つい闇金から借金をしてしまい、執拗な電話やSNSでの督促、家族や職場への嫌がらせに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
結論として、闇金から借りたお金は一切返す必要がありません。
しかし、借りたまま放っておくと闇金業者からの督促や嫌がらせはエスカレートしてしまうため、早急に正しい対処をとりましょう。
本記事では、闇金からお金を借りてしまった時に知っておくべき基礎知識と具体的な対処法や、専門家に依頼した場合の費用や支払方法、そして闇金が嫌がる有効な一手までをわかりやすく解説します。
周囲にも相談ができず孤独な状況であっても、正しい手順を踏めば必ず脱出の道は開けます。
まずは、闇金から借りたお金は返す必要がないことを理解し、最初の一歩を踏み出しましょう。
闇金に返せないときに覚えておくべき最低限の知識・対処法3つ
正当な貸金業登録をしていない闇金業者からの借入は、違法金利と過激な取り立てがセットになっているケースがほとんとです。
そんな中で返済を続ければ、状況が改善するどころか負債は雪だるま式に膨らみ、家族や仕事にも深刻な影響が及んでしまうでしょう。
そこでここでは「もう返せない」と感じたときに真っ先に押さえたい3つのポイントを、法的根拠とともに解説します。
「闇金でも元金だけは返さないと」と考える必要はなく、適切な手段を講じれば支払いを止めることが可能です。
闇金への借金は元金も含め返さなくていい
闇金について法的な定義はありませんが、一般的には以下のいずれかに当てはまる業者が闇金と呼ばれます。
- 貸金業法第3条で義務づけられている登録をせずに貸金業を営んでいる
- 出資法第5条1項(年5%=日利0.3%)を超える違法金利で貸し付けている
- 貸金業法第21条の規制を無視し、非常識的な時間帯・強行的な手段で取り立てをおこなう
法律上、貸金業を営む業者は国や自治体への貸金業登録が必須ですが、闇金業者は法律を無視した高金利での取り立てをおこなうため、無登録で営業しています。
そして、民法第708条では、法律に反した行為で貸し付けられたお金は返す必要がないと定められているため、契約通りに元本や利息を支払う必要はまったくありません。
さらに、過去にはすでに支払ってしまった元本や利息の返還請求が認められた事例もあります。
「一度お金を借りたのは事実だから…」とどうにか元本だけでも返済しようと考える人もいるでしょう。
しかし、闇金業者は一般の消費者金融から借りられない人などの弱みにつけ込み不正な利益を得ようとしている悪者です。
法律に従い、元本すら返済する必要はないと考えて問題ありません。
弁護士や司法書士に相談・依頼すれば、取り立てをとめられる
闇金からお金を借りてしまった場合でも、弁護士や司法書士に依頼することで業者へ受任通知が送付され、それ以降の本人への連絡は貸金業法によって禁止されます。
そもそも、闇金業者は自分たちの行為が違法であることをわかっているため、弁護士などに介入されることを非常に嫌います。
そのため、専門家へ依頼したその日から電話・SNSの督促が止むケースも多く、精神的負担が劇的に軽減されるでしょう。
専門家は、闇金業者との契約が無効であることを前提に、支払停止などの交渉をおこない、必要に応じて警察との連携も視野に入れて対応してくれます。
なお、闇金から借金をするほど経済的に苦しい状況であれば、専門家への依頼費用も用意できずに困っている人も多いはずですが、最近は分割払いや後払いを受け付ける事務所も増えています。
まずは無料相談を活用して、現状を伝えることが重要です。
脅迫・暴力など違法な取り立てに合っている場合は警察に相談する
闇金が「家族をどうにかするぞ」「職場に押しかける」などと脅したり、暴力を振るわれたりする行為はれっきとした犯罪です。
このような行為を受けた際は、すぐに最寄りの警察署に相談しましょう。
相談の際は、被害の証拠として録音・録画、メールのスクリーンショットなどを用意しておくと、話を聞いてもらいやすくなります。
被害届を受理してもらえれば、業者側は逮捕や家宅捜索のリスクを負うため、取り立てが沈静化する可能性が高まるでしょう。
違法な取り立てを受け入れてしまうと、闇金側もエスカレートしていきます。
返済ができずに脅された場合は、すぐに警察に相談するべきです。
闇金の「返せば大丈夫」は嘘!一度借りた時点でカモにされる理由
闇金業者は「元金さえ返してくれればもう連絡しない」「一括で払えば終わり」などと甘い言葉を投げかけてきます。
