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不倫と浮気の3つの違いと慰謝料請求できる不貞行為の定義を解説

監修者
加藤 惇
弁護士
不倫と浮気の3つの違いと慰謝料請求できる不貞行為の定義を解説
目次
  1. 不倫・浮気の定義とは?
  2. 不倫と浮気の違い3つ
    1. 当事者の一方または双方が既婚かどうか
    2. 一時的な気の迷いか、継続的な付き合いか
    3. 体の関係があるかどうか
  3. 不倫や浮気と法律上の不貞行為の判断基準
  4. 不倫や浮気に基づく慰謝料請求は婚姻関係の存在が前提
    1. 慰謝料請求できるのは原則として既婚者のみ
    2. 婚約・内縁関係の場合も保護の対象となる
    3. 既婚者が慰謝料を請求できる2つの理由
  5. 不倫・浮気の慰謝料請求の対象となる不貞行為とは
  6. 不倫・浮気で慰謝料を請求できるのはどんなとき?
    1. 慰謝料請求が認められるケース
    2. 慰謝料請求が認められないケース
    3. 請求はできるが注意が必要なケース
  7. 不倫・浮気のきっかけは男女で異なる?
    1. 男性が不倫・浮気をするきっかけ
    2. 女性が不倫・浮気をするきっかけ
  8. 不倫・浮気をしているときに見られる主なサイン
  9. 不倫・浮気が発覚したときにとるべき行動とNG言動
    1. 不倫・浮気が発覚したときにとるべき行動
    2. 不倫・浮気が発覚したときに避けるべき言動
  10. 不倫・浮気の慰謝料は離婚の有無で相場が異なる
    1. 離婚した場合の方が金額が高くなる傾向がある
  11. 不倫・浮気の慰謝料と離婚慰謝料の違い
  12. 不倫・浮気の慰謝料を請求する流れ
    1. 1.不貞行為の証拠を集める
    2. 2.内容証明郵便等により慰謝料を請求する
    3. 3.示談交渉を行う
    4. 4.交渉が決裂したら調停または裁判(訴訟)を起こす
  13. 不倫・浮気の慰謝料請求は自分でできる?
  14. 不倫・浮気の問題を弁護士に依頼するメリット
  15. 不倫・浮気にお悩みなら「ベンナビ不倫慰謝料」
  16. 不倫・浮気に関するよくある質問
    1. 不倫・浮気をやめさせる方法はありますか?
    2. 同性カップルでも浮気・不倫の慰謝料は請求できますか?
    3. 不倫・浮気の慰謝料請求に時効はありますか?
  17. まとめ|不倫・浮気で悩んだら弁護士に相談を

不倫と浮気は、どちらもパートナー以外との関係を指す言葉ですが、実は法律用語ではありません

法律で問題となるのは不貞行為ですが、不倫や浮気がすべて法的責任につながるとは限りません。

では、具体的にどのような行為が慰謝料請求や離婚の対象となるのでしょうか。

本記事では、不倫と浮気の違いから、不貞行為の判断基準、慰謝料請求の条件、発覚後にとるべき行動まで網羅的に解説します。

パートナーの行動に不安を感じている方、今後の対応を検討したい方は、ぜひ参考にしてください。

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不倫・浮気の定義とは?

