- 「不倫の示談交渉を弁護士に頼みたいけど、費用がいくらかかるかわからない」
- 「弁護士費用を払ったら、手元にいくら残るんだろう」
不倫の示談交渉で弁護士への依頼を検討しているものの、費用倒れにならないか不安な方もいるでしょう。実際のところ思った金額の慰謝料を獲得できず、弁護士費用の方が高くつく費用倒れの例があるのは否めません。
本記事では、不倫の示談交渉にかかる弁護士費用の相場や内訳、請求側・減額側それぞれのシミュレーション、費用を抑える方法について解説します。記事を最後まで読めば、自分のケースで弁護士に依頼すべきかどうか、判断できるようになるでしょう。
※本記事で紹介している金額は全て税別です。
不倫の示談交渉にかかる弁護士費用の相場

ここでは、不倫された側・した側・調停や裁判に発展した場合の弁護士費用の相場を解説します。なお実際にどのくらいの費用がかかるかは、依頼先の法律事務所によって異なるので注意ください。本項での説明は、一般的な相場として参考までにとどめてください。
【不倫された側】慰謝料を請求する場合の費用相場
不倫された側が慰謝料を請求する際にかかる弁護士費用の相場は以下のとおりです。
- 着手金:20万〜30万円
- 成功報酬金:獲得できた額の10〜20%程度
このほかに実費や日当、相談料(初回無料の場合もあり)がかかります。
成功報酬金とは、文字通り慰謝料を獲得できた場合にかかる成功報酬のことをいいます。成功報酬金は獲得金額の10~20%なので、獲得できた金額が50万円なら5万〜10万円程度、300万円なら30万〜60万円程度です。
着信金は、条件を満たせば無料で対応している事務所もあります。
【不倫した側】請求された慰謝料を減額したい場合の費用相場
不倫した側が慰謝料の減額交渉を依頼する場合の費用相場は以下のとおりです。
- 着手金:20万〜30万円
- 成功報酬金:減額できた額の10〜20%程度
また、不倫された側と同様に、実費や日当、相談料(初回無料の場合もあり)がかかります。
不倫された側との違いは、成功報酬金が減額できた金額に対してかかる点です。成功報酬金は減額できた額の10~20%なので、50万円減額できたケースなら5万〜10万円、100万円減額できたケースなら10万〜20万円程度です。
減額が大きいほど報酬も高額になりますが、弁護士に依頼することで大幅に減額できる可能性は高まります。
示談交渉が調停や裁判(訴訟)に発展した場合に追加でかかる費用の目安
示談交渉で解決できず調停や裁判へ移行した場合、追加の着手金が10万〜20万円程度かかるのが一般的です。
さらに、弁護士に出廷してもらうと日当や実費もかさむため、示談交渉で解決したケースに比べて弁護士費用が高額になります。費用を抑えたいなら、示談交渉での早期解決を目指すのが望ましいでしょう。
なお、裁判に移行しても追加の着手金がかからない事務所もあります。追加の着手金がかかるかどうか気になる場合は、依頼前に費用体系を確認しておきましょう。
弁護士費用の内訳

弁護士費用は、上記5つの費用で構成されます。なかでも金額が大きくなりやすいのは着手金と報酬金ですが、出張や出廷が重なると日当や実費がかさむこともあるため、5つ全てを把握しておきましょう。
費用別の具体的な金額について、それぞれ見ていきましょう。
相談料|初回無料〜1時間あたり1万円程度
相談料は正式な依頼前に弁護士と面談する際にかかる費用で、30分あたり5,000円、1時間あたり1万円程度が相場です。
初回無料の法律事務所も多いため、費用を少しでも抑えたい場合は無料相談に対応している事務所を選ぶことをおすすめします。複数の事務所で無料相談を受け、比較するのもよいでしょう。
ただし、無料相談には時間制限が設けられているケースがほとんどです。30分や1時間といった目安の時間を超えると費用が発生する可能性があるため、時間内に相談できるよう事前に相談内容をまとめておきましょう。
着手金|20万〜30万円程度
着手金は弁護士に依頼する際に支払う初期費用で、不倫の示談交渉では20万〜30万円程度が相場です。
