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離婚も同居は続けられる?メリット・デメリット・ポイント・注意点などをまとめて解説

監修者
川越 悠平
弁護士
離婚も同居は続けられる?メリット・デメリット・ポイント・注意点などをまとめて解説
  • 「離婚したあとも、子どものために同居を続けた方がいいのだろうか…」
  • 「生活費や住宅ローンの問題があるから、すぐに別居するのは難しい…」

このような悩みを抱えていませんか?

離婚後も同居を続ける夫婦は一定数存在しており、子どもの生活環境を維持しやすい、経済的負担を抑えやすいなどのメリットがあります

一方で、精神的ストレスが続く、再婚や恋愛に影響が出る、周囲との関係が複雑になるなど、注意すべきデメリットも少なくありません

また、同居を続ける場合でも、生活費の分担や家事・育児のルール、プライバシーの確保などを曖昧にしたまま生活すると、離婚後にさらにトラブルが深刻化するケースもあります。

そこで本記事では、離婚後も同居を続けることは可能なのかをわかりやすく整理したうえで、メリット・デメリット、実際に同居を続ける際のポイントや注意点について詳しく解説します。

離婚後の生活について後悔しない選択をするためにも、ぜひ参考にしてください。

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双方が同意すれば離婚後も同居することは可能!

離婚が成立したあとでも、元夫婦間で合意すれば同居を続けてもかまいません

離婚届を提出した時点で夫婦の同居義務は消滅しますが、離婚したからといって別居しなければならないという決まりはないためです。

離婚後も同居を選択する理由には、例えば以下のものがあります。

  • 経済的な負担を軽減するため
  • 住宅ローンや財産分与の処理が決まるまでの期間限定
  • 子どもの生活環境を守るため
  • 関係が良好で、離婚後も協力関係を続けたい
  • 離婚を周囲に知られないようにするため

夫婦によって理由はさまざまですが、経済面や子どもを理由にやむを得ず同居を続ける人もいれば、法律婚という形式にこだわらず、事実婚のような関係で関わっていくことを選ぶ人もいます