不倫と浮気は、法律用語ではなく、明確な定義はありません。

しかし、一般的な使われ方として、両者には違いがあると考えられているでしょう。

浮気は、既婚・未婚を問わず、パートナー以外の人に好意を抱いたり、交際したりする場合を指します。

ただし、どこからを浮気と捉えるかは個々の価値観により異なります。

単なる食事でも浮気と感じる人もいれば、肉体関係がなければセーフと考える人もいるでしょう。

そのため、どこからが浮気かという線引きは一律には定義できません。

不倫は、既婚者が配偶者以外の相手と親密な交際関係を築くことを意味します。

社会的・倫理的に非難される男女関係を指す言葉として用いられるのが多いでしょう。

不倫と浮気の違い3つ

不倫と浮気の違いは、主に以下の3つの視点で整理できます。

当事者の一方または双方が既婚かどうか

当事者の一方または双方が既婚かどうかが、不倫と浮気を区別するポイントの一つです。

不倫は、一般的に配偶者以外の人と親密な関係を持つケースを指すでしょう。

少なくとも当事者の一方が既婚者であるのが前提です。

一方、浮気は独身者同士の交際でも使われます

恋人がいる状態で別の異性と親しくなったケースでも、浮気と表現される場合があるでしょう。

たとえば、交際中の彼氏が別の女性と食事に行っただけで、浮気と捉える方も一定数います。

不倫と浮気の違いの一つは、当事者の婚姻関係の有無です。

一時的な気の迷いか、継続的な付き合いか

関係が一時的なものか、継続的なものかも違いの一つです。

浮気は、一時の気の迷いも含む広い意味で使われます。

好意を持つ、手をつなぐ、デートをしただけといったケースでも、浮気と捉えられる場合があるでしょう。

一方、不倫は継続的な関係を指す傾向があります。

その場限りの関係ではなく、一定期間にわたって交際を続けている状態を不倫と呼ぶのが一般的です。

たとえば、一度だけ元カノと食事に行った場合、浮気とは言われるかもしれません。

しかし、不倫とは表現されにくいでしょう。

関係の深さや継続性が、両者のニュアンスを分ける要素の一つです。

体の関係があるかどうか

肉体関係の有無も、不倫と浮気を区別するポイントです。

不倫は、当事者間に肉体関係があることを前提としている場合が多いです。

一方、浮気はより広い意味で用いられます

LINEでの親密なやり取りや、二人きりでの食事・ドライブなど、肉体関係がない場合でも浮気と捉える人も珍しくありません。

不倫や浮気と法律上の不貞行為の判断基準

不倫や浮気と法律上の不貞行為の判断基準

法律上の不貞行為に該当するかどうかは、主に以下の3つの基準で判断されます。

  • 当事者の一方または双方に婚姻関係がある
  • 配偶者以外の人と肉体関係を持った
  • 自由な意思で肉体関係に至った

関係が一時的か継続的かは問われません。

最高裁判所は、不貞行為を「配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」と定義しています。

二人きりの食事やデート、メールのやり取りだけでは、原則として不貞行為には該当しません。

他人から強制されて肉体関係を持った場合も、不貞行為にはあたりません。

不倫や浮気に基づく慰謝料請求は婚姻関係の存在が前提

不倫・浮気に基づく慰謝料請求は、婚姻関係の存在が前提です。

未婚のカップルでは、たとえパートナー以外の人と肉体関係を持ったとしても、原則として慰謝料請求はできません。

慰謝料請求できるのは原則として既婚者のみ

不貞行為に基づく慰謝料請求が認められるのは、原則として婚姻関係がある場合のみです。

慰謝料請求は、不法行為に基づく損害賠償を根拠としています。

不法行為が成立するためには、あなたの権利または法律上保護される利益が侵害されたことが必要です。

婚姻関係にある夫婦には、平穏な婚姻生活の維持という法律上保護された利益があります。

他方、婚姻関係にない恋人同士には、法律上の権利や保護される利益がないため、不法行為としての権利侵害は生じません。

そのため、交際相手が浮気をしても、原則として慰謝料は請求できません。

婚約・内縁関係の場合も保護の対象となる

婚約・内縁関係にある場合は、慰謝料請求が認められる可能性があります。

婚約や内縁関係は、婚姻に準ずる関係として法的に保護されるためです。

たとえば、婚約中に相手が浮気をした場合、婚約の不当破棄を理由に慰謝料を請求できる可能性があります。

