- 「酒気帯び運転とはどんな罪なの?酒酔い運転や飲酒運転と何が違うの?」
- 「酒気帯び運転はなぜ発覚するの?逮捕されたらその後の人生はどうなる?」
アルコールを摂取したうえで車を運転した場合の罪は厳罰化がすすんでいます。
酒気帯び運転だけでなく酒酔い運転という似た名称の罪もあり、その違いや法定刑などがわからないという方も多いでしょう。
もし酒気帯び運転で捕まったらどうなるか、不安に感じる方も少なくありません。
本記事では、酒気帯び運転とはどんな罪かや法定刑、酒気帯び運転と酒酔い運転・飲酒運転の違い、酒気帯び運転がなぜ発覚するか、酒気帯び運転で逮捕されたらその後の人生がどうなるか解説します。
本記事を読めば、酒気帯び運転に関する基本的な知識やリスクを正しく理解することが可能です。
そのうえで万が一酒気帯び運転で逮捕されてしまった場合に、適切な対応ができるようになります。
酒気帯び運転とは|身体内のアルコール濃度が一定以上の状態で運転すること
酒気帯び運転とは、身体内のアルコール濃度が一定以上の状態で車両を運転することです。
車両運転時に以下にあげる条件のアルコールが検出された際に、酒気帯び運転とみなされます。
- 血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上のアルコール
- 呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコール
アルコールをどのくらい摂取すれば、酒気帯び運転になる?
それでは実際にどのくらいのアルコールを摂取すれば、身体内のアルコール濃度が酒気帯び運転とみなされる数値以上になるのでしょうか。
結論からいうと、具体的にアルコールをどのくらい摂取すれば酒気帯び運転になるかは一概に言えません。
同量のアルコールを摂取しても、身体から抜けるまでの時間は人によって差があるうえに、当日の体調によってもかわるからです。
ただし一般的な目安がわかる計算式は存在します。
人の身体が1時間で分解できるアルコール量を求める計算式は以下のとおりです。
| 体重×0.1(g) |
たとえば体重75kgの方であれば、1時間で分解可能なアルコール量は75×0.1=7.5gとなります。
一方で、日本1合・ビール中瓶1本(500ml)に含まれるアルコール量は約20gです。
これらの内容をもとに、ひとつ計算例をみてみましょう。
たとえば体重75kgの方がビール中瓶2本を飲んだ場合に、身体内のアルコールが分解されるまでの時間は以下のように求められます。
| 20g×2÷7.5=約5.3時間 |
こういった計算を自分でするのが難しい場合、以下サイトを使えば簡単に計算結果がわかります。
なお、上記計算式やサイトで算出された結果もあくまで目安となるので参考にとどめてください。
飲酒をした当日や翌朝は車両の運転をしないなど、安全運転を心がけましょう。
酒気帯び運転の罰則|免許停止・免許取り消しのほか刑罰も受ける
酒気帯び運転で捕まると免許停止・免許取り消しの処分に加え、刑罰も受けることになります。
酒気帯び運転で捕まった場合、検挙時の体内アルコール数値によって、以下の行政処分が下されます(前歴なしの場合)。
- 呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満:違反点数13点、90日間の免許停止処分
- 呼気1リットル中のアルコール濃度0.25ミリグラム以上:違反点数25点、免許取り消し処分(欠格期間2年)
さらに刑事責任にも問われ、3年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金が科されることになります。
運転手だけでなく、周囲にも罰則がある
酒気帯びの状態で車両を運転した人物(運転手)だけではなく、以下のとおりその周囲にも罰則が科せられます。
- 同乗者(飲酒の事実を知りながら同乗した人):2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金刑
- 酒類提供者(飲酒後に運転すると知りながら酒類を提供した人):2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金刑
- 車両などの提供者(飲酒の事実を知りながら車両などを提供した人):3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑
相手が飲酒をしているのであれば、運転するのをとめる必要があります。
またその後に運転をする方に対してお酒を提供してはいけませんし、飲酒者に車両を提供してもいけません。
酒気帯び運転で交通事故を起こした場合、さらに重い罪や民事責任に問われる可能性がある
酒気帯び運転をした結果、交通事故を起こしてしまうと、さらに重い法的責任を問われる可能性があります。