ただし注意点として、一緒に生活する以上、食費や光熱費などの負担について事前に話し合っておかないとトラブルの原因になる可能性があります。

また、離婚後の同居が内縁や事実婚とみなされると、生活費の分担義務や貞操義務が生じる点も覚えておきましょう

離婚後も元夫・元妻と同居し続ける3つのメリット

離婚後も同居を続けることには、主に以下のメリットがあります。

  1. 住居費などが1世帯分で済む
  2. 子どもがいる場合は父母で一緒に育てられる
  3. 外見上はこれまで通り夫婦の関係を続けられる

別居すれば2世帯分の費用がかかるところを1世帯分に抑えられることや、子どもの生活環境を変えずに済むことは、離婚後同居の大きなメリットです。

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

1.住居費などが1世帯分で済む

離婚後も同居を続ける最大のメリットは、経済的な負担を大幅に軽減できることです。

別居すれば2世帯分の家賃や住宅ローン、光熱費、通信費などがかかりますが、同居を続ければこれらを1世帯分に抑えられます。

例えば、家賃10万円の物件に住んでいた場合、別居すれば家に残ったほうはひとりで月10万円負担していかなければなりません。

出ていったほうも新たに住居を確保する必要があるため、今後はそれぞれに住居費がかかります。

しかし、同居を続けて費用を折半すれば、ひとりあたり月5万円の負担で済むため、別居した場合よりもそれぞれが大幅に節約できます

また、離婚に伴う引越し費用や敷金・礼金といった新居の初期費用も不要です。

通常、引越しには数十万円の初期費用がかかるため、この出費を避けられることは大きなメリットといえるでしょう。

2.子どもがいる場合は父母で一緒に育てられる

離婚後も同居を続ければ、子どもの生活環境をほとんど変えずに済みます

引越しが不要になるため、転校や転園をさせる必要がなく、子どもは慣れ親しんだ学校や保育園に通い続けられます。

友人関係や先生との関係も維持されるため、離婚によって子どもが受けるストレスを最小限に抑えられるでしょう。

また、両親が協力して子育てできることも重要なポイントです。

離婚後に別居する場合、別居親は面会交流のわずかな機会しか子どもと交流できず、面会のたびに日程調整や移動に手間がかかります。

さらに、離婚直後は約束通り面会交流が実施されていても、次第に子どもに会わせてもらえなくなるケースも少なくありません。

しかし、同居であれば離婚後も変わらず子どもと関わることが可能です。

保育園の送迎や学校行事への参加、急病時の対応なども両親で役割分担できるため、ひとり親が抱えがちな子育ての負担を軽減できます。

子ども視点でいえば、両親が揃っているという安心感が得られるのも大きなメリットです。

離婚をしたことには変わりありませんが、これまで通り両親と過ごせることは子どもの精神的な安定にもつながるでしょう。

3.外見上はこれまで通り夫婦の関係を続けられる

戸籍上は離婚していても、同居を続けていれば外からは通常の夫婦に見えるため、世間体を保ちやすいのもメリットです。

近所の人や親族、職場の同僚などに離婚の事実を知られたくない場合、同居を続けることで離婚を公表せずに済みます。

子どもにとっても、友人や学校関係者に両親の離婚を知られにくい点はメリットでしょう。

思春期の子どもの場合、両親の離婚を友人に知られることで気まずい思いをする可能性がありますが、同居を続けていればそのような心配をする必要がなくなります。

離婚後も元夫・元妻と同居し続ける4つのデメリット

離婚後も同居を続けることには、以下のようなデメリットもあります。

  1. 元夫婦の仲が悪い場合は精神的に疲れる
  2. 生活費や子育てのことで揉める可能性がある
  3. 公的支援や税制上の恩恵が受けられない可能性がある
  4. 元配偶者の目線が気になり恋愛や再婚などがしにくくなる

それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

1.元夫婦の仲が悪い場合は精神的に疲れる

離婚に至った原因が解決していないにもかかわらず同居を続けることは、精神的な負担になる可能性が高いです。

ちょっとしたきっかけで過去の出来事を思い出したり、相手の言動にイライラしたりして、日々ストレスが蓄積していくおそれもあるでしょう。

また、生活を共にする以上、家事の役割分担や食事の時間、共有スペースの使い方など、日常的なやり取りは避けられません。

相手への不信感や嫌悪感が強いときは、このような些細なコミュニケーションすら苦痛に感じる可能性があります。

さらに、子どもが両親の関係が冷え切っている様子を毎日目の当たりにすることで、子どもは居心地の悪さを感じ、精神的に不安定になるおそれもあります。

たとえ子どものために離婚後に同居を選択する場合でも、ただ両親が揃っていればよいというわけではない点には注意が必要です。

2.生活費や子育てのことで揉める可能性がある

離婚すれば、婚姻費用の分担義務はなくなりますが、同じ家で暮らす以上、家賃や光熱費、食費といった支出をどのように分担するかが問題になります。

そのため、ルールを決めずに同居をスタートさせると、「自分ばかりが負担している」「相手が負担してくれない」といった不満が生まれやすくなるでしょう。

また、離婚後は原則として親権者に決定権があるため、非親権者が教育方針や習い事について意見を述べても、親権者が反発することがあります。

日常の世話や送迎などについても、「親権者が自分でやるべき」「同居しているのだから協力すべき」と意見が対立し、関係がさらに悪化するケースもあるでしょう。

離婚後も同居を続け、父母で協力して子どもを育てていくなら、共同親権も視野に入れておくことをおすすめします。

【関連記事】離婚後の共同親権制度とは?4つの基本ポイントと親権者変更の手続きについて解説

3.公的支援や税制上の恩恵が受けられない可能性がある

ひとり親世帯には児童扶養手当や児童育成手当といった公的支援制度が用意されていますが、離婚後も元配偶者と同居している場合、これらの手当を受給できない可能性があります。