婚姻届を出していなくても、事実上夫婦同然の生活を送っている内縁関係も同様です。

ただし、慰謝料請求が認められるには、婚約の成立や内縁関係の存在を証明しなければなりません。

【関連記事】内縁関係でも慰謝料は請求できる!慰謝料の相場や請求方法も解説

既婚者が慰謝料を請求できる2つの理由

既婚者が不貞行為の慰謝料を請求できる理由は、大きく2つあります。

第一に、夫婦には貞操義務がある点、第二に、不貞行為は不貞をした2人の共同不法行為である点です。

以下では、それぞれの理由について詳しく解説します。

夫婦には貞操義務がある

夫婦は、互いに配偶者以外の者と肉体関係を持たないという貞操義務を負っています。

民法には、夫婦間の貞操義務を直接定めた条文はありません。

しかし、一夫一婦制・婚姻制度の本質的な義務として、相互に貞操を守る義務があると考えられています。

また、不貞行為は法定離婚事由の一つです。

婚姻関係破綻の原因として、法律が認めているため、違法な行為であることは明白です。

したがって、不貞をされた配偶者は、貞操義務に違反して不貞をした配偶者に対し、慰謝料を請求できます。

不貞行為は共同不法行為である

不貞行為は、不貞をした2人の共同不法行為です。

不貞行為は、当然ながら一人ではできません。

必ず肉体関係を持った相手が存在します。

そして、不貞行為は通常、お互いの同意のもとに行われるでしょう。

交際相手が既婚者だと知っていれば、肉体関係に及べば、他方配偶者が傷つくのは容易に想定できるでしょう。

不貞行為によって夫婦間の信頼関係が損なわれ、結婚生活が破壊される結果が生じた場合、その責任は両当事者が負うのが当然です。

したがって、不貞をされた配偶者は、不貞相手にも慰謝料を請求できます。

不倫・浮気の慰謝料請求の対象となる不貞行為とは

慰謝料請求の対象となる不貞行為とは、基本的に性交または性交類似行為を指します。

性交とは、性器の挿入を伴う性交渉です。

性交類似行為とは、手淫、口淫(オーラルセックス)、肛門性交などです。

キスやハグなどのスキンシップは、法律上の不貞行為には当たりません。

ただし、以下のような状況が認められる場合は、不貞行為の存在を推認させるものとして、慰謝料請求が認められる可能性があります。

  • ラブホテル街や不倫相手の自宅付近で、キスやハグを繰り返している
  • 裸や下着姿で抱き合っている

なお、慰謝料請求原因である不法行為としての不貞行為には、肉体関係の存在は必須ではありません。

常識的に考えて既婚者との交際として度が過ぎていれば、肉体関係がなくても慰謝料請求が認められる可能性があります。

【関連記事】プラトニック不倫で離婚や慰謝料請求は可能?| 離婚する流れやポイントも解説

不倫・浮気で慰謝料を請求できるのはどんなとき?

不貞行為による慰謝料請求は、すべてのケースで認められるわけではありません。

本章では、慰謝料請求が認められる典型的なケース、認められないケース、請求は可能でも注意が必要なケースを紹介します。

慰謝料請求が認められるケース

不貞行為による慰謝料請求が認められるのは、以下の要件を満たす場合です。

  1. 不貞行為の時点で婚姻関係があった
  2. 配偶者と不貞相手が自由な意思で肉体関係を結んだ
  3. 不貞行為によって婚姻関係が破綻した
  4. 不倫相手があなたの配偶者が既婚と知っていた、または知る余地があった

不貞行為の時点であなたと配偶者が婚姻関係にあれば、請求時に離婚していても問題ありません。

肉体関係がなくても、同棲や執拗な離婚要求など社会的に逸脱した行為により平穏な婚姻生活を侵害されたら、請求が認められる可能性があります。

不貞相手が、あなたの配偶者が既婚と知らなった場合でも、気づける状況にあれば慰謝料請求が認められる可能性があります。

例えば、配偶者が結婚指輪をしていたり、デートが常に不倫相手の自宅かラブホテルだった場合などです。

【関連記事】不倫の慰謝料請求できる条件は?請求方法や慰謝料相場を詳しく解説

慰謝料請求が認められないケース

以下のような場合は、慰謝料請求は認められません

  • 不貞行為が始まる前から夫婦関係が破綻していた
  • 不貞相手が、あなたの配偶者が既婚だと落ち度なく知らなかった
  • 配偶者が不貞相手に肉体関係を強要した
  • 慰謝料請求権の時効期間が経過している