手元にまとまった現金がなければ、着手金ゼロの完全成功報酬制を採用している事務所を選択するのもひとつの方法です。ただし、着手金がかからない分、成功報酬金の割合が高めに設定される傾向にある点に注意しましょう。
なお、着手金は交渉が不成立に終わったり、依頼人の都合で途中でキャンセルしたりした場合でも、原則として返還されません。成功報酬金|獲得・減額できた金額の10〜20%程度
成功報酬金は、事件が解決した際に発生する費用です。慰謝料を獲得・減額できなかった場合は発生しません。
相場は獲得・減額できた金額の10〜20%程度ですが、事務所によっては金額が固定されているケースもあります。
計算のもとになるのは、不倫された側であれば獲得した慰謝料の金額、不倫した側であれば実際に減額できた金額です。たとえば、300万円の慰謝料を獲得した場合は300万円に対してかかり、300万円の請求を100万円に減額できた場合は300万円-100万円=200万円に対してかかります。
なお、不倫された側は受け取った慰謝料から成功報酬金を支払えるケースが一般的ですが、不倫した側は慰謝料の支払いとは別に成功報酬金を用意する必要があります。
実費|数千円〜数万円程度
実費とは、弁護士が手続きを進めるうえで実際に必要となる費用のことを指します。具体的には以下が該当し、示談交渉のみで完結する場合は数千円〜数万円程度に収まるのが一般的です。
- 内容証明郵便の郵送料
- 弁護士の交通費
- 書類のコピー代
示談交渉で解決せず裁判に移行したときは収入印紙代や郵便切手代も必要になり、実費の総額が増えます。
なお、実費の支払い方法は事務所によって異なります。あらかじめ預り金として一括で預けるケースと都度精算となるケースがあるため、契約前に確認しておきましょう。
日当|半日3万〜5万円、1日5万〜10万円程度
日当は、弁護士が事務所の外へ出て活動する際にかかる費用です。調停や裁判への出廷、遠方の相手方との直接交渉などで発生します。
日当の相場額は以下のとおりです。
- 半日:3万〜5万円
- 1日:5万〜10万円
電話や書面のみで示談交渉が完結した場合は、日当が発生しないケースが多いです。遠方の事務所に依頼したり何度も出張してもらったりすると費用がかさむため、近隣の事務所を選ぶのがおすすめです。
慰謝料請求にかかる弁護士費用を不倫相手に請求できる?
弁護士費用を支払うことになったのは、そもそも不倫が原因ですから不倫相手に請求したいと思うかもしれません。それでは、慰謝料請求にかかる弁護士費用まで不倫相手に請求できるのでしょうか。
弁護士費用は原則として自己負担になる
弁護士費用は依頼者自身が負担するのが原則です。不倫相手に弁護士費用を負担する法的義務はありません。
ただし、弁護士費用相当額を上乗せした金額で、慰謝料の支払いについて交渉することは可能です。たとえば慰謝料の相場が150万円でも、弁護士費用50万円分を含めた200万円で交渉し、相手が合意すれば相手に弁護士費用を負担してもらったのと同じです。
とはいえ弁護士費用を加えた慰謝料の支払いを強制することはできません。希望した額で慰謝料を支払ってもらえるのは、あくまでも相手が同意した場合に限ります。全額請求できて当然、という前提で動くと交渉がこじれる可能性があるため、弁護士と相談しながら現実的な落としどころを探るのがおすすめです。
裁判になれば慰謝料の10%程度を請求できる可能性がある
示談交渉で解決せず裁判へ進み、不倫相手への慰謝料請求が認められた場合、弁護士費用の一部を請求できる可能性があります。
不倫のような不法行為が問題になるケースでは、弁護士費用の一部を損害として相手に請求できると認められているためです(最高裁判所 昭和44年2月27日判決)。ただし全額ではなく、事案の難易度や認められた慰謝料の金額などを考慮し、相当と認められる範囲に限られます。
実務上は認められた額の10%程度とされるケースが多く、たとえば慰謝料200万円の判決が出た場合、20万円程度を追加請求できる可能性がある計算になります。
