職場で上司から理不尽な扱いを受け続け、訴えたいと考えている方は少なくありません。
パワハラで訴えることは可能ですが、法的な要件を満たしているか、客観的な証拠が揃っているかによって結果は大きく変わります。
感情だけで訴えても認められにくく、録音データや診断書といった証拠が必要です。
この記事では、パワハラで訴える方法や具体的な手順、有効な証拠の種類、必要となる費用の目安を解説します。
また、「パワハラは訴えたもん勝ち」と言われることがあるが実際はどうなのかや、慰謝料でいくらもらえるか、訴える上での注意点についても触れているので参考にしてください。
パワハラの定義とは?パワハラと認められる3つの要件
パワハラが法的に認められるには、厚生労働省が示す3つの条件をすべて満たしている必要があります。
具体的な要件は以下の3つです。
- 職場での立場の強さを背景にした言動であること
- 業務の目的を超えて、やりすぎた対応になっていること
- 働く人の職場環境が悪化していること
このうち1つでも当てはまらなければ、法的なパワハラとは認められません。
たとえば、上司が業務の範囲内で行う厳しい指導は、正当と判断される可能性が高いです。
一方、人格を否定するような暴言や長時間の叱責などは3つの条件に該当しやすく、法的責任を問われる可能性もあります。
裁判で認められやすいパワハラ行為の具体例
裁判では、社会的な常識から見て許されない言動があると、パワハラと判断される傾向にあります。
厚生労働省の指針では、パワハラ行為を以下の6つの類型に分類しており、過去の判例でも類型に沿った認定がなされてきました。
| 分類 | 具体例 |
| 身体的な攻撃 | 殴る、蹴る、物を投げつけるなどの行為 |
| 精神的な攻撃 | 侮辱や人格否定のような暴言 |
| 人間関係からの切り離し | 特定の人を長期間無視したり、孤立させたりする行為 |
| 過大な要求 | 処理できないほどの業務を押しつけるなどの対応 |
| 過小な要求 | 極端に仕事を与えず、能力を発揮させない状態にすること |
| 個人のプライバシーを侵害する行為 | 私生活に踏み込みすぎるような言動 |
参照元:パワハラ 6類型(厚生労働省)
6つの類型に当てはまれば、暴力や暴言がなくてもパワハラと認定される可能性があります。
実際に、無視や差別的な対応のみで違法と判断された判例も存在します(京都地判令和6年2月27日)。
会社や上司をパワハラで訴える方法5つ
パワハラ被害を受けた場合、訴える方法は社内での相談から法的措置まで複数の選択肢があります。
被害の程度や会社の対応姿勢、求める解決内容によって、適切な訴え方は異なります。
軽微な事案であれば社内で解決できる可能性がある一方、深刻な被害や会社が適切に対応しないケースでは、外部機関や法的手続きを利用する必要があるかもしれません。
自身の状況に応じた対応を選ぶことで、望む解決につながりやすいです。
社内の相談窓口を通じて会社に訴える
パワハラ防止法により、企業にはハラスメント相談窓口の設置と適切な対応が義務づけられています。
被害を受けた場合、コンプライアンス窓口や人事部に被害状況を記した書面を提出しましょう。
書面には、いつ、どこで、誰から、どのような言動を受けたかを時系列で具体的に書きます。
口頭だけの相談では記録が残らず、会社側が対応をあいまいにするケースも多いです。
会社が適切に動かなかった事実は、労働局や弁護士に相談する際の重要な判断材料になるため必ず書面で提出しましょう。
労働局(行政)へ紛争解決の援助を求める
社内で解決できない場合、都道府県の労働局が設置する個別労働紛争解決制度が利用できます。
労働局の担当者が会社と被害者の間に入り、助言や指導、あっせんを行う制度です。
あっせんでは、労働問題の専門家が双方の主張を聞き取り、和解案を提示してくれます。
費用は無料で、裁判のように長期間かかることもありません。
ただし、あっせんには強制力がなく、会社側が参加を拒否すれば手続きは打ち切られます。
応じてもらえなかった場合は、労働審判や民事訴訟といった法的手続きへの移行の検討が必要です。
