- 「もうどこからもお金を借りられない…」
- 「残された道は、もうヤミ金しかないんだろうか…」
消費者金融の審査に落ち、家族や友人にも頼れず、八方ふさがりになったとき「ヤミ金」という言葉が頭をよぎるのは、無理もないことかもしれません。
しかし、ヤミ金からお金を借りることは、決して解決策にはなりません。
本記事では、なぜヤミ金から絶対にお金を借りてはいけないのか、その3つの深刻なリスクを具体的に解説します。
そして「もうヤミ金しかない」という場合でもできる安全で正しい対処法を、一つひとつ丁寧に紹介します。
「もうヤミ金しかない!」と感じても決してヤミ金から借りるべきでない3つの理由
ヤミ金は、あなたを助けてくれる存在ではありません。
一度関わってしまえば、あなたの人生を根こそぎ破壊する、非常に危険な犯罪組織です。
ここでは、「もうヤミ金しかない」と感じてもヤミ金からお金を借りてはいけない3つの理由を解説します。
法外に高い金利をとられてしまう
ヤミ金の最も恐ろしい特徴は、法律を完全に無視した金利です。
日本には「利息制限法」という法律があり、消費者金融などの正規の貸金業者が設定できる金利には上限(最大でも年利20%)が定められています。
しかし、ヤミ金は国や都道府県に登録していない違法な業者なので、この法律を守っていません。
たとえば、ヤミ金の世界でよく使われる言葉に「トイチ」というものがあります。
トイチとは「10日で1割」の利息という意味です。
10日で10%の利息と聞いてもピンとこないかもしれませんが、年利に換算すると、その異常さがわかります。
- 10%÷10日×365日=365%
つまり、年利365%です。
これは、法律で定められた上限年利20%の実に18倍以上もの法外な金利にあたります。
実際に、5万円を借りたケースについて、ヤミ金(トイチ)と正規のローン(金利20%)で比較してみましょう。
| 期間 | ヤミ金(トイチ)の残高 | 正規のローン(金利20%)の残高 |
|---|---|---|
| 借り入れ時 | 50,000円 | 50,000円 |
| 10日後 | 55,000円 | 約50,274円 |
| 1ヵ月後 | 約66,550円 | 約50,833円 |
| 3ヵ月後 | 約132,680円 | 約52,542円 |
| 1年後 | 約2,800万円 | 60,000円 |
正規の業者から借りた場合、5万円は1年後に6万円になるだけですが、ヤミ金から借りた5万円は、わずか3ヵ月で元金の2倍以上に膨れ上がり、1年後にはなんと家が買えるほどの金額、約2,800万円というとてつもない借金になってしまいます。
利息だけを返済し続けることになってしまう
ヤミ金は「ジャンプ」と呼ばれる手口で債務者を追い詰めるケースがあります。
ジャンプとは、返済日に元金が返せない場合、「とりあえず利息分だけ払えば返済を待ってやる」というものです。
一見、親切な提案に聞こえるかもしれませんが、これは元金が1円も減らない地獄の始まりです。
一度ジャンプを受け入れると、今後は利息だけを払い続けることになり、永遠に終わらない返済サイクルに閉じ込められてしまいます。
そもそもヤミ金の金利システムは、返済させることを目的としていません。
返済不可能な借金を負わせ、半永久的に利息という名のお金を搾り取り続けるための罠なのです。
違法で悪質な取り立てが続くことになる
もしヤミ金からの返済を少しでも滞納すれば、その瞬間から違法な取り立てが始まります。
たとえば、昼夜を問わず、携帯電話に1日に100回以上もの着信があります。
電話に出れば、「殺すぞ」「家族がどうなっても知らないぞ」といった脅迫的な言葉で返済を迫ってくるでしょう。
さらに、ヤミ金の取り立てはあなた自身への連絡だけでは終わりません。
職場に電話をかけ、「お宅の社員が金を返さない」と騒ぎ立て、社会的信用を失墜させるケースもあります。
また、親や兄弟、友人、近所にまで電話をかけ、借金の事実を暴露し、孤立させようとします。
これは、周りの人々を巻き込み、精神的な逃げ場を全て奪うための手口です。
このような違法で悪質な取り立てによる絶え間ない恐怖とストレスは、人の心を簡単に壊してしまいます。
実際に、過去にヤミ金の悪質な取り立てに耐えきれず、自ら命を絶ってしまったという悲しい事件も起きています。
犯罪に加担させられるなどさまざまなトラブルに巻き込まれる
ヤミ金は、あなたからお金を搾り取れなくなったと判断すると、今度はあなた自身を「犯罪の道具」として利用しようとします。
たとえば、「新しい銀行口座を作ってキャッシュカードを渡せ」「携帯電話を契約して本体とSIMカードをよこせ」などと要求してくるでしょう。
もちろん、口座や携帯電話を他人に譲渡することは法律で固く禁じられた犯罪です。
しかし、返済の代わりに「簡単な仕事がある」と持ちかけられると、債務者はその言葉に乗ってしまうケースも少なくありません。
ヤミ金から提案される仕事は、一見高額な報酬をうたっていますが、実際には使い捨ての駒として利用されるだけで、逮捕されるリスクが極めて高い危険な犯罪です。
特に女性の場合、返済ができないと風俗店で働くことを強要されたり、性的な関係を要求されたりするケースもあります。
近年、世間を騒がせた「ルフィ」が指示役とされた連続強盗事件では、逮捕された実行犯の一部がヤミ金の債務者だったことが報じられています。
ごく普通の若者が、ヤミ金から借りたお金をきっかけに、凶悪犯罪に手を染めてしまったのです。
ヤミ金からお金を借りることは、単なる金銭的なリスクではありません。
あなた自身が犯罪者になってしまう可能性もあるので、どんなにお金がない状況でもヤミ金からの借入だけは絶対に避けるべきでしょう。
「ヤミ金にお金を借りれば少しは助かる」といったことは絶対にない!