なお、請求できるのは判決まで争った場合のみであり、裁判中に和解したときはお互いに請求しないのが一般的です。
不倫の慰謝料請求・減額シミュレーション
弁護士に依頼した場合と自分で交渉した場合とで、実際どのくらい差が出るのか気になる方もいるでしょう。
ここでは、慰謝料を請求する側・減額する側別に、弁護士に依頼したケースと自分で交渉したケースとでどの程度変わってくるのかをシミュレーションします。
なお、ここで紹介するのはあくまで試算であり、実際の金額は事案や事務所によって異なります。実際にいくらかかるかは、依頼する事務所に見積もりをしてもらうとよいでしょう。
慰謝料を請求する側
ここでは、弁護士に依頼して200万円獲得したケースと、自分で交渉し50万円で示談させられたケースを紹介します。
弁護士に依頼して200万円獲得し、手元に100万円以上残せたケース
弁護士に示談交渉を依頼して慰謝料200万円を獲得できた場合、以下金額の弁護士費用が発生する可能性があります。
| 費用項目 | 金額 | 計算内訳 |
| 着手金 | 25万円 | – |
| 成功報酬金 | 30万円 | 200万円×15% |
| 実費 | 3万円 | 郵送・交通費など |
| 日当 | 6万円 | 半日×2回 |
| 弁護士費用合計 | 64万円 | – |
このシミュレーションでは、手元に200万円-64万円=136万円が残る計算です。
弁護士に依頼せず自分で交渉すると、たとえ適正な金額が200万円のケースであっても200万円に満たない金額で合意させられるリスクがあります。
たとえば100万円でしか合意できなかった場合、弁護士に依頼して得た136万円と比べると36万円の差が出ます。費用を払っても、依頼する価値は十分にあるといえるでしょう。
自分で交渉して50万円で示談させられたケース
弁護士に依頼せず自分で交渉すれば、もちろん弁護士費用はかかりません。しかし50万円でしか合意できなかった場合、弁護士に依頼して200万円で合意できたケースと比べると手取り額に80万円以上の差が出ます。
両者を比較してみましょう。
| 比較項目 | 自分で交渉 | 弁護士に依頼 |
| 獲得慰謝料 | 50万円 | 200万円 |
| 弁護士費用 | 0円 | 64万円 |
| 手取り額 | 50万円 | 136万円 |
| 差額 | – | +86万円 |
当事者同士で交渉を進めると、相手のペースに押され、結果として低い金額での合意を余儀なくされるケースは少なくありません。
特に注意したいのが、一度成立した示談は原則として撤回できない点です。合意後に「相場よりも低かった」と気づいたとしても、よほど特別な事情がない限り、その内容に従わなければなりません。
弁護士費用を節約しようとして依頼を見送った結果、かえって数十万円から100万円単位の不利益を被る可能性があることも、あらかじめ理解しておく必要があります。
慰謝料を減額する側
不倫がバレて、相手から高額な慰謝料を請求された場合も、弁護士に依頼することでトータルの出費を大幅に抑えられる可能性があります。
「請求された金額をそのまま払うしかない」と思い込む方も多いですが、交渉次第で相場の範囲内まで減額できるケースは少なくありません。
ここでは、弁護士に慰謝料請求を依頼した場合と自分で交渉した場合に、それぞれいくら手元に残るかのシミュレーション例を紹介します。
弁護士に依頼して200万円の請求を100万円に減額できたケース
弁護士に依頼して200万円の請求を100万円に減額できた場合、以下金額の弁護士費用が発生する可能性があります。
| 費用項目 | 金額 | 計算内訳 |
| 着手金 | 25万円 | – |
| 成功報酬金 | 15万円 | 100万円×15% |
| 実費 | 3万円 | 郵送・交通費など |
| 日当 | 6万円 | 半日×2回 |
| 弁護士費用合計 | 49万円 | – |
| 支払い慰謝料 | 100万円 | – |