たとえば、酒気帯びの状態で自動車を走行させて信号無視をした結果、横断歩道を歩いていた人を轢いてけがをさせてしまうと、酒気帯び運転の罪に加えて、自動車運転過失致傷罪(過失運転致傷罪)が成立します。
自動車運転過失致傷罪の法定刑は「7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金刑」です。
そのうえで、酒気帯び運転の罪と自動車運転過失致傷罪は併合罪の関係に立つことから、「10年6ヵ月以下の拘禁刑または150万円以下の罰金刑」の範囲で刑事罰が科されます。
交通事故を起こした場合には、被害者に対する賠償責任を負う点にも注意が必要です。
この場合、車両の修理費用、休業損害、治療費、入院費、慰謝料、逸失利益などの賠償責任を問われる可能性があります。
その結果、交通事故の被害状況次第では、数千万円・数億円以上に及ぶ賠償金を支払わなくてはならない可能性もありえるのです。
酒気帯び運転で交通事故を起こしたときに問われる可能性がある犯罪類型や法定刑、行政責任の内容については、以下の記事でも詳しく解説しているので、興味があれば参照ください。
【参照】道交法違反となる行為まとめ 点数や罰金・反則金についても解説
酒気帯び運転と酒酔い運転、飲酒運転の違い
酒気帯び運転と似た用語として、酒酔い運転、飲酒運転が挙げられます。
まず、酒酔い運転は、酒気帯び運転と同じようにアルコール摂取後に車両を運転する違法行為です。
酒気帯び運転の罪が体内のアルコール濃度が一定基準を超えたときに成立する犯罪類型であるのに対して、酒酔い運転の罪は具体的な数値基準が設けられているわけではなく、「アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがある状態」で車両などを運転したときに成立するとされています。
たとえば、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム未満であれば酒気帯び運転の罪で検挙されることはありません。
しかし、まっすぐ歩けない・ろれつが回っていないなどアルコールの影響で正常な運転ができない状態と判断されると、体内のアルコール濃度が低かったとしても酒酔い運転の罪が適用されるのです。
酒気帯び運転に比べ、酒酔い運転の処罰は以下のとおり重くなります。
| 酒気帯び運転 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 酒酔い運転 | 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 酒気帯び運転 | 呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満:違反点数13点、90日間の免許停止処分 呼気1リットル中のアルコール濃度0.25ミリグラム以上:違反点数25点、免許取り消し処分(欠格期間2年) |
| 酒酔い運転 | 違反点数35点、免許取り消し処分(欠格期間3年) |
最後に飲酒運転とは、アルコールの影響により判断力などが低下した状態で運転することの総称です。
酒気帯び運転と酒酔い運転は、いずれも飲酒運転の一種と考えられます。
酒気帯び運転(飲酒運転)はなぜ厳しく取り締まられる?|社会的背景
飲酒運転に対する法規制は年々厳しくなっています。
まず、飲酒運転(酒酔い運転、酒気帯び運転)が道路交通法違反の犯罪と位置付けられたのは1970年です。
1970年以前は、飲酒運転をしても刑事罰や行政処分が科されることはありませんでした。
| 法定刑 | 違反点数 | |
| 酒酔い運転 | 2年以下の懲役刑または10万円以下の罰金刑 | 15点 |
| 酒気帯び運転(呼気1リットル中のアルコール濃度0.25ミリグラム以上) | 3ヵ月以下の懲役刑または5万円以下の罰金刑 | 6点 |
その後、悪質な飲酒運転事故が増加したことをふまえ2002年の道路交通法改正で、後述する表のとおり飲酒運転が厳罰化されます。
なかでも大きなきっかけとなったのは、1999年に発生した東名高速飲酒運転事故です。
この事故では飲酒運転の大型トラックが乗用車に突っ込んで炎上し、後部座席にいた子ども2人が亡くなっています。
現場に居合わせた人が撮影した映像には、ろれつが回らない運転手と、乗用車から抜け出し助けを求めて叫ぶ母親の姿が映っていました。
この映像が、飲酒運転による交通事故の悲惨さを世間に知らしめたのはいうまでもありません。
| 法定刑 | 違反点数 | |
| 酒酔い運転 | 3年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑 | 25点 |
| 酒気帯び運転(呼気1リットル中のアルコール濃度0.25ミリグラム以上) | 1年以下の懲役刑または30万円以下の罰金刑 | 13点 |