不貞前から夫婦双方の合意のもと離婚に向けた協議を進めていた場合や、別居が長期化していた場合は、慰謝料請求は認められません。

不貞行為によって侵害される利益がないためです。

不倫相手が、あなたの配偶者が既婚だと落ち度なく知らなかった場合も、慰謝料請求は認められません。

たとえば、婚約指輪を贈ったり、結婚式場を予約したりするなど、配偶者が巧妙に独身者を装った場合などです。

時効期間経過後は、請求された側が時効を理由に慰謝料の支払いを拒否(時効の援用)すれば、裁判でも請求が棄却されます。

請求はできるが注意が必要なケース

慰謝料請求は可能でも、リスクを伴うケースがあります。

特に以下の2つの状況では、慎重な検討が必要です。

  • 不貞相手が既婚者の場合
  • あなた自身にも不貞行為がある場合

ダブル不倫特有の注意点

いわゆるダブル不倫のケースでは、慰謝料請求をきっかけに、相手の配偶者にも不貞の事実が発覚するおそれがあります。

相手の配偶者があなたの配偶者に、慰謝料を請求してくるかもしれません。

離婚するなら、配偶者がお金を支払っても、あなた自身に経済的な損失はないでしょう。

しかし、夫婦関係を続ける場合は、お金は実質的に家計(夫婦の財布)から出ていきます。

事情によっては、あなたが受け取る金額よりも、配偶者が支払う金額のほうが大きくなる場合もあるでしょう。

あなたにも不貞の事実がある場合

あなたにも不貞の事実があり、配偶者に判明している状況では、請求が認められない、認められても減額される可能性が高まります。

時間と労力をかけても、得られるものが少ない結果に終わるかもしれません。

不倫・浮気のきっかけは男女で異なる?

不倫や浮気のきっかけは人それぞれですが、一般的に男女で傾向が異なると言われています。

傾向を知れば、パートナーの行動の背景を理解する一つの視点にはなるでしょう。

本章では、男女別の不倫・浮気をするきっかけを紹介します。

男性が不倫・浮気をするきっかけ

男性が浮気・不倫に走るきっかけの具体例は、以下のとおりです。

  • 特定の女性と付き合い、安心感を得た
  • 新しい職場で出会った女性がいる
  • 元交際相手から連絡がきた
  • 同窓会で昔好きだった人に再会した
  • 配偶者や恋人が急に太りだした
  • 配偶者や恋人が痩せる努力をしていない
  • 配偶者や恋人がわがままで話を聞いてくれない
  • 配偶者や恋人がセックスを拒むようになった
  • 仕事が忙しいのに配偶者や恋人が理解してくれない
  • 配偶者や恋人の話に合わせるのが負担になっている

生物学的観点から、男性には多くの子孫を残そうとする本能があるとされています。

本能的な傾向が強い男性の場合、配偶者や恋人に不満がなくても不倫や浮気をするケースもあるでしょう。

一方、本能的な傾向がそこまで強くない男性の場合は、環境の変化やパートナーへの不満など、明確なきっかけが存在するケースがほとんどです。

女性が不倫・浮気をするきっかけ

女性が浮気・不倫に走るきっかけの具体例は、以下のとおりです。

  • 恋人となかなか会えず、寂しさを感じた
  • 以前より配偶者や恋人が構ってくれなくなった
  • 浮気相手から迫られると拒めない
  • 女性としての魅力を確認したかった
  • 配偶者や恋人とのセックスに不満がある、またはマンネリ化している
  • 現在の恋人より魅力的な人が現れた
  • 浮気をした配偶者や恋人への腹いせ

