- 「借金の取り立てはどんな風におこなわれるの?」
- 「借金の取り立ては違法でないの?」
- 「取り立てを受けたらどうしたらやめてもらえる?」
借金の返済が遅れると、取り立てを受ける可能性があります。
借金の取り立ては気持ちのよいものでなく、できればやめて欲しいものです。
一方で、法律的に違法で悪質な取り立てがおこなわれることもあります。
悪質な取り立てであれば、やめさせたいと考えるのは当然です。
本記事では一般的な取り立ての方法と違法な取り立て行為、取り立てを止める方法をわかりやすく解説しています。
何もせず取り立てを受け続けるのでは、問題は解決しません。
本記事を読めば、適法・違法な取り立てを区別したうえで、それらを適切に止める方法も理解できます。
借金の取り立て方法|貸金業法で認められている範囲の取り立て方法
一口に借金の取り立てといっても、深夜に自宅前で怒鳴って債務者を呼ぶような違法なものばかりではありません。
銀行や消費者金融などは、法律にもとづき常識的な範囲で取り立てをおこなうことがほとんどです。
以下、貸金業法で認められている範囲の取り立て方法を見ていきましょう。
【滞納1週間~1ヵ月程度】電話や書面などで取り立てを受ける
借金を滞納して1週間から1ヵ月程度経過すると、返済期日が記された書面が送られてきたあと、電話での督促がおこなわれるのが一般的です。
この督促では、滞納していることを厳しく責め立てられたりはしません。
滞納状況や支払いの方法について、淡々と事務的な説明をされるのが一般的です。
この時点で督促の指示に従い返済できれば、大きなトラブルになることはありません。
ただ1日でも返済が遅れると、ペナルティとして利息が高い遅延損害金が発生します。
借金を大きくしないためにも、1日も早く滞納を解消すべきです。
【滞納1〜2ヵ月程度】連帯保証人にも取り立てがおこなわれる
滞納してから1~2ヵ月程度たつと、連帯保証人にも取り立てがおこなわれるようになります。
連帯保証人には債務者と同様の返済義務があるので、債権者は返済を請求することができるのです。
このように、このぐらい滞納が続くとほかの人にも影響が及んでしまうことになりかねません。
【滞納2〜3ヵ月程度】催告書で一括での返済を求められる
滞納期間が2~3ヵ月程度になると、催告書によって残りの借金を一括で返済するよう求められる可能性があります。
滞納分だけでなく、これから分割で返済する予定だった分も、一括で払うように要求されるのです。
滞納をすると、債務者は「期日までに返済すればよい」という期限の利益と呼ばれる権利を失っています。
そのため債権者から一括での返済を求められても、法律的に拒否することはできないわけです。
催告書の取り立てにも応じないと、債権者は裁判手続きへ移行することになります。
催告書の送達は裁判手続き前の、最終段階といえるのです。
【滞納3ヵ月~】支払督促や訴訟といった法的な手続きがとられる
滞納してから3ヵ月を経過すると、以下のような法的手続きがとられる可能性が高まります。
| 支払督促 | 裁判所が債務者に対して支払いを命じる手続き。 支払督促に応じず期限までに異議申し立てもしなければ、強制執行により債務者の財産を差し押さえられる。 |
|---|---|
| 訴訟 | 滞納分を払うように判決が下されると、債権者は強制執行による財産の差し押さえができる。 出廷しなければ、原告である債権者の主張が認められる。 |
財産の差し押さえ対象として、最も選ばれることが多いのが預金か給与です。
給与が差し押さえられると、その金額の1/4(手取り額が44万円を超える場合は33万円を超える部分)が毎月差し引かれることになります。
貸金業法で禁止している借金取り立ての代表例
闇金融などからお金を借りてしまうと、貸金業法の範囲を超えた借金の取り立てを受けることがあるのは否めません。
以下、実際にどのような行為が貸金業法が禁止する借金の取り立てにあたるか、代表的な例をみていきましょう。
相手がここにあげる取り立て行為をおこなってきたら、闇金融のような違法な貸金業者と判断できます。
正当な理由なく早朝・深夜に電話・訪問などで取り立てをおこなうこと
正当な理由がないのに、早朝・深夜に電話・訪問などの取り立てをおこなうことは禁じられています。
具体的には午後9時~午前8時まで、電話や訪問での取り立ては禁止されているのです。
一方で以下のような場合は、早朝・深夜に取り立てをおこなう「正当な理由」とみなされる可能性があります。