| トータルの出費 | 149万円 | – |
このシミュレーションでは、相手に言われるまま200万円を支払うケースと比べ、弁護士費用を考慮しても51万円の差が出る結果になりました。減額幅が大きいほど報酬も増えますが、言い値で支払うよりもトータルの出費が少なくなることが多いです。
自分で交渉して言われるまま200万円を支払ってしまったケース
自分で交渉し、相手に言われるまま200万円を支払ってしまったケースでは、弁護士費用はかかりませんが一切減額できなかったことになります。
当事者だけで交渉をおこなうと、相手から感情的に責められたり、「会社や家族にばらす」などと脅されたりすることがあります。そのような状況では冷静な判断を保つのが難しくなりがちです。
本来は減額を提案すべき場面でも、相手の勢いに押され、結果として相手の言い値で合意してしまうおそれがあります。
相場より高額な慰謝料を請求された場合でも、弁護士を立てることで、相場の範囲内まで減額できる可能性があります。金額面だけでなく精神的な負担を軽減するためにも、できるだけ早い段階で専門家に相談することが重要です。
弁護士への依頼で損しないための3つのポイント

弁護士に依頼する前に確認しておきたいのが費用倒れのリスクです。獲得した慰謝料より弁護士費用が高くなってしまわないかどうかは、上記のポイントをチェックすることで防げます。
それぞれのポイントについて順番に解説します。
1. 請求する慰謝料額が弁護士費用を下回るリスクがないか
慰謝料の見込み額があまり高くない場合、弁護士費用を差し引くと手元にほとんど残らない可能性があります。弁護士費用の最低ラインは30万円程度であり、請求可能な慰謝料額が、この最低ラインとあまり差がない場合、ケースによっては費用倒れになるリスクがあります。
費用倒れを避けるには、弁護士に相談する段階でどのくらいの慰謝料を請求できそうか、費用倒れの可能性はないかを確認しておくことが必要です。婚姻期間の長さや不貞期間の長さ、回数、離婚に至ったかどうかなど、弁護士はさまざまな状況から請求金額の目安を割り出してくれるでしょう。
なお、相手が不倫を認めており争いにならないケースなら、離婚条件をまとめた離婚協議書の作成のみを依頼するのも有効な選択肢です。数万円〜10万円程度で依頼できるケースが一般的であるため、費用を抑えながら法的に有効な書面を残せます。
2. 不倫相手に支払い能力(給料や貯金)があるか
示談が成立しても、不倫相手に支払い能力がなければ、慰謝料を実際に回収できないおそれがあります。支払いを認めさせただけでは意味がなく、回収まで見据えることが重要です。
もっとも、相手の勤務先や預貯金などの情報が分かっていれば、給与や財産を差し押さえられる場合があります。個人での調査は簡単ではありませんが、弁護士に依頼すれば、債務名義獲得後、弁護士会の照会制度を利用して相手の資産を調査してもらえます。
相手の支払い能力に不安がある場合は、初回相談の段階で弁護士に事情を伝え、回収の見込みを判断してもらいましょう。仮に一括での回収が難しくても、分割払いを提案したり、親族からの援助を求めたりするなど、複数の選択肢があります。
3. 求償権を行使され自分の家計からお金が出ていかないか
離婚しない場合に見落としがちなのが求償権のリスクです。慰謝料を獲得できても、不倫相手が求償権を行使することで家計からお金が出ていってしまうケースがあります。
求償権とは、不倫当事者の一方が慰謝料を支払ったあと、もう一方に「自分が払った分の一部を負担してほしい」と請求できる権利です。不倫は不倫相手と配偶者の共同不法行為とみなされるため、お互いに求償する権利が発生します。
たとえば、不倫相手から200万円の慰謝料を受け取っても、不倫相手が配偶者に対して100万円を求償した場合、家計全体では受け取った200万円のうち100万円が出ていく計算になります。
| 不倫相手から獲得した慰謝料 | +200万円 |
| 求償権を行使され配偶者が支払う金額 | -100万円 |