女性の場合、「共感してほしい」「大切にされたい」という心の渇きを癒やしてくれる存在を求め、浮気や不倫に走る傾向があるでしょう。

不倫・浮気をしているときに見られる主なサイン

配偶者の行動に以下のような変化が複数当てはまる場合、不倫や浮気のサインかもしれません。

不倫・浮気をしているときに見られる主なサイン

ただし、サインが当てはまるからといって、必ず不倫・浮気をしているとは限りません。

早合点して相手を問い詰める前に、まずは冷静に状況を観察しましょう。

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不倫・浮気が発覚したときにとるべき行動とNG言動

感情任せの行動は、慰謝料請求で不利になるリスクがあります。

得られるはずだった権利を失うおそれもあるでしょう。

不倫・浮気の発覚後にとるべき行動と、避けるべき行動を把握してください。

不倫・浮気が発覚したときにとるべき行動

不倫が発覚したとき、まず優先すべきは証拠の確保です。

相手を問い詰めるのは、証拠を押さえてからにしましょう。

相手が警戒心を強めると、証拠となるLINEやメールを削除されたり、不倫相手と口裏を合わせられたりするおそれがあります。

証拠を確保したら、今後どうしたいのか、自分の気持ちと向き合う時間を取りましょう。

夫婦関係を修復したいのか、それとも離婚したいのか、方向性によって取るべき対応は異なります。

一人で抱え込まず、早い段階で専門家に相談するのがおすすめです。

弁護士であれば、慰謝料請求の見通しや離婚手続きの流れ、証拠の集め方などについて、法的なアドバイスを受けられます。

話を聞いてもらうだけでも、気持ちの整理につながるでしょう。

不倫・浮気が発覚したときに避けるべき言動

以下のような行動は、法的なトラブルに発展する可能性があるため、避けるべきです。

  • 不倫相手の自宅や職場に押しかける
  • SNSで不倫の事実を暴露する
  • パートナーや不倫相手に暴力を振るう、暴言を吐く
  • 相手の持ち物に無断でGPSを仕込む

不倫相手の職場に乗り込んだり、SNSで実名を晒したりする行為は、名誉毀損にあたる可能性があります。

被害者であるはずの自分が、逆に訴えられる立場になりかねません。

違法な手段での証拠収集も禁物です。

配偶者のスマホに無断で監視アプリをインストールしたり、相手名義の車にGPSを仕込んだりする行為は、プライバシーの侵害にあたります。

また、配偶者のID・パスワードを用いて、他の媒体からSNSにログインする行為は、不正アクセス禁止法に抵触するおそれもあります。

不倫・浮気の慰謝料は離婚の有無で相場が異なる

不貞慰謝料の相場は、夫婦が離婚するかしないかで異なります。

離婚の有無 慰謝料の相場
離婚する場合 100万〜300万円程度
離婚しない場合 50万〜100万円程度

ただし、実際の金額は個別の事情によって変動します。

ご自身のケースでいくら請求できるかは、弁護士に相談して見通しを立てるのがおすすめです。

離婚した場合の方が金額が高くなる傾向がある

離婚に至った場合、婚姻関係が継続する場合に比べて高額になる傾向があります。

不貞行為によって婚姻生活という基盤そのものが失われたと評価されるためです。

慰謝料の金額は、以下のような事情を総合的に考慮して算定されます。

  • 婚姻期間の長さ
  • 不倫の期間や頻度
  • 未成年の子どもの有無
  • 不貞行為による妊娠の有無
  • 被害者の精神的苦痛の程度

たとえば、婚姻期間が10年以上で、幼い子どもがいるにもかかわらず長期間不倫を続けていた場合は、高額になる傾向があります。

逆に、婚姻期間が短く、不倫の期間も短い場合は、相場より低くなる可能性もあるでしょう。

【関連記事】浮気で離婚する場合の慰謝料相場は?高額になる15の要因や請求の条件も徹底解説

不倫・浮気の慰謝料と離婚慰謝料の違い

不貞慰謝料は、不貞行為により生じた精神的苦痛に対する賠償です。

一方、離婚慰謝料は、以下の2つの性質を含むと考えられています。

  • 個々の有責行為により生じた精神的苦痛に対する損害の賠償
  • 離婚により配偶者の地位を失うことから生じる精神的苦痛に対する損害の賠償

不貞行為以外にも、DVやモラハラなど別の離婚原因がある場合は、それらもまとめて離婚慰謝料として請求できます。

両者の主な違いは、請求できる相手が異なる点です。

慰謝料の種類 請求できる相手
不倫の慰謝料 配偶者・不倫相手の両方
離婚慰謝料 配偶者のみ

不倫の慰謝料は、配偶者だけでなく不倫相手にも請求できます。

一方、離婚慰謝料は配偶者にしか請求できません。

離婚に追い込まれた責任は、あくまで配偶者にあると考えられているためです。

不倫・浮気の慰謝料を請求する流れ

慰謝料請求は、証拠収集→交渉→調停または裁判という段階を踏んで進めるのが一般的です。

1.不貞行為の証拠を集める

交渉や裁判を有利に進めるためには、不貞行為の存在を客観的に証明できる証拠が不可欠です。

有効な証拠として、以下のものが挙げられます。

  • ラブホテルに出入りする写真や動画
  • 肉体関係の存在を示すLINEやメール
  • 宿泊を伴う2人きりでの旅行を示す写真や動画
  • 不貞を認める発言の録音データ
  • 探偵の調査報告書