- 債務者がその時間に連絡や訪問を希望した場合
- 債務者に連絡をするのに、ほかに合理的な方法がない場合
正当な理由なく勤務先など自宅外に電話・訪問するなどで取り立てをおこなうこと
正当な理由がないのに、勤務先など自宅外の場所に電話や訪問などで取り立てをおこなうこともできません。
なお、以下にあげる場合は正当な理由があるとして、勤務先などへの取り立てが認められる可能性があります。
- 債務者がその場所への連絡・訪問を承諾した場合
- 債務者に連絡をするのに、ほかに合理的な方法がない場合
- 債務者の連絡先が不明の状態で、それを知るために連絡する場合
希望した時間以外に電話・訪問などで取り立てをおこなうこと
債務者が返済を約束し事前に連絡可能な時間の希望を伝えているのに、その時間以外に取り立てをおこなうのは貸金業法で許可されていません。
退去を求めているのに立ち去らないこと
債務者やその家族が帰って欲しいと求めているのに、取り立てに来た債権者が自宅などに居座る行為も禁止されています。
このような行為で、借金をしていることが周囲に知られてしまう可能性があるためです。
張り紙・看板などでプライバシーを侵害・暴露すること
「金返せ」のような張り紙・看板などを債務者の自宅や近所などに設置し、債務者のプライバシーを侵害する行為は禁止されています。
債務者以外に返済を求めること
家族など債務者以外に、返済を求めるのは禁止されています。
家族とはいえ、債務者自身の借金を返済する義務はありません。
なお家族が連帯保証人になっていた場合は、債務者と同様の返済義務があるとされるので注意ください。
ほかから借金してでも返済するよう要求すること
ほかの金融機関などから借金をしてでも、返済を要求する行為は禁止されています。
ほかから借金をさせてでも返済を強いる行為は、債務者を多重債務に陥らせてしまうためです。
また返済できる見込みがないのに貸付をさせることも、その金融機関の利益を阻害しているといえます。
家族などが拒否しているにもかかわらず無理やり取り立てに協力させること
家族など第三者が拒否しているにもかかわらず、無理やり取り立てに協力させる行為も禁止されています。
たとえば債務者が現在どこにいるかを無理に聞こうとしたり、連絡先を聞きだしたりするのは違法です。
個人間の借金取り立ては違法になる?
個人間でお金の貸し借りをすることもあるでしょう。
個人間の借金取り立ては、違法になるのでしょうか。
個人間の借金は貸金業法による取り立て規制の対象外
まず前提として、個人間の借金では貸金業法による取り立て規制は適用されません。
貸金業法で禁止されているような取り立てをおこなっても、ただちに違法とはみなされないのです。
個人間でも度を越えた金利・方法での取り立ては違法とされる可能性がある
貸金業法の取り立て規制は適用されないものの、個人間の借金取り立てでも度を超えれば違法とみなされることも考えられます。
具体的には以下のような行為は、貸金業法以外の法律によって違法とされる可能性が高いでしょう。
- 「今すぐ返済しなければ殺す」など、相手を脅せば恐喝未遂罪が成立する
- 借金取り立てのため相手の自宅へ押し入り、相手に頼まれても退去しなかった場合は、住居侵入罪や不退去罪が適用される可能性がある
闇金などから違法な取り立てを受けた場合の対処法
貸金業法で違法とされるような取り立てをするには、闇金などの違法業者と考えられます。
それでは闇金などから違法な取り立てを受けたら、どのようにすればよいでしょうか。
違法な金利で貸し付けを受けた場合などはそもそも元金を含め返済の義務がない
まず前提として、違法な金利で貸し付けを受けた場合、元金を含めて返済をする義務はありません。
闇金などに返済を迫られても、応じることはないのです。
違法な借金取り立てを受けているのなら証拠を残すことが重要
違法な借金の取り立てを受けている場合は、その証拠を残すようにしましょう。
具体的には、以下のような証拠が有効です。
- 違法な取り立てを受けたときの録音・録画データ
- 取り立てを受けたときの留守番メッセージ
- 取り立ての着信履歴
- 取り立てのために送られた手紙・メール
- 相手の銀行口座
- 契約書面などの書類
- 貸金業者の名前・住所・電話番号
- ポストに投函されたビラ
違法な借金取り立てを受けていることを警察に通報する
違法な取り立てを受けている場合は、警察に通報するのもひとつの手です。