| 家計に残る金額 | +100万円 |
離婚を選択しない場合は、家計をトータルで見たときの収支を意識することが大切です。
なお、求償権のリスクを防ぐには、示談書に求償権の放棄に関する条項を盛り込むのが有効です。不倫相手に求償権を行使しないことを合意させれば、あとから追加請求されることを事実上防げる可能性があります。
求償権の仕組みについては、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】浮気・不倫の慰謝料における求償権とは?仕組みと文例・時効を徹底解説
不倫の示談交渉で弁護士費用を安く抑える4つの方法

弁護士費用を安く抑える方法は上記の4つです。
以下、それぞれの詳細をみていきましょう。
1. 無料相談をおこなっている法律事務所を利用する
無料相談をおこなっている法律事務所を利用すれば、通常1時間あたり1万円程度かかる相談料を節約できます。
初回相談を無料で提供している事務所は多いため、複数の事務所に申し込んで方針や費用感を比較するとよいでしょう。相談しやすいか、説明がわかりやすいかといった相性の確認にも役立ちます。
2. 着手金無料や分割払い・後払いに対応している事務所を選ぶ
まとまった現金がないときは、着手金がかからない完全成功報酬制を採用している事務所を選ぶことで依頼時の持ち出しをゼロにできます。
着手金がかかる場合でも、なかにはクレジットカード払いや分割払いに対応している事務所もあります。一括で支払えないからといってあきらめる前に、支払い方法を問い合わせてみるのがおすすめです。
また、相手から慰謝料を受け取ったあとに弁護士費用を精算できる、後払いの事務所もあります。後払いなら受け取った慰謝料から費用を支払えるため、手元に現金がなくても依頼しやすいでしょう。
3. 経済的に余裕がなければ「法テラス」の利用を検討する
経済的に弁護士に依頼する余裕がない場合は、法テラスの利用を検討するのもよいでしょう。
法テラスとは、国が設立した法的支援機関のことで、経済的に余裕がない方向けに、弁護士の無料法律相談や弁護士費用の立替えをおこなっています。
法テラスに弁護士費用を立て替えてもらえば初期費用0円で依頼でき、その後の返済も月々5,000円〜1万円程度で済むため、手元に現金がなくても費用の心配をせずに済みます。
ただし法テラスは資力の低い方向けに弁護士の無料相談や費用立替を提供しているので、利用には収入・資産の審査が必要です。
法テラスの無料法律相談や費用立替制度の審査基準・利用方法については、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】法テラスとはどんな機関?無料法律相談や費用立替制度の利用方法なども解説
4. 話し合いがこじれる前に弁護士に相談・依頼する
話し合いがこじれる前に弁護士に相談・依頼することは、費用の節約にもつながります。
示談で解決せず調停や裁判に発展すると、追加の着手金や出廷の際の日当などが余分にかかり、トータルコストが増えるためです。
弁護士が介入することで、相手はプレッシャーを感じて示談に応じやすくなります。相手にもよりますが、弁護士が出てきた途端に態度をあらためるケースも少なくありません。
「できる限り自分で対応しよう」と思って依頼を先延ばしにするのではなく、早い段階で相談するのがおすすめです。
費用を払ってでも不倫の示談を弁護士に依頼する5つのメリット

「自分で交渉すれば弁護士費用が浮く」と考える方もいるかもしれませんが、弁護士に依頼するメリットは少なくありません。
ここからは、弁護士に依頼するメリットを見ていきましょう。
1. 相手と直接やり取りをするストレスから解放される
弁護士に依頼した時点で、相手と直接やり取りする必要がなくなります。
不倫相手との交渉は、大きなストレスになります。相手の言い訳や逆ギレ、無視など、相手の態度に消耗しながら交渉し続け、精神的に限界を超えるケースは珍しくありません。
