話し合いが望めるうえ、不倫相手のやり取りから生じる心理的負担も軽減できます。

相手が不倫(浮気)慰謝料を支払わない場合の対処法

相手が不倫慰謝料の支払いに応じない場合、判決や公正証書などの債務名義があれば、強制執行の申立てが可能です。

まだ債務名義を取得しておらず、時効の完成が近いときは、完成猶予または更新の手続きをとっておきましょう。

強制執行を申し立てて相手の財産を差し押さえる

裁判や強制執行認諾文言付公正証書で定められた慰謝料を相手が支払わない場合は、強制執行を申し立てられます。

強制執行とは、債務名義に基づいて、相手の財産や債権を差し押さえ、強制的に債権を回収する手続きです。

差し押さえの対象になるのは、勤務先から支払われる給与、銀行の預貯金、不動産などです。

給与を差し押さえた場合は、相手の勤務先から直接支払いを受けられます。

債務名義を取得していない場合は、公証役場で強制執行認諾文言付公正証書を作成するか、調停または裁判を起こす必要があります。

交渉で分割払いに応じる場合は、強制執行認諾文言付公正証書を作成しておくと安心です。

時効の完成が近い場合は完成猶予・更新の手続きをとる

時効の完成が迫っているときは、完成猶予または更新の手続きをとっておきましょう。

時効の完成を猶予・更新する主な方法として、以下の二つが挙げられます。

方法 効果
内容証明郵便で請求の意思表示(催告)をする 催告があった日から6ヵ月間、時効の完成が猶予される
※再度催告をしても、再度催告による時効完成猶予の効果は生じない
当事者間で協議をおこなう合意を得る 慰謝料の支払いについて協議をおこなう旨を書面で合意すると、時効の完成が最大1年間猶予される
調停または訴訟を起こす 調停や裁判が終了するまでの間は、時効が成立しない
※確定判決により権利が確定した場合や裁判上の和解をした場合は、時効が更新される(新たな時効期間は10年となる)