適法な範囲での取り立てであれば警察が動くことはありませんが、違法性が確認できれば警察が捜査を開始する可能性があります。
そのため警察へ通報する際は、取り立ての違法性を証明できるような証拠を確保しておきましょう。
また取り立て行為がエスカレートし、脅迫や暴行などの犯罪行為までおこなわれたなら速やかに警察へ通報すべきです。
犯罪行為で身の危険が迫っており、かつその証拠まで確保されていれば、警察が動く可能性が高くなります。
借金問題に強い弁護士に相談・依頼する
借金の取り立てをやめさせるために、最も有効な手段は借金問題に強い弁護士へ対応を相談・依頼することです。
弁護士に相談・依頼するメリットとして、以下があげられます。
取り立てを止められる
弁護士は違法な貸金業者に対し受任通知を送付します。
受任通知は、弁護士が代理人となったことを知らせる書類です。
受任通知を受け取った業者は、債務者へ連絡することが禁止されます。
違法な借金なら返済をせずにすむようになる
闇金のように法外な金利が設定された借金なら、返済する必要がありません。
弁護士へ依頼して取り立ても止まれば、返済を強いられることもなくなります。
そのため返済をせずにすむようになるのです。
違法業者とのやりとりを一任できる
弁護士に依頼すれば、相手とのやり取りを全て任せられます。
その分、精神的な負担は軽減されるでしょう。
違法でない借金取り立てを止めるには?
相手が闇金などでなく、取り立てにも違法性がない場合、どうすれば止めることができるでしょうか。
以下、代表的な方法を見ていきましょう。
可能なら滞納分をすぐに返済する
最も確実に取り立てを止める方法は、滞納分をすぐに返済することです。
返済されたら、当然相手が取り立てを続けることはありません。
すぐに支払えない場合は、業者の窓口などへ連絡し「いつまでに支払う」などと約束できれば取り立てをとめてくれる可能性が高いです。
借金問題を得意とする弁護士に債務整理の対応を相談・依頼する
多重債務を抱えているなどで、借金を返済できないようであれば債務整理を検討しましょう。
債務整理とは法律などで認められた借金減額の仕組みです。
お金がなく借金返済が困難な場合に債務整理をすれば、借金が減額・免除されます。
主な債務整理の方法は以下3つです。
| 種類 | 概要 | 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|---|---|
| 任意整理 | 債権者と交渉し、返済額の圧縮や返済期間の延長を実現する手続き | ・比較的簡単な手続きで実現できる ・周囲にばれにくい |
・ほかの債務整理に比べ借金の減額幅は小さい ・一定の返済能力が問われる |
| 個人再生 | 裁判所に申し立て、借金の総額を最大で90%減額する手続き | ・借金の大幅な減少が可能 ・自己破産と違い家などの財産を残せる |
・保証人に影響がある ・官報に掲載される |
| 自己破産 | 裁判所に申し立て、原則全ての借金を免除してもらう手続き | 借金を原則として全額免除してもらえる ※税金などの例外を除く |
・家や自動車など高額な財産は処分される ・官報に掲載される ・一時的につけない職業がある |
債務整理は自分だけですすめるのは困難です。
たとえば任意整理の場合、債務者自身で交渉しても業者側が応じないか不利な条件で合意することになってしまう可能性が高いでしょう。
弁護士に依頼することで、状況にあわせてどの債務整理方法がよいか判断してくれるうえ、手続きを適切にすすめてくれます。
債務整理に関する詳細は、以下記事をご覧ください。
【関連記事】債務整理とは?基本をわかりやすく解説
さいごに|取り立てに困ったらなるべく早く弁護士に相談を!
借金の取り立てには適法なものと違法なものがあり、対処方法もそれぞれ異なります。
適法な取り立てであれば、滞納分の返済が最も確実な解決方法です。
すぐに返済できないなら、業者の窓口に連絡し返済の猶予や分割払いなどについて相談します。
一方で闇金などから違法な取り立てを受けているなら、返済に応じてはいけません。
弁護士に相談・依頼して取り立てをやめさせるよう対応してもらうことが推奨されます。
適法な取り立てであっても、多重債務などで返済のめどが立たないなら弁護士への相談・依頼を検討しましょう。
弁護士に相談・依頼して債務整理をおこなえば、借金が減額・免除されます。