中には「少しだけ借りて、すぐに返せば大丈夫だろう」と考える人もいるかもしれません。
しかし、その考えは間違いです。
なぜなら、ヤミ金はそもそもあなたに借金を「完済させない」ように、あらゆる手口を使ってくるからです。
たとえば、返済日にわざと電話に出なかったり、「入金が確認できない」と嘘をついたりして、あなたを意図的に返済遅延の状態に陥らせます。
そして、遅延を理由に法外な延滞金を請求し、借金をさらに膨らませるのです。
また、一度完済したとしても、あなたの銀行口座に勝手にお金を振り込み、「貸してやったんだから利息をつけて返せ」と要求してくる「押し貸し」という手口もあります。
このように「少しだから大丈夫」と安易な気持ちでヤミ金からお金を借りてしまうと、返済やトラブルから解放されなくなってしまう可能性もあるのです。
「もうヤミ金しかない」と思ったらどうすればいい?
「もうヤミ金しかない」という状況でも、ヤミ金に頼らずに今の苦しい状況を乗り越える方法は必ずあります。
ここでは、すぐに試せる具体的な方法を6つ紹介します。
- 質屋・リサイクルショップやフリマアプリでお金を調達する
- 家族や友人から借りる
- 公的な融資制度を活用する
- 生命保険の契約者貸付制度を使ったり解約返戻金を受け取ったりする
- 債務整理を検討する
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
質屋・リサイクルショップやフリマアプリでお金を調達する
ブランド品やゲーム機、使っていない家電など、価値のある品物があれば、それを元手にお金を作ることができます。
質屋であれば、審査なしで品物を担保にお金を借りられるうえ、期限内に返済すれば品物は手元に戻ってきます。
また、リサイクルショップやフリマアプリで不要なものを売れば、直接現金化することも可能です。
家や手元に少しでもお金になるものがないか、探してみましょう。
家族や友人から借りる
正直に事情を話せる家族や友人がいるなら、お金を借りられないか相談してみるのも一つの手です。
ただし、親しい間柄だからこそ、お金の貸し借りは慎重にする必要があります。
必ず「借用書」を作成し、返済日や金額を明確に約束しましょう。
口約束は、後々のトラブルや人間関係の悪化につながる可能性があります。
公的な融資制度を活用する
「もう誰にも頼れない」と感じている人にこそ知ってほしいのが、国が用意している公的な融資制度です。
以下に主な公的融資制度をまとめました。
| 制度名 | 内容 | 対象者 | 申請先/連絡先 |
|---|---|---|---|
| 生活保護制度 | 経済的に困窮している人に対し、生活費や住宅費、医療費などを支給し、最低限の生活を保障する制度。 | ●収入が生活保護基準以下の人 ●働ける状態でも、十分な収入が得られない人 ●資産(貯金や不動産)がほとんどない人 |
市区町村の福祉事務所 |
| 生活福祉資金貸付制度 | 低所得者や障害者、高齢者世帯を対象に、生活再建のための資金を無利子または低金利で貸し付ける制度。 | ●低所得世帯 ●障害者世帯 ●高齢者世帯 |
市区町村の社会福祉協議会 |
| 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度 | ひとり親家庭や寡婦(夫と死別・離婚した女性)に対し、生活資金や子どもの教育資金などを低金利または無利子で貸し付ける制度。 | ●母子家庭・父子家庭の親 ●寡婦 |
都道府県の福祉事務所や市区町村の窓口 |
| 求職者支援資金融資 | ハローワークで職業訓練を受ける人を対象に、訓練期間中の生活費を貸し付ける制度。 | ●無職で収入がない人 ●職業訓練を受けたい人 ●ハローワークで求職活動をおこなっている人 |
ハローワーク |
| 住居確保給付金 | 失業や収入減少により家賃の支払いが困難になった人に対し、原則3か月間の家賃相当額を補助する制度。 | ●離職後2年以内の人 ●収入が減少し、家賃支払いが困難になった人 |
市区町村の自立相談支援機関 |
それぞれの制度には利用条件がありますが、「もうヤミ金しかない」という状況にいる方にとっては、大きな助けとなるでしょう。
各制度の窓口へ連絡し、自分が支援の対象になるかどうか確認してみてください。
生命保険の契約者貸付制度を使ったり解約返戻金を受け取ったりする