暴行や脅迫がある場合は警察に訴える
殴る・蹴るといった身体的暴力や、殺すぞといった脅迫を受けた場合、パワハラを超えた犯罪行為に該当します。
刑法の罪(暴行罪、傷害罪、脅迫罪、強要罪など)にあたるため、警察への通報を検討すべきです。
怪我をした場合は医療機関で診断書を取得し、被害届とあわせて警察に提出すると効果的です。
録音データやメールのやりとりも保存しておくと、脅迫や強要の証拠として捜査が進みやすくなります。
刑事事件として扱われれば、加害者に前科がつく可能性もあり、民事での損害賠償請求にも有利に働くケースが多いです。
労働審判を申し立てて迅速な解決を図る
労働審判では、パワハラの慰謝料請求に加えて、未払い残業代などの金銭請求をまとめておこなえます。
労働審判は、裁判官1名と労働問題に詳しい専門家2名で構成される審判委員会が担当し、原則3回以内の期日で判断を出す制度です。
通常の裁判よりも手続きが早く進み、申立てから平均して3~4ヶ月ほどで解決するケースも多く見られます。
話し合い(調停)がまとまらない場合でも、審判委員会が判断を示すため、一定の結論が得られる点が特徴です。
審判に納得できない場合には、2週間以内に異議を申し立てれば、通常の訴訟へ移行できます。
関連記事:労働審判の申立ては弁護士に相談を|サポート内容・選び方・弁護士費用などを解説
民事裁判(訴訟)を起こして損害賠償を請求する
事実関係を徹底的に争い、損害賠償を勝ち取るための最終手段が民事訴訟です。
パワハラを行った上司個人に対しては、違法な行為で損害を与えた責任を追及できます。
また、雇用主である会社に対しては、従業員の行為に対する責任を問うことも可能です。
パワハラが原因でうつ病を発症した場合、治療費や休業損害に加え、精神的苦痛に対する慰謝料も請求できます。
ただし、裁判は解決までに1年から2年ほどかかるケースが多く、弁護士費用などの負担も大きくなりやすい傾向があります。
パワハラを訴えるための具体的な手順4つ
パワハラの訴えを効果的に進めるには、計画的な準備と手続きが大切です。
証拠がそろっているか、手続きが正しく進められたかによって、結果に大きな差が出ます。
手順を踏んで進めることで、会社や相手側との交渉を有利に進められる可能性が高まります。
手順1:パワハラの事実を証明する証拠をおさえる
パワハラで訴える場合、被害を受けた側が証拠を示す必要があります。
証拠がなければ、どれほど深刻な被害を受けていても裁判や労働審判で主張が認められにくいです。
録音データやメールなど、パワハラの事実を示す資料を可能な限り集めてください。
どのような証拠が有効かについては後ほど詳しく解説します。
手順2:パワハラの内容を会社の相談窓口へ伝える
証拠を確保したうえで、人事部やコンプライアンス窓口に対し、パワハラの事実を正式に伝えてください。
会社に知らせる目的は、職場環境の改善を求めることと、会社側が適切な対応を取らなかった場合の記録を残すことの2つです。
人事担当者との面談を設け、収集した証拠をもとに、加害者への注意喚起や配置転換などの対応を具体的に求めると効果的です。
やりとりは口頭だけで済ませず、要望内容をメールや文書にして残しておきましょう。
記録を残しておけば、のちに会社の責任を追及する際の根拠として使えます。
また、会社が誠実に対応しなかった場合、対応の不備そのものが損害賠償を求める際の材料になります。
手順3:解決しない場合は労働局などの公的機関に相談する
会社に相談しても状況が変わらない場合は、公的機関のサポートを求める段階に進みましょう。
各都道府県に設置されている総合労働相談コーナーでは、パワハラに関する相談を無料で受け付けています。
相談の際には、会社とのやり取りの経緯を時系列で整理し、証拠とあわせて説明すると話がスムーズに進みます。
行政が関与することで、これまで動かなかった会社が対応を見直すケースも多いです。
ただし行政指導には法的な強制力がないため、会社が対応を拒んだ場合は、訴訟や労働審判などの法的手続きを視野に入れる必要があります。
手順4:弁護士に相談し解決を目指す(交渉・法的措置)