例えば、児童扶養手当は、離婚などにより父または母と生計を同じくしていない児童を対象とする制度です。

そのため、離婚後も元配偶者と同居し、実態として生計を同じくしていると判断される場合は、受給できない可能性があります。

住民票の世帯を分ける「世帯分離」の手続きをおこなっても、同居している事実は変わらないため、受給が認められない可能性が高いでしょう。

そのほか、税制面でも損をする可能性があります。

離婚する前であれば、配偶者控除や配偶者特別控除などの税制優遇措置を受けられますが、離婚すれば配偶者ではなくなるため利用できません。

一方、ひとり親向けの支援も同居を理由に受けられない可能性があるため、どちらの恩恵も受けられない状態になることもあると知っておきましょう。

4.元配偶者の目線が気になり恋愛や再婚などがしにくくなる

離婚後は他人同士になるため、新しい恋人を作ったり再婚したりすることは自由です。

しかし、元配偶者と同居している状況では、恋愛や再婚に向けて行動するのは現実的に難しいでしょう。

新しい恋人ができたとしても、離婚した相手と同居を続けている状況を理解してもらえるとは限りません

デートで外出や外泊する際にも、元配偶者の存在が気になり、自由に行動しにくくなるでしょう。

また、離婚後の同居が事実婚であるとみなされるケースでは、新しい恋人と性的関係をもつことが不貞行為に該当する可能性がある点にも注意が必要です。

単なる同居人の間柄であれば不貞行為には当たりませんが、離婚後も元配偶者と性的関係が続いていた場合や、将来的に復縁することを約束していたケースなどは、不貞行為として元配偶者から慰謝料を請求されるおそれがあります

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離婚後も元夫・元妻と同居し続ける場合の5つのポイント

離婚後も元配偶者と同居を続けるなら、以下の5つのポイントを押さえておきましょう

  1. 同居する期間・期限を決めておく
  2. 生活費や子育てのルールを決めておく
  3. お互い必要以上に干渉をしないようにする
  4. 必要に応じて事実婚という形態を選択する
  5. 必要があれば世帯分離の手続きをおこなう

最初に同居する期間やルールを決めておくことで、無用なトラブルを回避しやすくなります

ここからは、それぞれのポイントについて見ていきましょう。

1.同居する期間・期限を決めておく

離婚後の同居をいつまで続けるのか、あらかじめ期間や期限を決めておくことが重要です。

終了時期を設けないまま同居を続けると、別居するタイミングを見失ったり、関係が悪化した場合に別居の話し合いが難航したりする可能性があります。

例えば、以下のような条件を決めておきましょう。

  • 貯金が◯万円貯まるまで
  • どちらかが再就職するまで
  • 子どもが小学校を卒業するまで

また、定めた期限以外でも同居を解消できるよう、「どちらかが同居解消を希望する場合は◯ヵ月前に伝える」といったルールを設けておくと、途中で事情が変わっても揉めづらいでしょう。

なお、このような取り決めは口約束ではなく、離婚協議書として書面に残しておくことをおすすめします。

【関連記事】離婚協議書の書き方ガイド|無料テンプレートや自分で作成する際のポイントも紹介

2.生活費や子育てのルールを決めておく

離婚後は婚姻費用の分担義務がなくなるため、お互いに生活費を分担する義務がありません

しかし、円満な共同生活を送るためには、家賃や光熱費、食費などの生活費はもちろん、子育てについてもどのように分担するかを明確に決めておく必要があります。

例えば、以下のように取り決めて、同居する期間・期限と同様に離婚協議書に記載しておきましょう

  • 生活費(家賃・光熱費・食費など)をどう負担するか
  • 家事(掃除・洗濯・料理・ゴミ出しなど)をどちらが担当するか
  • 子どもの送迎や学校行事をどう分担するか
  • それぞれの恋人・友人が訪問した際にどう対応するか

収入に差があるなら、収入に応じて負担割合を決めるとよいでしょう。

また、同居している場合でも、子どもがいるなら養育費の請求が可能です。

ただし、同居する場合は住居費や食費をお互いが負担し合うため、通常の養育費算定表をそのまま使用するのではなく、すでに負担している住居費や食費などを考慮したうえで適切な金額を決める必要があります。