しかし、弁護士に対応を一任することで、そういったストレスから解放され日常生活や仕事に集中できるようになります。相手からいつ連絡が来るかわからない緊張感から解放されるだけでも、心が軽くなるでしょう。
また、感情的なやり取りを避けることで、口論がエスカレートし、ハラスメントや脅迫などの問題に発展するのを防ぐこともできます。
2. 法的根拠に基づいた交渉で相場以上の増額・減額が期待できる
弁護士が加わることで、法的根拠に基づいた示談交渉が可能となります。
請求側であれば、裁判も辞さないという姿勢を示すことで、相場以上の慰謝料を引き出せる可能性が高まります。「これだけでは証拠にならない」「払えない」といった言い分にも、弁護士が法的に反論してくれるでしょう。
減額側であれば、相手が感情に高額な慰謝料を請求しても、過去の判例や相場をもとに交渉を進めてくれます。相場を法的根拠とともに示すことで、適正な範囲まで減額できるケースは少なくありません。
3. 早期に解決できる可能性が高まる
弁護士に対応を依頼することで、当事者同士で交渉するより早期に解決できる可能性が高まります。
当事者同士で交渉すると感情的に対立したり、「言った・言わない」の水掛け論に発展したりしやすいためです。関係がこじれ、解決までに数年かかってしまうケースもあります。
弁護士名義で内容証明郵便を送るだけでも、相手に本気度が伝わります。相手は裁判沙汰を避けたい心理から、早い段階で示談に応じてくれることも少なくありません。
早期に解決できれば精神的な負担も軽減され、離婚や関係の再構築といった次のステップに早く踏み出せるようになります。
4. 調停や裁判に移行しても対応してもらえる
示談で解決できなくても、依頼した弁護士にそのまま調停や訴訟の手続きを任せられます。交渉の時点から関わっている弁護士が引き続き担当するため、一から説明し直す必要がありません。
また、弁護士には調停や裁判への同席や代理での出廷を依頼できます。調停や裁判の期日は平日の日中に設定されるのが一般的で複数回にわたることも多いため、書面の作成も含めて弁護士に対応を任せられるのは大きなメリットです。
さらに、弁護士がついていることで、調停や裁判も視野に入れていることが相手に伝わります。相手が「裁判になったら困る」と感じれば、示談に応じる可能性が高まるでしょう。
5. 将来のトラブルや未払いを防げる
弁護士に示談書を作成してもらえば、将来的なトラブルや未払いを防ぎやすくなります。
口約束や自作の示談書では必要な条項が抜けてしまいがちですが、弁護士であれば法的に不備のない示談書を作成してくれるためです。
たとえば、分割払いが途絶えるリスクや、今後の請求を禁止する清算条項が抜けていたために追加請求されるといったトラブルも、適切な示談書があれば防げるでしょう。
より確実な回収を目指す場合は、強制執行認諾文言付きの公正証書の作成サポートも受けられます。相手の支払いが滞った場合でも、裁判なしで給与や財産を差し押さえる強制執行が可能です。
不倫トラブルの示談交渉に強い弁護士を見極める5つの基準

弁護士であれば、誰でもよいわけではありません。依頼する弁護士によって交渉の進め方や費用の透明性、対応のきめ細かさは大きく異なるため、上記の基準をもとに弁護士を選ぶことをおすすめします。
それぞれ見ていきましょう。
1. 不倫慰謝料の示談や裁判の解決実績が豊富
気になる事務所があれば、ホームページで不倫慰謝料の請求・減額に特化した解決事例が掲載されているかを確認しましょう。
離婚・男女問題に注力し、示談から裁判まで一貫した経験を持つ弁護士は、交渉の落とし所を熟知しています。また、相手がどこまで粘るか、どこで合意に持ち込めるかといった判断は、経験の数に比例します。
年代や不倫期間など、自分と似た状況の解決事例があるかもポイントです。実績豊富な弁護士であれば、初回相談の段階でおおよその費用や獲得・減額できそうな金額を見立ててくれるでしょう。
2. デメリットや費用倒れのリスクを正直に伝えてくれる