行政へ相談しても解決できない場合や、金銭的な賠償請求を通して加害者の責任を法的に追及したい場合には、弁護士に依頼しましょう。
弁護士に依頼すると、まず弁護士名義で会社に対し内容証明郵便を送付し、交渉による解決を目指すのが一般的な流れです。
内容証明によって、会社が慰謝料の支払いや職場環境の改善に応じる例も多く見られます。
話し合いで解決できない場合は、労働審判や民事裁判への移行を検討することになります。
パワハラで訴える際に有用となる主な証拠一覧
パワハラを理由に訴訟を起こす場合、結果を大きく左右するのは証拠の内容と数です。
裁判所は口頭での証言だけでは不法行為を認定しない傾向があるため、客観的で改ざんの余地がない証拠を複数揃えましょう。
記録や書面、データなど性質の異なる証拠を組み合わせると、主張に現実味が生まれ、主張の信憑性を大きく高められます。
以下では、パワハラで訴える際に有効な証拠を紹介します。
スマホやICレコーダーによる録音情報
暴言や脅迫的な発言を録音したデータは、パワハラの証拠として証明力が非常に高いです。
発言者の声やトーン、具体的な内容がそのまま残るため、裁判所が事実を認定する際の重要な材料になります。
録音方法は簡単で、ポケットにスマートフォンやICレコーダーを入れておくだけです。
スマホの録音アプリを使えば、特別な機器を用意する必要もありません。
相手に無断で録音することに不安を感じる方もいるかもしれませんが、パワハラの証拠収集を目的とした秘密録音は、裁判で証拠として認められるケースがほとんどです。
被害の様子を記録した写真や動画のデータ
暴力による怪我の痕跡や嫌がらせの実態を写した写真や動画は、被害の深刻さを直感的に伝える証拠になります。
文章では伝わりにくい身体的なダメージや職場環境の異常さを、客観的な記録として残せるのが大きなメリットです。
暴力を受けてできた青あざや傷を撮影する際は、撮影日時が記録される設定にしておくことが重要です。
私物を荒らされた様子や、不当に隔離された場所の写真も有力な証拠となります。
証拠の改ざんを疑われないよう、オリジナルデータは削除せず、バックアップとあわせて保管してください。
精神的苦痛を証明する医師の診断書・通院記録
医師が作成した診断書は、パワハラと健康被害の因果関係を証明する決定的な証拠になります。
医師の診断によって心や体への被害が認められれば、慰謝料を計算する際の根拠や、パワハラの悪質さを証明する材料として使えます。
適応障害やうつ病と診断された場合、診断書にはいつ発症したか、原因は何かといった医師の見解が記載されるのが一般的です。
パワハラとの因果関係を医師に明確に書いてもらうことで、証拠としての価値はさらに高まります。
また心療内科や精神科への通院履歴、処方された薬の情報、領収書もあわせて保管してください。
通院が長期にわたるほど、被害が継続していたことや深刻だったことを示す材料になります。
被害日時や内容を詳細に記した日記やメモ
録音データがなくても、継続的に記録された日記やメモは高い証拠能力を発揮する場合があります。
被害を受けたその日のうちに書いたメモは、後から作り変えることが難しく、記録の信用性が認められやすいです。
記録すべき項目は、以下の6つです。
- 日時
- 場所
- 加害者の氏名
- 具体的な言動
- 周囲にいた人物
- 受けた時の感情
手書きのノートでもスマホのメモアプリでも構いませんが、日付が自動で記録されるデジタルツールのほうが改ざんの疑いを持たれにくいです。
記録は毎日つける必要はなく、パワハラを受けた際にできるだけ早く書き残すことが重要です。
数ヶ月分の記録が蓄積されれば、パワハラが繰り返し行われていた事実を示す有力な証拠になります。
暴言や無理な指示が残るLINE・メールのやり取り
文字として残るメッセージの履歴は、加害者の意図やパワハラが繰り返されていた事実を証明する上で非常に有効です。
送信日時と送信者が特定されており、業務命令の範囲を超えた指示や人格否定の事実がそのまま記録されます。
休日や深夜に届く執拗な叱責メール、社内チャットやLINEグループでの公開処刑のような投稿、明らかに達成不可能なノルマを課す指示が典型例です。