時効の起算点や時効完成の有無を正確に判断するには、法的知識が不可欠です。

時効完成が迫っている場合は、弁護士に相談しながら、完成猶予・更新などの適切な措置を講じましょう。

不倫(浮気)の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

不倫慰謝料請求を弁護士に依頼すると、証拠収集から交渉・手続きまで幅広いサポートを受けられます。

相手と直接やり取りせずに済むぶん、精神的な負担も軽くなるでしょう。

証拠の選定や相手との交渉を任せられる

弁護士に依頼すれば、手持ちの証拠で不貞行為を立証できるかどうかを的確に判断してもらえます。

不貞行為を立証または推認させるほどの証拠がない場合は、追加で収集すべき証拠を助言してくれます。

自力で決定的な証拠を確保するのが難しい場合には、探偵業者を活用した証拠の確保もサポートしてもらえます。

相手への連絡や交渉も弁護士が引き受けるため、不倫相手と直接やり取りせずに済みます。

精神的負担を大きく軽減できるでしょう。

慰謝料の増額が期待できる

弁護士に依頼すると、慰謝料の増額が期待できます。

慰謝料請求は自分でもできますが、根拠を示さずに高額な慰謝料を請求すると、交渉のテーブルにすらついてもらえないおそれがあります。

不倫相手から支払いを拒絶されたり、言い逃れされたりして、解決までの道のりが長期化する可能性もあるでしょう。

弁護士に依頼すれば、個別の事情を総合的に考慮して、適正な慰謝料を算定してもらえます。

法的根拠に基づいた適正な慰謝料を請求できるため、交渉をスムーズに進めやすくなります。

調停や訴訟の手続きを一任できる

弁護士に依頼すると、調停や訴訟の手続きを一任できます。

調停は話し合いを前提とする手続きとはいえ、申立書の作成や証拠資料の準備には、一定の法律知識が必要です。

裁判では、訴状や準備書面などの作成、証拠資料の提出、口頭弁論期日への出廷など、時間と労力がかかります。

弁護士に依頼すれば、書類の作成や裁判所への代理出頭まで一貫したサポートを受けられます。

日常生活のリズムを崩さず、精神的負担を最小限に抑えて解決を図れるでしょう。

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不倫(浮気)慰謝料に関するよくある質問

本章では、不倫(浮気)の慰謝料についてよくある質問にQ&A形式で回答します。

Q. 不倫(浮気)の慰謝料請求が認められないケースはありますか?

不倫(浮気)の慰謝料請求が認められない可能性があるのは、以下のようなケースです。

  • 慰謝料請求権の消滅時効期間が経過している
  • 不倫相手の氏名・住所がわからない
  • 不貞行為を示す客観的証拠がまったくない
  • 不倫をした当事者の一方からすでに慰謝料全額を受領している
  • 不倫が始まる前から婚姻関係が破綻していた

上記に当てはまる場合でも、相手が任意の支払いの意思を示している場合は、慰謝料を受け取れる可能性もあります。

自分のケースが当てはまるか判断に迷うときは、弁護士に相談してください。

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Q. 不倫慰謝料を請求するのが「時代遅れ」と言われるのはなぜですか?

世界には不倫相手への慰謝料請求を認めない、あるいは制限する国が多いからでしょう。

たとえば、アメリカの多くの州やドイツでは、不倫相手への慰謝料請求を原則として認めていません。

イギリスでも、不貞相手への慰謝料請求を認める法律は1970年に廃止されています。

世界的には、不貞行為は夫婦間の貞操義務として処理されるべき問題と捉える傾向があるようです。

性は個人のプライバシー領域にかかる事柄であり、外部に公開して争うのを避けるべきという考えかたもあります。

Q. 不倫(不貞行為)の慰謝料として1,000万円が認められるケースはありますか?

不倫(不貞行為)の慰謝料として、1,000万円が認められるケースは極めて稀です。

不倫慰謝料の相場は、おおむね50万円から300万円程度です。

相場を大きく超える金額が認められるのは、長期間の生活費不払い、DVなど特殊な事情が重なった場合に限られます。

1,000万円以上を請求しても、裁判所が認める金額は相場の範囲内にとどまるケースが一般的です。

Q. ダブル不倫の場合の慰謝料請求はどうなりますか?

ダブル不倫の場合の慰謝料請求

ダブル不倫で双方の配偶者に関係が発覚した場合は、双方の配偶者が慰謝料を請求できるため、複数の請求が同時に発生します。

双方とも離婚しない場合は、互いに慰謝料を請求せず、関係の清算だけを取り決める形で和解するケースもあります。

請求し合っても、家計から家計へお金が動くだけになりやすいためです。

双方の夫婦が離婚する場合、不倫(浮気)をした当事者は、自身の配偶者と不倫相手の配偶者の双方から慰謝料を請求される可能性があります。

そのため、一方を独身者とする通常の不倫より、経済的負担が大きくなる可能性があります。

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Q. 慰謝料請求された側も弁護士に依頼できますか?

慰謝料を請求された側も、弁護士に依頼できます。

弁護士に依頼すれば、そもそも慰謝料を支払う義務があるのか、あるとして請求額が妥当かを見極めてもらえるでしょう。

相場より高い金額を求められている場合は、裁判例をふまえた減額交渉も任せられます。

弁護士が窓口となれば、相手と直接やり取りせずに済みます。

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まとめ

不倫(浮気)の慰謝料は、不貞行為によって生じた精神的苦痛を補てんするために支払われる賠償金です。

不倫をされた側は、不倫をした配偶者と不倫相手の双方に、慰謝料を請求できます。

慰謝料の相場は離婚した場合で100万円~300万円程度、離婚しない場合で50万円~200万円程度です。

慰謝料を確実に受け取るためには、不貞行為の存在を示す証拠の確保が欠かせません。

慰謝料請求の流れは、当事者間の協議による解決を目指し、合意が得られない場合は調停または訴訟に進むのが一般的です。

弁護士に依頼すれば、適正な慰謝料を獲得できる可能性が高まり、相手と直接やり取りすることで生じる精神的負担も軽減できます。

慰謝料請求を検討中の方は、「ベンナビ離婚」を通じて、不貞・離婚問題を得意とする弁護士に相談してみてください。

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