| 酒気帯び運転(呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満) | 1年以下の懲役刑または30万円以下の罰金刑 | 6点 |
さらに、2006年に起きた福岡・海の中道大橋飲酒運転事故などがきっかけとなり、2007年、2009年、順次飲酒運転の法定刑及び行政処分の内容が厳罰化されたり、運転手の周辺者に対する罰則が新設されたりすることで、現在の法規制の内容に至っています。
酒気帯び運転(飲酒運転)はなぜ発覚する?主なケース4つ
酒気帯び運転が検挙されるきっかけについて解説します。
パトロール中の警察官から怪しまれ職務質問を受けた
警察官がパトロール中に怪しい車両をみつけると、職務質問をおこないます。
運転手の様子から飲酒が疑われる場合は、呼気アルコール検査がおこなわれ飲酒運転が発覚するのです。
飲酒検問にひっかかった
飲酒運転が原因の交通事故を予防する目的で、警察官が飲酒検問(自動車検問)を実施している場合があります。
ここで呼気アルコール検査がおこなわれ、飲酒運転が発覚することもあるのです。
酒気帯び運転で交通事故を起こし、現行犯で捕まった
交通事故が起きると、110番通報を受けてかけつけた警察官から、事故現場で話を聞かれます。
その際に、運転手が飲酒をしていた疑いが生じると、呼気アルコール検査がおこなわれ飲酒運転が発覚するのです。
可能性は低いが、後日逮捕されて発覚するケースもある
飲酒運転が発覚するのは、ほとんどが現行犯の場合と考えられます。
時間が経過すると体内のアルコールが分解され証拠がなくなるためです。
しかし可能性は低いものの、後日逮捕され飲酒運転が発覚するケースもないわけではありません。
たとえばひき逃げ・当て逃げの事故では、捜査の過程で警察が運転手の飲酒を疑うケースもあります。
その結果、現行犯でなくても飲酒運転で後日逮捕されるケースもありえるのです。
後日逮捕され飲酒運転が発覚すると、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪に問われる可能性があります。
これはアルコールや薬物などの影響で死傷事故を起こした場合に、アルコールなどの影響が発覚することを免れようとした場合の罪です。
本罪の法定刑は、12年以下の拘禁刑になります。
(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱)
第四条 アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、十二年以下の拘禁刑に処する。
引用元:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律|e-Gov法令検索
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪は、飲酒運転の「逃げ得」を防ぐために新設されたものです。
飲酒運転で事故を起こしても、発覚が遅れれば飲酒の証明はし辛くなります。
そのため罪を軽くする目的で、飲酒運転の事故後に現場から逃げるケースもあったのです。
本罪が適用され罪が重くなるのを避けるためにも、飲酒運転による事故を起こしたらすぐに警察に知らせるべきと言えます。
酒気帯び運転(飲酒運転)で逮捕されてしまった場合の流れ
酒気帯び運転で逮捕されたときの刑事手続きの流れについて解説します。
1.【最大23日間】逮捕~起訴・不起訴の決定
飲酒運転で逮捕されるとまず警察にて取り調べがおこなわれ、48時間以内に検察へ送検するか釈放するか判断されます。
検察へ送検された場合、検察官が24時間以内に勾留(被疑者の身柄を拘束すること)請求をするか決定するのです。
勾留が請求された場合、最大20日間は刑事施設に身柄を拘束されることになります。
勾留中は検察による取り調べがおこなわれ、そこで起訴・不起訴が決定されるわけです。
逮捕から起訴・不起訴の決定にかかる期間は、最大23日間となります。
2.略式請求もしくは公判請求(刑事裁判)
検察が起訴する場合は、書類による手続きのみで処罰が決定される略式請求と、裁判で刑罰を決定する公判請求のいずれかが選択されます。
酒気帯び運転の初犯で被害が生じなかった場合は、略式請求が選ばれることが多いでしょう。
酒気帯び運転で略式請求となった場合は、拘禁刑は免れ罰金刑を受けることになります。
一方で初犯でない場合や交通事故などの被害が発生している場合は、公判請求が選ばれる可能性が高いです。
3.判決が下される
検察が公判請求を選ぶと刑事裁判がおこなわれ、そこで判決が下されることになります。
刑事裁判では執行猶予付きの判決になる場合もありますが一概には言えません。
処罰の内容は個別の事情によって大きくかわります。
酒気帯び運転(飲酒運転)で逮捕されるとどうなる?その後の人生は?