3.お互い必要以上に干渉をしないようにする

円満な同居生活を送るためには、お互いのプライベートに必要以上に干渉しないことがポイントです。

婚姻中は夫婦として相手の行動を把握することが当然だったため、つい相手の行動に口出ししたくなるかもしれません。

しかし、離婚後は夫婦から同居人としての距離感に切り替える必要があります。

例えば、離婚後は帰宅時間や外出先を報告する義務はなく、交友関係や恋愛についても相手に伝える必要はありません。

お互いのプライバシーを尊重し、必要最低限のコミュニケーションにとどめることで、精神的なストレスを軽減できます。

可能であれば、使用する部屋を分けたり、生活リズムをずらしたりすることも有効です。

顔を合わせる機会を減らせば、お互いに気を遣わず生活できるようになるでしょう。

4.必要に応じて事実婚という形態を選択する

離婚届を提出したものの、引き続き夫婦として共同生活を続けたい場合は、事実婚を選択するのもひとつの方法です。

事実婚とは、法的に婚姻関係を結ばずに夫婦同様の生活を営む関係をいい、法律婚に準じた扱いを受けられます。

事実婚を選択するメリットとしては、以下が挙げられます。

  • 夫婦で別姓を名乗れる
  • 相続関係が発生しないため財産が子どもに直接わたる
  • 要件を満たせば内縁の妻・夫として社会保険の扶養に入れる
  • 遺族年金を受け取れる場合がある

ただし、法律婚と同等の権利が認められるわけではなく、配偶者控除などの税制優遇は受けられません

また、貞操義務が生じるため、新しい恋人との関係が不貞行為に該当するリスクもあります。

離婚後に法律婚という形式だけを解消して夫婦関係を続けたい場合は事実婚が適していますが、単なる同居人として共同生活を続けたいのであれば、事実婚とみなされないよう線引きを明確にしておいたほうがよいでしょう

【関連記事】事実婚の定義とは?法律婚との違いやメリット・デメリットを解説

5.必要があれば世帯分離の手続きをおこなう

離婚後に同居を続ける場合は、必要に応じて世帯分離の手続きをおこないましょう

世帯分離とは、同じ住所に住んでいながら、住民票上の世帯を分ける手続きです。

世帯を分けても、同居している場合は同一生計とみなされて児童扶養手当や児童育成手当の対象外になる可能性が高いですが、世帯を分けることはひとつの区切りになるでしょう。

また、国民健康保険料が安くなったり、同居人が要介護者だった場合に介護費用が減額されたりする可能性もあります。

世帯分離の手続きは、住民票のある市区町村役場でおこないます。

手続きの流れは以下のとおりです。

  1. 市区町村役場の住民課・戸籍課などに行く
  2. 「住民異動届」を窓口で入手し記入する
  3. 窓口に提出する

手続きには本人確認書類や印鑑が必要ですが、必要書類は市区町村によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

なお、世帯分離をしたことで、かえって国民健康保険料や介護費用が高くなる場合もあります

また、元配偶者と同一生計であることを黙って児童扶養手当などを受給すると、不正受給にあたるおそれがある点に注意が必要です。

手当を受給したい場合は、市区町村に事情を説明し、受給しても問題がないか確認しておくことをおすすめします。

離婚後に続けていた同居をやめたくなった場合はどうすればよい?

離婚すると夫婦の同居義務はなくなるため、誓約書や協議書といった書面を交わしている場合でも、基本的には同居を解消できます

ただし、交わした書面の内容や状況にもよるため、不安であれば弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談・依頼すれば、自分の代わりに相手と交渉してもらうことも可能です。

なお、親権者ではないほうの親が子どもを連れて勝手に家を出ると、違法な連れ去りになる可能性がある点に注意が必要です。

親権の変更について争いがある場合も、弁護士への相談を検討しましょう。

さいごに|離婚後も同居を続けたい場合は事前に弁護士に相談しておこう

離婚後も同居を続けるメリット・デメリットやポイント、注意点を解説しました。

元配偶者との同居は、双方が合意すれば何の問題もありません

経済的な負担を軽減できることや子どもの生活環境を変えずに済むことは、大きなメリットといえるでしょう。

ただし、同居期間や生活費の分担、子育てのルールなどを事前に明確に決めておくことが大切です。

また、事実婚とみなされて公的支援が受けられなくなったり、新しい恋愛が不貞行為とみなされたりするリスクもあるため注意が必要です。

離婚後に同居を検討している場合は、事前に弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談すれば、離婚協議書の作成や事実婚とみなされないための対策など、専門的なアドバイスを受けられます。

トラブルを防ぎながら円満な同居生活を送るためにも、まずは弁護士に相談してみることから始めましょう。

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株式会社アシロ編集部
編集者
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本記事は法ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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