メリットだけでなく、相手が支払いを拒否した場合のデメリットや費用倒れのリスクについても正直に伝えてくれる弁護士を選びましょう。反対に、「絶対に勝てます」「必ず300万円取れます」などと断言する弁護士には注意が必要です。
不倫問題は、相手の支払い能力や証拠の有効性など不確定な要素が多く、結果を保証できるものではありません。良いことしか言わない弁護士は、あとになって「聞いていた話と違う」というトラブルにつながるおそれがあります。
信頼できる弁護士は、良い面も悪い面も説明したうえで、依頼者の利益を優先した提案をしてくれます。
3. レスポンスが早い
不安なときにすぐ連絡が取れる弁護士を選ぶことが大切です。
不倫トラブルの渦中にいるときは精神的に不安定になりやすく、「今すぐ弁護士に確認したい」という場面が多く発生します。レスポンスの早さは、費用と同じくらい重要な要素です。
初回相談の際に、連絡手段や返信の目安時間を確認しておきましょう。無料相談の時点でメールのみ・返信は数日後という事務所だと、交渉が長引いたり不安が蓄積したりするリスクが高まります。
4. 費用体系が明確で追加費用の心配がない
ホームページに料金表が掲載されており、相談時に総費用の概算と追加料金の有無を丁寧に説明してくれる事務所を選びましょう。
契約後に想定外の費用を請求されるトラブルを防ぐためにも、契約前の見積もりは必須です。
また、着手金が無料でも、成功報酬金の割合が高かったり、事務手数料が別途発生したりするケースがあります。費用の内訳を質問した際に、濁さず明確に回答してくれる弁護士であれば信用して依頼できるでしょう。
5. 相性が良い・話しやすい
相性や話しやすさも、弁護士を選ぶ際に重視したいポイントです。無料相談を通じて、自分の話を親身になって聞いてくれるか、威圧的でないかといった点を確認しましょう。
長ければ半年以上やり取りを続ける相手になるため、安心して相談できるかどうかは非常に重要です。
たとえば、事務的に処理されたり専門用語ばかりで話がわかりづらかったりすると、途中で相談しにくくなります。違和感を覚えたら、遠慮なく別の事務所を当たってみましょう。
無料相談を受けたら必ずそのまま依頼しなければならないというわけではなく、複数の弁護士に相談することは決して失礼ではありません。
不倫の慰謝料問題と弁護士費用に関するよくある質問
最後に、不倫の慰謝料問題と弁護士費用に関するよくある質問に回答します。
夫にバレずに不倫相手にだけ慰謝料を請求できますか?
弁護士に依頼すれば、配偶者に知られないよう十分に配慮しながら、不倫相手に対する慰謝料請求を進めることは可能です。弁護士には守秘義務があるため、郵送物を局留めにしたり、個人名ではなく法律事務所名義で連絡を取ったりするなど、配偶者に気付かれにくい方法で対応してもらえます。
もっとも、請求を受けた不倫相手が動揺し、配偶者に直接接触してくるなど、配偶者に知られてしまうリスクが完全になくなるわけではありません。また、本人が直接請求すると、相手が感情的になって自宅に押しかけるなど、かえって発覚のリスクが高まる場合もあります。
配偶者に知られずに慰謝料請求を進めたい場合は、弁護士に依頼し、口外禁止条項や接触禁止条項を盛り込んだ示談書を作成してもらうことで、発覚のリスクをできる限り抑えることが重要です。
相手が無職で収入がなくても、弁護士に依頼する価値はありますか?
あります。相手が現在無職でも、将来の就職を見越した分割払いの公正証書を作成したり、親族からの援助を求める交渉をしたりと、とれる対応はあるためです。
相手が本当に支払い能力がないか、正確に判断するのは、専門知識がなければ難しいのが現実です。相手が「資産がないから払えない」と言っていても、本当に資産がないかどうかはわかりません。
しかし弁護士が関与することで、支払いの確約を引き出しやすくなります。まずは無料相談にて、相手から回収できる見込みがあるかどうかを弁護士に判断してもらいましょう。
ダブル不倫で不倫相手に請求すると、逆に損をしませんか?