削除される前にスクリーンショットを撮り、保存しておきましょう。
会社のメールシステムを使っている場合、退職後にアクセスできなくなる可能性があるため、在職中にデータを確保しておく必要がある点は注意が必要です。
不当な業務命令・辞令などの客観的な書類
会社が発行した公式書類は、不適切な人事や嫌がらせを証明する強力な証拠です。
会社側が作った書類であるため、会社が内容を否定することは難しく、不当な人事を証明する材料として使えます。
具体例としては以下のような書類があげられます。
- 専門外の部署への不自然な異動辞令
- 正当な理由がない降職や降格の通知
- 反省文や始末書の提出を命じる書類
業務を取り上げたり、極端に簡単な仕事だけを与える指示書も、仕事を減らすタイプのパワハラを証明する証拠として使えます。
書類の原本が手に入らない場合は、コピーを取るか写真で記録してください。
いつ発令されたか、どんな内容だったかを業務日誌とあわせて記録しておけば、パワハラがいつ起きたかを裁判で明確に示す材料になります。
パワハラで訴える場合にかかる費用の目安
パワハラで訴える場合、裁判所に納める印紙代や郵便切手代として数万円、弁護士への依頼費用として数十万円が必要です。
それぞれの費用を解説します。
弁護士に対応を依頼する場合の費用(着手金・報酬金)
弁護士に依頼する場合、費用は依頼時に支払う着手金と、解決後の成果に応じて支払う報酬金の2つに分かれます。
| 費用 | 相場 |
| 着手金 | 20万円~30万円 |
| 報酬金 | 慰謝料の10%~20% |
着手金の相場は20~30万円で、解決後に獲得した慰謝料の10%~20%を報酬金として支払う契約が一般的です。
着手金は結果にかかわらず返金されないため、契約前に金額と支払い条件を書面で必ず確認しましょう。
費用面の不安から訴えをためらう方も多いですが、弁護士事務所によっては分割払いや着手金無料のプランを用意しているケースもあります。
費用面が心配な方は支払い方法を相談してみてください。
労働審判の申立てや訴訟の提起にかかる裁判所への実費
弁護士費用とは別に、裁判所を利用するための手数料として数千円~数万円の実費がかかります。
金額は法律で定められており、請求する慰謝料の額に応じて変わる仕組みです。
| 訴訟額 | 手数料 |
| 100万円以内 | 訴訟額10万円ごとに+1,000円 |
| 100~500万円 | 10,000円+100万円から訴訟額20万円ごとに2,000円ずつ追加 |
| 500~1,000万円 | 30,000円+500万円から訴訟額50万円ごとに2,000円ずつ追加 |
| 1,000万円~10億円 | 50,000円+1,00万円から訴訟額100万円ごとに3,000円ずつ追加 |
また、通知用の郵便切手代として別途数千円を裁判所に納める必要があります。
パワハラ訴訟の慰謝料相場は50万~100万円が一般的
裁判で認められるパワハラの慰謝料は、50万円から100万円程度に落ち着く例が多く見られます。
数か月にわたり暴言を受けたり、職場で無視され続けたりしたケースでは、50万円前後が一つの目安です。
一方でパワハラが原因でうつ病を発症した場合や、休職や退職を余儀なくされた場合には、100万円を超える慰謝料が認められる可能性があります。
さらに、請求できるのは慰謝料だけに限りません。
治療費や働けなかった期間の収入なども請求できるため、全体の賠償額で考えると、金額はより大きくなる場合があります。
パワハラを訴える前に知っておくべき5つの注意点
パワハラを訴える前には、訴訟という選択が本当に適切かどうか、落ち着いて考える必要があります。
訴えによって得られる結果だけに目を向けず、費用や時間、精神的な負担といったマイナス面も含めて理解しておくことが大切です。
あらかじめ状況を整理しておけば、訴訟に進むべきか、別の解決方法を選ぶべきかを判断しやすくなります。
注意点1:解決方法は訴えること以外にも複数存在する
パワハラの解決手段は裁判だけではありません。