酒気帯び運転で逮捕されたときに生じるデメリットについて解説します。
実名で報道されてしまうケースもある
酒気帯び運転で逮捕されると、テレビや新聞、インターネットニュースなどで実名報道をされる可能性があります。
特に、飲酒運転は世間の関心が高いトピックなので、実名報道のリスクが高いといえるでしょう。
実名報道をされた場合は、インターネット上にその情報が掲載され続け消されない可能性があります。
その結果、酒気帯び運転で逮捕されたことが周囲にバレやすくなってしまうのです。
退学や懲戒解雇などの処分を受ける可能性がある
酒気帯び運転で逮捕された被疑者が学生の場合、学校にバレると、何かしらの処分を下される可能性が高いです。
たとえば、停学や出席停止、訓告、場合によっては退学などの厳しい処分を受けることがあります。
進学、資格取得、就職などにも支障が生じかねません。
また、被疑者が会社員で会社にバレた場合、懲戒解雇などの処分を受ける可能性もあります。
実際にどのような処分が下されるかは、就業規則の懲戒規定次第です。
長期的に身柄を拘束される可能性がある
酒気帯び運転で逮捕されると、検察が起訴・不起訴の判断をするまで最大23日間も身柄を拘束される可能性があります。
身柄拘束の期間が長くなるほど、勤務先や会社に逮捕の事実がバレてしまう可能性も高くなるのです。
また日常生活から離れる期間が長くなるほど心身の負担も大きくなるうえに、日常生活に戻ったときの影響も大きいでしょう。
当然ですが勾留中は、学校や会社へ行くこともできません。
重い刑罰を受ける可能性もある
酒気帯び運転の罪の法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑と定められているので、有罪になると、実刑判決が下される可能性があります。
「少しお酒を飲んだだけなら大丈夫だろう」という安易な判断で飲酒運転をすると、厳しい刑事処罰が下されて社会復帰が困難になりかねないでしょう。
前科がつき、生活にさまざまな支障が生じる
酒気帯び運転の罪で有罪になると、刑事罰を科されるだけではなく、前科がつく点に注意が必要です。
前科とは、有罪判決を受けた経歴を意味します。
実刑判決だけではなく、罰金刑や執行猶予付き判決が下された場合にも前科がつくのです。
前科がつくと、今後の社会生活に以下のようなデメリットが生じます。
- 就職や転職が不利になる可能性がある
- 裁判で離婚が認められる事由とされる可能性がある
- ビザやパスポートが発給できず海外へ行けない可能性がある
- 再犯した際に、刑事処分が重くなる可能性がある
前科がつくことのデメリットについては、以下記事で詳しく解説しているので興味があれば参照ください。
【関連記事】前科がつくデメリット8つ|前科をつけないためにできること
高額な賠償金に悩まされる場合もある
酒気帯び運転が原因で交通事故を起こした場合には、高額の損害賠償責任を追及される可能性があります。
たとえば、被害者が死亡したり重篤な後遺障害がのこったりすると、高額の慰謝料・逸失利益の負担を強いられかねません。
その結果、数千万円・数億円にも及ぶ高額な賠償金を支払い続けなくてはならなくなる可能性があります。
交通事故によって発生した賠償金は、自己破産をしても免除されることはありません。
家族が離れ離れになることもある
酒気帯び運転の罪で逮捕されると、家族がバラバラになることがあります。
たとえば、実名報道をされたせいでSNSで個人情報が拡散されて、自宅にいろいろな嫌がらせをされることもあるでしょう。
また高額の賠償金が原因で、家族の経済状態が悪化することも考えられます。
加害者本人がこういったリスクを避け家族に迷惑をかけないようにするため、離婚を選ぶケースも少なくありません。
自分自身や家族にとって、精神的に大きな負担となる場合もある
飲酒運転で重大な事故を起こしてしまった場合、本人はもちろん家族の精神的なショックもはかりしれません。
飲酒運転によって相手を死なせてしまうなど大きな被害が発生した場合は、周囲から苛烈な嫌がらせを受ける可能性もあります。
その結果、精神的なショックが大きく自殺を選んでしまうケースも少なくないのです。
酒気帯び運転(飲酒運転)で逮捕されたらどうするべき?
