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不倫相手の会社に不貞行為を報告するのはあり?なし?リスクを法的に解説

監修者
齋藤 健博
弁護士
不倫相手の会社に不貞行為を報告するのはあり?なし?リスクを法的に解説
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「解雇などの処分をしてほしい」

「不倫相手に責任を取らせたい」

もしあなたが配偶者に職場不倫をされて裏切られた思いを抱えているなら、会社に事実を報告するか悩んでいるかもしれません。

しかし、会社に報告する行為にはリスクがあるため注意が必要です。自分自身が名誉毀損や脅迫などの罪に問われ、かえって不利になる可能性があるのです。

配偶者や不倫相手に、「何らかの仕返しをしたい」「懲らしめたい」と考えている方には、慰謝料請求という選択肢があります。

本記事では、不貞行為を会社に報告するリスクや不貞行為を正当に制裁する方法について解説していきます。

配偶者の不貞行為を会社に報告するか悩んでいる方へ

会社に不貞行為を報告しても、解雇や減給などの処置が実現するとは限りません。

むしろ、あなた自身が名誉毀損や脅迫などの罪に問われる可能性があります。配偶者の不貞行為を許せない場合は、慰謝料請求をして制裁することができます。

 

とはいえ、自分一人で慰謝料請求をするハードルは決して低くありません。ぜひ一度弁護士から法的な観点でアドバイスをもらうことをおすすめします。

 

また、慰謝料請求をするためには、「不貞行為」の事実を明確に示す証拠が必要です。

しかし、証拠の確保を個人で行う場合、リスクがあるため注意が必要です。相手にばれてしまい証拠を集めにくくなるケースや、確保した証拠が法的に認められない可能性があります。

 

そのため、自分一人ですべてをやるのではなく、証拠集めに精通した調査業者や探偵に依頼することで正当に制裁を与える上での確実性を高めることができます。


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不貞行為を会社へ報告するリスク

配偶者や不倫相手の会社に不貞行為を報告する行為は、プライバシーの侵害や名誉毀損、脅迫などの罪に問われるおそれがあります。

場合によっては、侮辱や業務妨害に該当することも考えられるため、慎重な行動が必要です。

名誉毀損に該当する可能性がある

会社への不貞行為の報告は、伝え方によっては、名誉毀損にあたるリスクがあります。

不貞行為の事実を会社に告げることで、配偶者や不倫相手の信用が落ち、「社会的評価の低下」につながる可能性があるからです。

そうなると、相手から「名誉を傷つけられた」として名誉毀損で訴えられ、慰謝料を請求されるかもしれません。

たとえ不貞行為が事実でも、「不特定または多数の人が知り得る状態」にしてしまう行為は、名誉毀損が成立する可能性が高いのです。

会社への報告だけではなく、SNSなどで広める行為もやめましょう。

なお、名誉毀損は夫婦間でも成立します。「匿名なら大丈夫?」と考える方もいるかもしれませんが、匿名の電話やメール、手紙などであっても同様のリスクがあるため、注意が必要です。

脅迫に該当する可能性がある

報告しない場合でも気をつけたいのが、脅迫です。不倫相手に対して「会社に不貞行為の事実を報告してやる!」などと告げているケースでは、実際には会社に報告していなくても、脅迫にあたる可能性があります。

「会社を退職しなければ、不貞行為の写真を会社に開示してやる」といった発言も同様であり、自分が逆に訴えられてしまいかねません。

怒りのままの言動は避けましょう。

その他のリスク

場合によっては、以下のような罪に問われるおそれもあります。

心当たりがある際には、控えてください。

【罪に問われるおそれのある行為の例】

・配偶者と不倫相手の会社に乗り込み、叫んだり騒いだりする…威力業務妨害罪

・会社に対して嫌がらせの電話をする…威力業務妨害罪

・配偶者や不倫相手に対して退職するよう迫る…強要罪

会社の業務を乱すような行為をすると、警察に通報され、威力業務妨害罪に問われてしまうかもしれません。また、強要罪に問われるリスクも挙げられます。

配偶者と不倫相手が同じ会社に勤めている場合はとくに、再発の懸念などから不倫相手に「会社を辞めてほしい」と思う方もいるでしょう。

ふたりが同じ空間・社内にいてほしくない気持ちは理解できますが、退職の強要はできません。

言い方によっては、自分が不利になりかねないため、強要する発言はやめましょう。

不貞行為を会社に報告すると対処してもらえる?