弁護士を通じた示談交渉で、裁判をせずに慰謝料の支払いと退職条件の合意を実現する方法もあります。
裁判には1年以上かかるケースも多く、長期間にわたって被害について何度も説明しなければならない精神的な負担は小さくありません。
早めに環境を変えて新しい職場で働き始めたほうが、心と体の回復が見込めるケースも多いです。
注意点2:上司個人だけでなく会社も訴えることを念頭におく
慰謝料を請求する際は、パワハラを行った上司だけでなく、会社も一緒に訴えるべきです。
法律上、会社は従業員が仕事中に起こした問題について賠償する責任を負います。
上司個人に十分なお金がないケースは珍しくありません。
会社も訴えることで、管理体制に問題があったことや従業員を守る義務を怠ったことを理由に、確実にお金を回収できる可能性が高まります。
賠償金の回収と職場環境の改善、両方を実現するなら会社への請求は欠かせません。
注意点3:裁判・審判の解決までには多大な時間と労力がかかる
訴えを起こしてから解決するまで、数ヶ月から数年の長い期間がかかる覚悟が必要です。
民事訴訟の平均的な審理期間は約1年で、労働審判でも3~4ヶ月はかかります。
裁判所には何度も足を運ぶ必要があり、つらい被害について書面で繰り返し説明しなければなりません。
証拠の整理や弁護士との打ち合わせも何度も行うため、仕事をしながら対応する負担は想像以上に大きいです。
途中で精神的に疲れてしまい、和解という形で終わらせる人も少なくありません。
解決までにかかる時間と自分の体力や精神状態について、弁護士と事前に相談してから判断しましょう。
注意点4:会社からの仕返し(解雇や不当な異動)のリスクがある
パワハラを訴えたことで、会社から嫌がらせのような人事を受けるリスクがないとは言い切れません。
法律では、パワハラの申告を理由に不利益な取り扱いを行うことは禁止されています。
ただし、現実には配置転換や評価の低下など、報復と疑われる対応が行われるケースもみられます。
会社側は業務上の必要性を理由に挙げることが多く、当該人事が報復にあたるかどうかを立証するのは簡単ではありません。
そのため、訴えを起こす前の段階で弁護士に相談し、不当な人事が行われた場合の対応を確認しておきましょう。
もっとも、実際に不利益な扱いを受けた場合には、新たな違法行為として損害賠償を求める根拠になる可能性もあります。
注意点5:精神的なゆとりを持つために転職先も並行して探しておく
訴訟の準備と並行して転職活動を進めておくと、精神的な余裕を保ちやすいです。
いつでも退職できる状況を作っておくことで、会社からの圧力に過度に左右されにくくなります。
内定がある場合、会社との話し合いでも立場を弱めずに対応しやすいでしょう。
退職後に訴訟を続ける選択もあるため、在職中にすべてを解決しようとして無理を重ねる必要はありません。
次の選択肢を確保しておくことで、精神的な余裕を持って裁判に臨めます。
パワハラで訴えるならベンナビ労働問題で弁護士に相談
パワハラで訴えるべきか迷ったら、労働問題に詳しい弁護士を探せるベンナビ労働問題の活用がおすすめです。
パワハラ訴訟は、証拠が十分に揃っていなければ有利に進めることが難しく、早い段階で実務経験のある弁護士に見通しを示してもらえるかどうかが結果に大きく影響します。
ベンナビ労働問題では、地域の労働問題に詳しい弁護士に絞って探すことができます。
初回相談無料の事務所も多く掲載されているため、手元の証拠でどの程度の慰謝料が見込めるか、費用倒れにならないかといった確認が可能です。
証拠が足りているか判断できない段階でも、今後集めるべき資料や進め方について具体的なアドバイスを受けられます。
まずは気軽に弁護士を探してみてください。
パワハラを訴えることに関するよくある質問
パワハラで訴えることを検討する際、費用や手続き、実際の結果について不安を感じる方は多いです。
正確な情報がないまま諦めてしまうと、本来守られるはずの権利を行使できない可能性があります。
ここでは、パワハラで訴えることを検討している方から多く寄せられる疑問について解説します。
パワハラの悩みを無料で相談できる窓口はありますか?