二人きりで食事している写真だけでは証拠として弱いです。

「好き」「愛している」といった恋愛感情を示すやり取りも、肉体関係を直接示すものではないため、単独では不十分でしょう。

ただし、複数の証拠を組み合わせると、不貞行為を立証できる場合もあります。

手元の証拠で不貞行為を証明できるかどうかは、弁護士に相談して判断してもらいましょう。

なお、不貞相手が、あなたの配偶者が既婚と認識している証拠も併せて確保しておくと、よりスムーズです。

2.内容証明郵便等により慰謝料を請求する

話し合いの前に、書面で慰謝料を請求する意思を明確に伝えるのが効果的です。

内容証明郵便とは、誰が・いつ・どのような内容の文書を送ったかを日本郵便株式会社が証明するサービスです。

内容証明郵便自体に法的な強制力はありません。

ただし、以下のような効果が期待できます。

  • 時効の完成を一時的に猶予させる効果がある
  • 相手に本気度を示せる
  • 後の裁判で請求の証拠として活用できる

内容証明郵便には、請求の根拠となる不貞行為の事実を簡潔に記載し、慰謝料の金額・支払期限・振込先などを明記します。

弁護士に依頼し、弁護士名義で書面を送付してもらうと、さらに強いプレッシャーを与えられるでしょう。

3.示談交渉を行う

当事者間で慰謝料の金額や支払方法について話し合い、合意による解決を目指します。

交渉方法は、直接会って話し合うほか、電話や書面でのやり取りも可能です。

感情的になりやすい場合や、相手との直接交渉を避けたい場合は、弁護士に交渉代理を依頼できます。

交渉がまとまったら、合意内容を示談書として書面に残しましょう

口約束だけでは、後から「そんな話はしていない」とトラブルになりかねません。

示談書には、以下の内容を盛り込むのが一般的です。

  • 慰謝料の金額
  • 支払方法(一括・分割、振込先口座など)
  • 接触禁止条項(不倫相手との連絡・面会を禁止する条項)
  • 口外禁止条項(第三者への情報漏洩を禁止する条項)
  • 清算条項(示談書の記載事項以外に債権債務がない旨を確認する条項)

弁護士に示談書の作成を依頼すれば、法的に有効な内容に仕上げてくれます。

4.交渉が決裂したら調停または裁判(訴訟)を起こす

話し合いで解決できない場合は、調停や裁判(訴訟)での解決を図ります。

離婚を検討している場合、配偶者への慰謝料請求は離婚調停の中で話し合うのも可能です。

離婚せずに慰謝料だけを請求したい場合は、民事訴訟を起こす方法もあります。

裁判では、提出された証拠に基づいて裁判官が不貞行為の有無や慰謝料の金額を判断します。

証拠が不十分だと、請求が認められない可能性もあるため、証拠収集の段階から計画的に進めるのが重要です。

裁判は手続きが複雑で、法的な主張や証拠の提出方法にも専門知識が求められます。

弁護士への依頼を積極的に検討してください。

【関連記事】不倫相手を訴える5つの条件とは?訴訟の手順や費用もわかりやすく解説

不倫・浮気の慰謝料請求は自分でできる?

慰謝料請求は自分でもできます。

弁護士への依頼は必須ではありません。

しかし、自力で請求手続きを進めるのには、以下のようなリスクが伴います

  • 相手と直接やり取りすると、精神的なストレスが大きくなる
  • 適正な慰謝料の相場がわからず、不当に低い金額で示談してしまう
  • 示談書の不備により、トラブルが蒸し返される