ダブル不倫の場合、金銭的なメリットは出にくいケースが多いのが実情です。不倫相手に慰謝料を請求すると、相手の配偶者からこちら側に慰謝料請求をされる可能性が高く、結果として支払う金額と受け取る金額が相殺されてしまうことが少なくありません。
もっとも、慰謝料請求の目的が必ずしも「お金」だけとは限りません。不倫関係をきちんと清算したい、今後一切会わせないようにしたい、といった目的がある場合には、弁護士に依頼する意義は十分にあります。
ダブル不倫は当事者や配偶者同士の利害関係が複雑になりやすく、対応を誤るとトラブルが拡大するおそれがあります。裁判に発展させず、できるだけ穏便に解決したい場合は、早い段階で専門家に相談することが現実的です。
探偵の調査費用を相手に支払わせることは可能ですか?
難しいケースが多いのが現実です。裁判において、探偵費用は自分都合の証拠集めの費用とみなされ、請求が認められないことのほうが多い傾向にあります。
認められやすいのは、相手が不倫を否定しており、探偵に依頼する以外に証拠をつかむ方法がなかったと認められるケースです。認められる場合でも全額ではなく、一部にとどまるケースがほとんどです。
なお、示談交渉の段階では、調査費用を慰謝料とは別に請求してもまず支払われることはありません。ただし、調査費用がかかっているという事実を慰謝料の増額交渉のカードとして使う余地はあるため、弁護士に相談してみるとよいでしょう。
二度と会わないことを約束させられますか?
示談の内容として、今後一切会わないことや連絡・接触をしないことを約束させることは可能です。実務上は、示談書に接触禁止条項や違約金条項(以下)を盛り込むことで、その約束に実効性を持たせる形が取られます。
| 接触禁止条項 | (例)今後一切面会・連絡・接触をしないものとする |
| 違約金条項 | (例)違反した場合は違約金〇〇万円を支払う |
このような取り決めをしておくことで、万が一約束が破られた場合にも、違約金請求の根拠とすることができます。もっとも、違約金の金額や条項の内容によっては、裁判上全てがそのまま認められるとは限りません。
不倫問題の示談では、慰謝料の支払いだけでなく、再発防止を目的として「二度と関係を持たない」「連絡を取らない」といった約束を明確にしておくことも重要です。将来の不安を減らすという点で、こうした条項には大きな意味があります。
ただし、自己流で作成した示談書では、条項の書き方が不十分で実効性が弱くなるおそれがあります。実際に機能する内容にするためには、弁護士に作成を依頼することが望ましいでしょう。
無料相談で契約を強いられることはありませんか?
相談内容に応じて依頼を勧められることはありますが、無理に契約を迫られることはありません。相手に契約を強要すれば、弁護士自身の信用を損なうことになります。
信頼できる弁護士は、費用倒れのリスクがある案件などではむしろ「依頼しないほうが良い」と率直に伝えてくれます。いい加減な見立てで依頼を受けてしまい費用倒れになったら、依頼人とトラブルになることを分かっているからです。
無料相談は、あくまでも自分の状況を弁護士に判断してもらう場です。相談したからといって依頼する義務はないため、納得できなければ断っても構いません。
さいごに|弁護士費用の相場を把握し、まずは無料相談でシミュレーションを
不倫の示談交渉にかかる弁護士費用の相場は、着手金20万〜30万円に成功報酬金、実費、日当が加わる形が一般的です。成功報酬金は、請求側なら獲得した額、減額側なら減額できた額の10〜20%程度が相場です。
弁護士に依頼するメリットは、お金の問題だけではありません。相手との直接交渉から解放され、精神的な消耗を抑えながら解決へと向かえます。
費用倒れが心配な方も、まずは無料相談を活用してみてください。慰謝料の見込み額や相手の支払い能力、費用倒れのリスクを弁護士に見立ててもらうことで、依頼すべきかどうかを判断しやすくなります。
手元にまとまった現金がない場合は、着手金無料の事務所や法テラスの利用という選択肢もあります。「費用が払えないから無理」とあきらめる前に、専門家に話を聞いてみてください。