費用をかけずにパワハラの相談ができる主な窓口は以下の通りです。
| 相談窓口 | 特徴 |
| ベンナビ労働問題 | 全国の労働問題に強い専門弁護士を地域・相談内容から検索できる |
| 総合労働相談コーナー | 各都道府県の労働局に設置されており、電話や窓口で相談できる |
| 法テラス | 収入が一定の基準以下であれば、弁護士への無料相談が受けられる |
| ハラスメント悩み相談室 | 厚生労働省が委託運営。 電話だけでなくメールやSNSでの相談可能 |
それぞれで受けられるアドバイスや支援の内容が異なるため、自分の状況に合った窓口を選びましょう。
パワハラは労働基準監督署に訴えることができますか?
パワハラ単体の相談は、労働基準監督署ではなく労働局の総合労働相談コーナーが適切な窓口です。
労働基準監督署は、賃金未払いや違法な長時間労働など労働基準法違反を取り締まる機関であり、パワハラそのものは対応範囲外となります。
ただし、パワハラと同時に賃金未払いや違法残業がある場合は、労働基準監督署に相談することで、労働基準法違反の部分について是正勧告を出してもらえる可能性があります。
関連記事:パワハラを労働基準監督署に相談するとどうなる?|相談方法と弁護士に依頼するメリットを解説
退職後であってもパワハラで訴えることは可能?
会社を退職した後でも、時効の期間内であればパワハラの慰謝料を請求できます。
パワハラによる損害賠償を請求できる期限は、被害を受けた事実と加害者を知った時から3年間です。
パワハラによって病気を発症した場合など、生命や身体を害する不法行為にあたる場合は5年間となります。
在職中に録音データやメールのスクリーンショットを確保しておけば、退職後の請求でも証拠として使えます。
ただし、時間が経つほど記憶があいまいになり、証人の協力も得にくくなるのが現実です。
退職後に訴訟を検討する場合は、できるだけ早い段階で弁護士に相談し、請求できる期限内か、証拠が使えるかを確認してください。
パワハラは訴えたもん勝ちってホント?
パワハラは訴えれば必ず勝てるものではありません。
民事裁判では、訴えた側が証拠を示す必要があるため、客観的な資料が足りないまま進めると、請求が認められず弁護士費用だけを支払う結果になることもあります。
嫌がらせを受けたと感情的に主張するだけでは、裁判所が違法行為と認める可能性は低いです。
ただし、暴言の録音データや医師の診断書をきちんと揃えて臨めば、裁判になる前の話し合いの段階で会社が慰謝料の支払いに応じるケースも少なくありません。
訴えれば勝てるのではなく、証拠を持っているかどうかが結果を大きく左右します。
まとめ
パワハラで訴えるには、法的な要件を満たしているか確認し、録音データや診断書といった客観的な証拠を計画的に集める必要があります。
訴える方法は社内相談、労働局への申し出、労働審判、民事訴訟など複数あり、被害の程度や求める解決内容に応じて選択できます。
金銭的な賠償請求で上司や会社の責任を追及したい場合には、弁護士に相談のうえ、法的手続きを検討しましょう。
パワハラ問題は一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら自分に合った解決方法を選んでください。