弁護士を介さない場合、不貞相手が請求を無視するケースも珍しくありません。

相手が交渉に応じても、感情的な対立から、交渉が長期化する可能性も高いです。

合意した内容を適切に書面に記載できなかった場合は、法的に無効になったり、解釈に争いが生じたりするおそれがあります。

支払いが滞った際に強制執行できる内容になっていなければ、泣き寝入りになる可能性もあります。

相手が弁護士を立ててきた場合は、交渉で不利になるリスクも高まるでしょう。

自力での対応に不安を感じたら、早めに弁護士への相談を検討してください。

不倫・浮気の問題を弁護士に依頼するメリット

不倫・浮気の問題を弁護士に依頼すれば、慰謝料請求の可否を適切に判断してもらえます。

請求可能な場合、過去の裁判例や実務上の相場を踏まえ、あなたの状況に応じた適正な慰謝料額を算定してもらえるでしょう。

相手との交渉もすべて任せられます。

弁護士の介入によって、相手に本気度が伝わり、早期に示談が成立するケースも珍しくありません。

示談書の作成では、将来のトラブルを防ぐための条項を漏れなく盛り込んでもらえます。

裁判に発展した場合でも、訴状の作成から法廷での主張・立証まで、一貫して対応を任せられるため安心です。

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電話やオンラインでの相談に対応している事務所も多数掲載しているため、自宅にいながら、経験豊富な弁護士への相談も実現できます。

まずは、どのような弁護士がいるか確認してみてください。

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不倫・浮気に関するよくある質問

ここでは、不倫・浮気についてよくある疑問についてQ&A形式で回答します。

不倫・浮気をやめさせる方法はありますか?

法的に不倫・浮気を強制的にやめさせる方法はありません

ただし、誓約書を取り交わすと、心理的な抑止効果は期待できるでしょう。

誓約書には、以下の内容を盛り込むのが一般的です。

  • 今後、不倫相手との関係を完全に解消する
  • 二度と私的に接触しない
  • 違反した場合の違約金(ペナルティ)

違約金を定めておくと、約束が守られやすくなります。

実際に違反があった場合は、違約金を請求できる可能性もあるでしょう。

ただし、あまりに高額な違約金は公序良俗に反するとして無効になるケースがあります。

適正な金額の設定や、法的に有効な誓約書の作成には、弁護士のサポートを受けるのがおすすめです。

同性カップルでも浮気・不倫の慰謝料は請求できますか?

内縁関係と同視できる関係であれば、慰謝料請求が認められる可能性があります。

近年、同性カップル間で、不貞をしたパートナーに対する慰謝料請求を認めた判例があります。

裁判所は以下の事情を踏まえ、内縁関係と同視できる生活関係にあったと認めました。

  • 約7年間の同棲生活を送っていた
  • 米国で婚姻登録証明書を取得した
  • 日本国内で結婚式・披露宴を行った
  • 2人の間で育てる子を妊娠すべく人工生殖も試みていた
  • 将来子どもと暮らすのを視野に入れ、マンションの購入も進めていた

本件は、離婚慰謝料を請求する法的枠組みで訴えを起こしていたため、不貞相手への慰謝料請求は棄却されました。

しかし、生活実態が内縁関係と同視できる場合は、法的保護を受け得ると判断されています。

したがって、不貞相手への慰謝料請求も認められる可能性があるでしょう。

不倫・浮気の慰謝料請求に時効はありますか?

不貞行為に基づく慰謝料請求権は、以下のいずれか早い方で時効により消滅します

  1. 不倫の事実と不貞相手を知った時から3年
  2. 不倫があった時から20年

不倫相手が誰か分からない場合は、相手が判明した時点から3年のカウントが始まります。

不倫の事実は知っていても、相手の氏名や住所を特定できていなければ、時効は進行しません。

時効が迫っている場合は、内容証明郵便による請求や訴訟提起等の早急な対応が必要です。

なるべく早く、弁護士に相談してください。

まとめ|不倫・浮気で悩んだら弁護士に相談を

不倫と浮気の違いは、主に婚姻関係の有無、関係の継続性、肉体関係の有無の3点で整理できます。

法律上の不貞行為に該当するのは、配偶者のある者が自由な意思で配偶者以外の者と肉体関係を持った場合です。

慰謝料請求が認められるのは、原則として婚姻関係がある場合に限られます。

婚約・内縁関係にある場合も、保護の対象となる可能性があるでしょう。

不倫・浮気が発覚したときは、感情的に相手を問い詰めず、まず証拠を確保してください。

証拠が不十分だと、慰謝料請求が認められない可能性もあります。

慰謝料請求は自分でも可能ですが、適正な金額の算定や示談書の作成には専門知識が求められます。

相手との交渉で精神的な負担を感じる場合も多いでしょう。

一人で抱え込まず、早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。

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株式会社アシロ編集部
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