掛け捨てではない終身保険や養老保険などの貯蓄型の生命保険に加入している場合、契約者貸付制度を利用できる可能性があります。
契約者貸付制度とは、将来解約した際に戻ってくるお金を担保に、保険会社からお金を借りる制度のことです。
審査がなく、カードローンなどよりも低い金利でお金を借りられるため、「どうしてもお金がない」というときには利用を検討してみましょう。
ただし、借りたお金を返済しないままでいると、利息が膨らみ、保険契約そのものが失効するおそれもあります。
また、貸付を受けたまま保険金を受け取る場合は、受け取る保険金から貸付額と利息が差し引かれる点に注意が必要です。
債務整理を検討する
あらゆる方法を試しても借金返済のめどが立たない場合、債務整理を検討しましょう。
債務整理とは、借金に苦しむ人々を救済することを目的とした合法な手続きのことで、借金を減額したり、免除してもらったりすることができます。
ただし、債務整理にはいくつかの種類があり、状況に合った最適な方法を選ぶことが欠かせません。
以下では、債務整理の3つの種類について、違いやどんな人におすすめかを見ていきましょう。
| 種類 | 手続きの概要 | 借金の減額幅 | 家や車を残せる? | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 任意整理 | 弁護士が貸金業者と交渉し、将来の利息をカットする。元金を3~5年で分割返済する。 | 将来利息のカットが中心。元金は減らない。 | 原則、残せる。整理する借金を選べる。 | ・安定した収入がある ・保証人に迷惑をかけたくない ・家族に内緒で手続きしたい |
| 個人再生 | 裁判所に申し立て、借金を1/5∼1/10に大幅に減額する。残りを原則3年で返済する。 | 元金が大幅に減る(最大90%減)。 | 住宅ローン特則を使えば家を残せる可能性がある。 | ・借金が高額だが、家は手放したくない ・安定した収入がある |
| 自己破産 | 裁判所に申し立て、税金などを除くほぼ全ての借金の支払いを免除してもらう。 | ほぼ全ての借金がゼロになる。 | 原則、手放すことになる(生活必需品は除く)。 | ・収入がなく返済の見込みが全くない |
任意整理は、裁判所を通さず、弁護士が貸金業者と直接話し合って、将来発生する利息をなくしてもらう手続きです。
毎月の返済額が減り、返済のゴールが見えるようになるのがメリットです。
個人再生は、裁判所の手続きを経て、借金の元金を大幅にカットしてもらう方法です。
最大のメリットは、「住宅ローン特則」という制度を使えば、住宅ローンを払い続けながらマイホームを守れる可能性がある点です。
自己破産は、支払い不能であることを裁判所に認めてもらい、借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。
家や車などの高価な財産は手放すことになりますが、生活に必要な最低限の財産は手元に残せます。
財産はほとんど没収されてしまいますが、借金がなくなることで平穏な生活を取り戻すことが可能です。
どの手続きが最適かは、あなたの借金の総額、収入、財産の状況によって異なります。
一人で悩まず、まずは弁護士に相談することが解決への一番の近道です。
債務整理について、さらに詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせて参考にしてください。
【関連記事】債務整理とは?基本をわかりやすく解説
さいごに|借金返済に困り「もうヤミ金しかない」と感じたら弁護士に相談を!
「もうヤミ金しかない」という状況でも、ヤミ金からお金を借りるのは絶対に避けましょう。
本記事で紹介したように、ヤミ金以外にもまだ多くの安全な選択肢が残されています。
公的な融資制度や、借金そのものを整理する債務整理という法的手段を利用すれば、合法な手段で問題を解決できるかもしれません。
借金問題で弁護士に相談することは、決して特別なことではありません。
病気になったら医者に行くのと同じように、専門家の力を借りて問題を解決するための正しい行動です。
「弁護士費用なんて払えない」と心配する必要はありません。
多くの法律事務所では、無料相談を実施しており、費用の分割払いや後払いにも柔軟に対応してくれます。
勇気を出して、「ベンナビ債務整理」で無料相談ができる法律事務所を探し、弁護士に相談しましょう。