酒気帯び運転で逮捕されたときの対処法について解説します。
速やかに弁護士に相談・依頼する
酒気帯び運転の罪で逮捕されたときには、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼してください。
刑事事件を得意とする弁護士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 取り調べにどう対処すべきかアドバイスしてもらえる
- 被害者との示談交渉をすすめてもらえる
- 早期釈放が期待できる
- 学校や会社にバレる前に事件の解決をはかれる可能性が高まる
- 不起訴処分の獲得や減刑を実現しやすくなる など
学校や会社への対応を考える
逮捕された場合は身柄拘束が長期間続く可能性があるので、学校や会社への対応を考える必要があります。
飲酒運転で逮捕された事実は、校則や就業規則などでルールがない限り必ずしも学校や会社へ報告しなければならないわけではありません。
ただし学校や会社を休むことになるので、何らかの連絡は必要になるでしょう。
なお逮捕された場合、原則72時間以内は家族と会うことはできませんし、自分で学校や会社に連絡することもできません。
一方で弁護士であれば、逮捕直後から被疑者と接見することが可能です。
できるだけ早く学校や会社へ適切な連絡をするためには、速やかに弁護士へ相談・依頼することが推奨されます。
被害者と示談交渉をすすめる
酒気帯び運転をした結果、交通事故を起こした場合には、できるだけ早いタイミングで被害者との間で示談交渉を進めるのが重要です。
被害者との間で示談がまとまれば、自動車運転過失致傷罪などの容疑で逮捕されても、不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。
なお被害者は加害者に連絡先を教えるのを拒否するケースがほとんどです。
示談交渉を迅速にすすめるには、弁護士への依頼が欠かせません。
酒気帯び運転についてよくある質問
さいごに、酒気帯び運転についてよく寄せられる質問をQ&A形式で紹介します。
酒気帯び運転の罰則は初犯でも重い?罰金なら相場はどのくらい?
酒気帯び運転の罪で刑事訴追されると、初犯でも起訴されて刑事罰が科される可能性があります。
ただし初犯でなおかつ酒気帯び運転による大きな被害が発生していないなら、いきなり実刑判決となる可能性は低いです。
酒気帯び運転の初犯であれば、略式起訴で20万円~30万円程度の罰金刑となるケースが多くなっています。
酒気帯び運転で、後日警察から呼び出しを受けるケースは考えられる?
酒気帯び運転の罪で刑事訴追されるのは現行犯逮捕が一般的です。
ただし、防犯カメラの映像に酩酊状態で自動車などを運転している様子が映し出されていたり、居酒屋から通報を受けたりすると、後日警察から出頭要請を受ける可能性があります。
「酒気帯び運転は現行犯逮捕しかあり得ない」というのは間違いです。
後日逮捕状が請求されるケースも想定される以上、「バレなければ大丈夫」という考えで飲酒運転をするのは厳禁です。
酒気帯び運転(飲酒運転)で交通事故を起こしても、保険は支払われる?
酒気帯び運転で交通事故を起こした場合、自分がけがをしたり自分の車が破損したりしても保険金は支払われません。
自動車保険において酒気帯び運転は、補償の対象外となる免責事項のひとつに含まれるためです。
一方で事故の被害者に対する補償に関しては、自分の自動車保険から保険金が支払われます。
また自動車保険のうち以下3つは、同乗者の被害を補償するために利用することは可能です。
- 人身傷害補償保険
- 搭乗者傷害保険
- 無保険車傷害保険
自分の自動車保険でどのような補償が受けられるかわからない場合は、契約内容を見直し不明点があれば保険会社へ問い合わせましょう。
さいごに|酒気帯び運転で捕まったら、弁護士に相談を!
酒気帯び運転とは、身体内のアルコール濃度が一定以上であるにもかかわらず車両を運転した場合の罪です。
酒気帯び運転で捕まった場合は、免許停止・取消しといった処分のほか拘禁刑・罰金といった刑罰を受ける可能性があります。
また酒気帯び運転で交通事故を起こし、相手を死傷させた場合は重い刑罰を受ける可能性も否定できません。
酒気帯び運転で逮捕された場合に、できるだけスムーズに問題を解決するには弁護士のサポートが必要不可欠です。
弁護士に依頼すれば、警察との交渉や被害者との示談交渉などによって、加害者のリスクをできる限り軽減してもらえます。
酒気帯び運転での逮捕やそのリスクが不安であれば、一刻も早く弁護士に相談しましょう。