ここまで、不貞行為を会社に報告した際のリスクを紹介してきました。次に、不貞行為を会社に報告した場合をみていきましょう。

結論からいうと、会社に報告したからといって、必ず相応の対処をしてもらえるとは限りません。

何らかの処分がなされるところもあれば、何もされないケースも珍しくないのが実情といえます。

なぜなら、会社と従業員は雇用契約を結んでおり、解雇するためには労働基準法と労働契約法に基づいた正当な理由が必要だからです。

【解雇できる正当な理由の一例】

・重大なセクシャルハラスメント・パワーハラスメントが見られる場合

・地位を利用した犯罪行為をしている場合

・社内不倫が職場の雰囲気を著しく乱している場合

・就業規則で社内不倫を禁じている場合

・会社の事業存続のために、やむを得ずリストラする場合

ふたりの不倫関係によって、業務などに支障が生じ、会社が損害を被っている場合には、対処される可能性があります。

しかし、会社に大きな損害や迷惑がない場合には、従業員の妻・夫から「配偶者と不倫相手が不貞行為をしているので、退職させてください」といわれても、会社は安易に対処できません。

不倫相手に対して制裁してほしい心理は十分理解できますが、会社への報告は、やはりリスクのほうが高いといえるでしょう。

不貞行為の告発でしてはいけないこと

ここでは、不貞行為を告発する際に、やってはいけない行為を3つ紹介します。

いずれも犯罪行為になりかねないため、注意しましょう。

  • 名誉毀損
  • 恐喝
  • 脅迫

名誉毀損

名誉毀損とは、人の名誉を傷つける犯罪行為であり、刑法によって定められています。

【名誉に対する罪】

第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法第230条|e-Gov法令検索

「公然」とは、その事実が不特定、または多数に知られる可能性がある状態を指します。

「事実を摘示」とは、具体的な事実を伝えることです。そのため、「ブス」や「バカ」といった表現は含まれません。

相手の会社に、「うちの夫(妻)と〇〇さんが不倫の関係です」と告げるのは、具体的な表現であり、そのあと複数の従業員に知られてしまう事態も想定できるでしょう。そのため、名誉毀損が成立する可能性が高くなります。

恐喝

恐喝とは、相手を脅すなどして怖がらせ、財産を要求する犯罪行為です。脅迫と似ていますが、恐喝の場合は、「脅迫 + 財産の要求」を意味しています。

【詐欺及び恐喝の罪】

第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

引用元: 刑法第249条|e-Gov法令検索

「会社を辞めないなら、慰謝料500万円支払って」「慰謝料を支払わなければ、写真をばらまくからね」といった発言は、恐喝にあたる可能性があります。

たとえ、実際には金銭のやりとりに至らなかった場合でも、恐喝未遂に該当するおそれがあるため、言動は慎重にしましょう。

脅迫

脅迫とは、相手を恐れさせる目的で脅す犯罪行為です。

生命や身体、自由や名誉、財産などに対して害を加える告知をすることを指しています。

【脅迫の罪】

第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

引用元:刑法第222条|e-Gov法令検索

たとえば、「ふたりの裸の写真をSNSにばらまいてやる」「会社に不倫関係をばらすから」などの表現が脅迫にあたります。

言い方や場の雰囲気などによっても異なりますが、発言に対して配偶者や不倫相手が恐怖を感じた場合、被害届を提出されて大きな問題に発展してしまうかもしれません。

会社への報告以外の制裁方法

なかには、「配偶者や不倫相手にも、何かしらの制裁を受けてもらわないと気が済まない」という方もいるでしょう。

相手への制裁として、慰謝料請求や誓約書の作成などでおこなうのが得策でしょう。

慰謝料請求をする

不倫されて何らかの制裁を加えたいのであれば、慰謝料を請求しましょう。

慰謝料請求は、配偶者と不倫相手の双方に請求できます。あるいは、どちらか一方だけに請求することも可能です。

たとえば、慰謝料300万円を請求するケースでは、以下のような請求ができます。

【例】

・配偶者に300万円請求する

・不倫相手に300万円請求する

・配偶者と不倫相手に150万円ずつ請求する

・配偶者200万円・不倫相手100万円を請求する など

慰謝料300万円は、配偶者と不倫相手の双方が連帯して支払う義務があり、割合は請求する側が決められます。

離婚までは考えていない場合には、不倫相手だけに請求するのも、ひとつの手段ではないでしょうか。

ただし、「それぞれ300万円ずつ」といった具合に、相場を大きく超える請求は認められない可能性が高いでしょう。

自分のケースの相場を知りたい方は、弁護士に相談するとアドバイスをもらえます。

誓約書を作成して接触を禁止する

誓約書を作成して、配偶者と不倫相手の接触を禁止する方法です。「二度と会わない」と約束させるほか、メールや電話などで一切連絡をとらない、スマートフォンから相手の連絡先や写真を全て消す、など約束してもらいます。

記載事項に違反した場合のペナルティも明記しておくことで、不貞行為の抑止にもつながります。

裁判などが起きた際には証拠になるため、交渉を有利に進められるところも利点です。慰謝料を請求するにしても、誓約書を作成しておくと良いでしょう。

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まとめ|不貞行為で受けた苦痛は慰謝料請求で解決を目指そう

不貞行為により精神的ショックを受けて、「許せない」「同じように苦しめばいい」と思うのは不思議なことではありません。

だからといって、不倫相手の会社に不貞行為を報告しても制裁されるとは限らず、かえって自分が罪に問われるリスクがあります。

不貞行為によって受けた傷への責任は、やはり経済的なもの、つまり慰謝料請求でとってもらうのが賢明です。

不貞行為の回数や期間、状況によって慰謝料の金額は変わるため、どれくらいの金額を請求できるか、弁護士に相談してみましょう。

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株式会社アシロ編集部
編集者
株式会社アシロ編集部
本記事は法ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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