しかし実際には、借り手に完済させず、むしろ延々と搾取を続けるケースが少なくありません。
違法な高金利を課すだけでなく、心理的な支配を強め、時には犯罪行為にまで巻き込むことで利益を最大化しようとするのが闇金の常套手段です。
ここでは、一度借りた時点でカモにされてしまう理由を詳しく解説します。
法外な金利で返済できないようにしたり、完済させないようにしたりする
闇金は最初の返済日を迎える前から、法外な利率を日単位で上乗せし続けます。
仮に10万円を借り、日利10%の金利が設定された場合、1週間後には元金を上回る利息が発生します。
利用者が「とにかく完済したい」と多額の返済をしても、業者は「振込手数料が不足」「利息がまだ残っている」などと言いがかりを付け、追加返済を要求してくるでしょう。
さらには「今回の支払い実績があるから増額融資できる」と新たな貸付をすすめ、完済を意図的に遠ざけてくるケースもあります。
その結果、借り手は利息を払い続けても元金が減らず、雪だるま式に借金が膨らんでしまうのです。
借り手の弱みに付けこんで、改めて利用するよう強要することもある
闇金は、申込時に身分証・勤務先・家族構成など詳細な個人情報を入手します。
そして、これらを盾に「返済できないなら会社に連絡する」「家族にバラす」と脅し、追加融資を強制してくるケースも多いです。
借り手は社会的信用を失うことを恐れ、従わざるを得ないでしょう。
また、一度でも返済実績を作ると「この人は脅せば金を用意する」と判断され、半永久的にターゲットとしてマークされてしまいます。
闇バイトをあっせんしてくることもある
返済資金に窮した利用者に対し、闇金が「楽に稼げる仕事がある」と称して違法行為をあっせんするケースもあります。
たとえば、特殊詐欺の受け子や出し子、闇金自身の資金洗浄に利用する銀行口座の売買、あるいはクレジットカードの現金化業務などです。
これらの行為は、詐欺や犯罪収益移転防止法違反などに該当し、発覚すれば利用者側まで刑事責任を問われかねません。
闇金は「バイトの報酬で返済できるから」と犯罪へ引き込み、共犯とすることでさらに強い支配関係を築きます。
借り手にとっては借金どころか前科まで背負う危険があるため、注意が必要です。
闇金に返せないまま、何もしないでいるとどうなる?
闇金に返済できなくなったあと、「無視していればそのうちあきらめるだろう」と放置するのは極めて危険です。
闇金業者は、法的な正当性を持たないにもかかわらず、しつこい取り立てや脅迫を長期間にわたって続ける傾向があります。
最悪の場合、自分だけではなく家族や職場にまで被害が及ぶリスクもあるため、放置するのではなく早めに対処しましょう。
ここでは、闇金からの借金を放置するリスクについて詳しく解説します。
執拗な取り立てがずっと続くことになる
闇金業者は、時間を問わず一日に何度も電話をかける・返済しないと周囲にバラす・夜中に家まで取り立てに行くなど、脅しや嫌がらせともとれる行為を繰り返してきます。
これらは貸金業法第21条で禁止されている違法な取り立て行為ですが、闇金はそもそも法を守るつもりがないため、強引な手法を平気で用います。
仮に無視していても、電話番号やメールアドレス、SNS、実家の住所、職場の情報などあらゆる手段を利用して接触を図ろうとし、精神的に追い詰めてきます。
放置すればするほど業者は「支払うまで攻め続ければ良い」と判断し、被害が長期化・悪化するおそれがあるでしょう。
違法な高金利が継続したまま、請求がとまらない
闇金は年数千%もの違法な高金利で利息を請求してきます。
返済できない状態が続けば、利息はどんどん積み上がり、「借りてもいない金額」が新たな借金として請求されるケースも珍しくありません。
違法であることを承知で架空の利息や手数料を上乗せし、請求を繰り返すのが闇金の常套手段です。
これを止めるには、早期に弁護士や司法書士に相談し、違法な請求そのものを断ち切る対応をとるしかありません。
自分だけでなく家族や職場にも嫌がらせをされる可能性がある
闇金業者は、借り手本人からの回収が難しいと判断すると、申込時に得た連絡先情報をもとに、家族・親族・勤務先など第三者に嫌がらせをおこなうことがあります。
例えば、「借金を返さないと警察沙汰になる」「このままだと会社に連絡する」と電話をかけたり、職場に「緊急の件で本人に連絡したい」などと言って繰り返し連絡してきたりなど、社会的信用を壊そうとします。
闇金対応を弁護士や司法書士に依頼する場合の費用はどのくらい?
闇金への返済に悩まされている場合、弁護士や司法書士に対応を依頼すれば、即座に取り立てを止められます。
しかし「費用が心配で相談できない」と不安に思う人も多いはずです。
ここでは、闇金問題を専門家に相談・依頼する際の費用について詳しく解説します。
弁護士は5万円前後~、司法書士は4万円前後~
闇金対応の費用は、依頼する専門家の資格によって異なります。
闇金問題の解決に対応してくれる専門家としては弁護士と司法書士がいますが、弁護士に依頼する場合は1業者あたり5万円前後、司法書士に依頼する場合は4万円前後が相場です。
複数の闇金業者と取引がある場合は、業者数に応じて費用が加算されるため、事前に確認しておきましょう。
なお、これらの費用には、受任通知の送付・契約無効の主張など、闇金対応に必要な初期的な法的措置が含まれます。
司法書士には、対応可能な借金の元金額に制限があるので注意が必要
闇金問題について、司法書士が対応できるのは、元金が1社につき140万円以下である案件のみです。
これは、司法書士法に基づく業務範囲の制限によるもので、元金が140万円を超える場合は原則として弁護士でなければ対応できません。
そのため、高額な借入がある場合には、最初から弁護士に依頼したほうが安心です。
ただし、借入額が小規模であるなら、司法書士でも迅速かつ適切に対応してくれるケースも多いです。
分割払いや後払いに対応している事務所も少なくない
闇金からお金を借りるほど金銭的に余裕がない状況であれば、弁護士や司法書士に依頼する費用を一括で支払うのが難しいはずです。
そのため、多くの事務所では依頼者の状況に応じて、分割払いや後払いに対応しています。
相談料も初回は無料のケースが多いので、まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。
相談の際は、「費用が払えないかもしれない」と正直に話し、対応可能な支払い方法を提案してもらいましょう。
分割払いの場合は、支払い回数や手数料の有無についても相談時に確認しておけば、安心して依頼できるはずです。
闇金の取り立てや対応についてよくある質問
ここでは、闇金の取り立てや対応についてよくある質問をまとめました。
闇金から借りたお金が返せなくて悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
闇金に支払ったお金を取り戻すことはできますか?
結論からいえば、闇金に支払ったお金を取り戻すことは不可能ではありませんが、現実的には難しいのが実情です。
法律上は、闇金業者との取引は契約自体が無効であり、契約に基づいて支払ったお金は闇金業者が不法行為で得た利益として、持ち主に返してもらえるはずです。
実際に、平成20年の最高裁判決では、闇金業者に支払った元本や利息の返還請求が認められたこともあります。
しかし、闇金の手口は巧妙化しており、携帯電話でしか連絡がとれないなど、ほぼ実体がない形をとっていることも多いです。
この場合、法律に基づいて返還請求を主張しても、相手方の足取りをつかめず、泣き寝入りとなるケースがほとんどです。
すでに支払ったお金を取り戻すのは難しい可能性も高いですが、今後闇金と取引をせずに済むことには大きなメリットがあります。
まずは弁護士や司法書士に相談し、今後の対応を検討するのがおすすめです。
闇金が嫌がるのはどんなことですか?
闇金業者が最も嫌がるのは、「専門家による介入」と「警察・金融庁への通報」です。
弁護士や司法書士から受任通知が届くと、闇金業者は自らの違法性が明らかになることを避けるため、一気に態度を軟化させるケースが多くあります。
また、闇金は店舗などの実体を持たないことも多く、携帯電話や銀行口座が営業するうえでの生命線となっています。
そのため、専門家の介入によって携帯会社や銀行に報告をされ、これらが使えなくなることを恐れているのです。
被害者が警察に被害届を出したり、金融庁に情報提供したりすることで、業者は営業継続が難しくなるリスクを感じ、連絡を絶つ場合もあります。
以上を踏まえると、一人で抱え込まず、外部の力を借りることが大切だといえるでしょう。
さいごに|闇金の取り立てに困ったら専門家へ相談を!
本記事では、闇金から借りたお金が返せない時の対処法や、借りたまま放置するリスクなどについて詳しく解説しました。
闇金は法外な金利や違法な取り立てによって、借り手を精神的にも経済的にも追い詰めてきます。
「返せば大丈夫」という甘い言葉にのせられた結果、さらに泥沼に陥るケースも少なくありません。
取り立てが止まらず困っている場合は、一人で抱え込まず、速やかに弁護士や司法書士などの専門家へ相談することが大切です。
分割払いや後払いに対応している事務所もあるため、費用面の不安がある方でも相談しやすくなっています。
自分だけでなく家族や職場にも被害が及ぶ前に、勇気を持って一歩踏み出し、安心できる生活を取り戻しましょう。
