「離婚から数年が経ってしまったが、今から慰謝料を請求できるのだろうか」という不安を抱えていませんか。
離婚や不倫による慰謝料の請求権には、原則3年(最長20年)という時効の期限があります。
ただし、時効を数え始める起算点は「不倫の慰謝料」と「離婚の慰謝料」で異なります。
正しく特定すれば、まだ間に合うケースも少なくありません。
本記事では、時効の期間と起算点の考え方、期限が迫ったときに時効を止める4つの方法を解説します。
あわせて、慰謝料を請求された側が時効援用で支払いを拒否する方法や、弁護士に依頼すべき理由も紹介します。
まずは、自分の請求権があと何年残っているのかを正確に把握することから始めましょう。
離婚・不倫の慰謝料の時効は原則3年(長期20年)
離婚や不倫の慰謝料を請求できる権利は、原則として3年で時効により消滅します。
さらに、不法行為の時から20年が過ぎると起算点にかかわらず請求できなくなります。
多くの離婚・不倫トラブルにおいては、3年の時効が問題になります。
一方、被害に気づかないまま時間が過ぎた場合は、20年が最終的な期限として働きます。
時効を正しく計算するには、期限をいつから数え始めるかが重要です。
数え始めの時点は、不倫の慰謝料と離婚の慰謝料で異なります。
詳しい違いは、後半の見出しで具体的に解説します。
まずは、自分の請求権があと何年残っているのかを冷静に把握することから始めましょう。
慰謝料請求権は時効で行使できなくなる
慰謝料を請求する権利も、一定の期間を過ぎると消滅時効にかかり、行使できなくなります。
時効とは、一定期間にわたり権利を行使しないまま放置した場合に、権利が消滅する制度です。
時間の経過とともに証拠は失われて当事者の記憶も曖昧になるため、法律関係を早期に安定させることを目的として請求期間に区切りが設けられています。
離婚や不倫の慰謝料も、不法行為に基づく損害賠償請求権のひとつです。
したがって、民法が定める時効の期間が過ぎれば原則として請求は認められません。
時効が完成した後は、相手が支払いを拒めば、裁判でも回収はほぼ困難です。
正当な請求権を持っていても、期限を過ぎれば金銭を受け取れない結果になりかねません。
離婚問題において、慰謝料を請求する側にとっては残された期限を正確に把握することが不可欠です。
短期の時効は3年
離婚や不倫の慰謝料は、損害と加害者を知った時から3年で時効にかかるのが原則です。
民法724条1号が定める、主観的起算点による短期の消滅時効にあたります。
「損害と加害者を知った時」とは、慰謝料を請求できるとわかった時点を指します。
不倫の慰謝料であれば、不貞の事実と相手が誰かを知った時が目安です。
離婚の慰謝料であれば、離婚が成立した日が時効の起算点です。
中には、離婚や不倫から数年が過ぎ、「もう手遅れではないか」と不安を抱えるケースが少なくありません。
ただし、数え始めの時点を正しく特定できればまだ請求が間に合う場合もあるため、3年という期間の長さよりもいつから数えるかが結論を左右します。
起算点の具体的な考え方は、後半の見出しでくわしく整理します。
長期の時効は20年
不法行為の時から20年が過ぎると、起算点にかかわらず慰謝料を請求できなくなります。
民法724条2号が定める長期の消滅時効です。
20年の数え始めは、不貞やDVなどの不法行為があった時点です。
被害者が損害や加害者を知っていたかどうかは関係なく、客観的に行為があった時から一律にカウントが進みます。
つまり、3年の短期時効に気づかないまま過ごしても20年が経過すれば請求権は確定的に消滅します。
不倫の事実を長く知らなかった場合でも、行為から20年で期限を迎えます。
特に注意が必要なのは、かなり前の出来事を蒸し返して請求したいケースです。
20年以上前の不貞やDVは、原則として請求の対象になりません。
古い事案ほど、行為があった時期を早めに確認し、20年の期限までに動く必要があります。
DVなど身体を害した慰謝料は時効が5年になる場合がある
暴力によって身体を傷つけられた場合の慰謝料は、短期の時効が5年です(民法724条の2)。
生命や身体を害する不法行為は、財産的な被害よりも手厚く保護されます。
2020年施行の民法改正では、主観的起算点からの期間が3年から5年に延長されました。
具体的には、殴る・蹴るといった行為で身体的被害を負った場合は5年の対象です。
一方で、暴言やモラハラなど精神的な苦痛のみの場合は原則として3年です。
通常の不貞や離婚による慰謝料も、身体への侵害がなければ短期3年で処理されます。
自分のケースが3年か5年かは、被害の内容によって変わります。
判断に迷う場合は、5年の特則が使えるかどうかを、早めに弁護士へ確認しておくと安心です。
【関連記事】DVは傷の程度によって慰謝料が異なる|慰謝料の請求方法
時効の起算点は「不倫の慰謝料」と「離婚の慰謝料」で異なる
離婚後に慰謝料を請求する場合、不倫による慰謝料と離婚による慰謝料では、時効のカウントが始まる起算点が別々に進行します。
両者をひとつと考えると、請求できる期限を誤るリスクがあるため注意が必要です。
不倫による慰謝料は、不貞行為と不倫相手を知った時点から時効が進みます。
一方、離婚による慰謝料は離婚が成立した日から時効が進みます。
たとえば不倫発覚から数年が経過していても、離婚成立が最近であれば、離婚慰謝料は請求できる余地が残ります。
起算点ごとの具体的な考え方は、続く見出しでひとつずつ確認していきましょう。
不貞慰謝料は不貞と相手を知った時から進行する
不貞行為への慰謝料請求権の時効は、不貞の事実と不倫相手の両方を知った時から進行します。
民法724条では、被害者が損害と加害者を知った時から3年で時効は完成すると定めています。
なお、「知った時」とは浮気を疑い始めた時点ではなく、不貞の事実を具体的に把握し、かつ相手が誰かを特定できた時点を指します。
たとえば配偶者と交際相手が写ったホテルの出入り写真を入手した日や、当人が不貞を認めた日などが目安です。
反対に、なんとなく怪しいと感じていただけの段階では時効はまだ進みません。
確証を得た時点こそが起算点になると押さえておきましょう。
不倫慰謝料を請求する際は、不貞行為の確証をいつ得たのかを示すための証拠が必要です。
写真やメッセージの記録、日付の残る資料を保管しておけば、起算点をめぐって争いになった際に自分の主張を裏づけられます。
離婚慰謝料は離婚が成立した日から進行する
離婚そのものに対する慰謝料の時効は、離婚が成立した日から進行します。
最高裁判所の判例が、離婚による精神的苦痛への慰謝料は離婚が成立して初めて発生し、時効も離婚成立時から進むと判断しています。
見逃せないのは、不貞の発覚がどれほど古くても、離婚慰謝料の時効は不貞発覚とは別に離婚成立日から新たに進行する点です。
婚姻中に長く苦しんできた事情があっても、時効の起算点は離婚が成立した日に揃えられます。
起算点は、請求できるかどうかを大きく左右する重要なポイントです。
不貞への慰謝料が3年の経過で時効にかかっていても、離婚成立から3年以内であれば、離婚慰謝料として請求できる可能性があります。
不貞発覚から時間が経った人ほど、離婚成立日を基準に期限を確かめることが欠かせません。
起算点を取り違えると請求できる期限を誤る
時効の起算点を取り違えると、本来は請求できるのに諦めてしまうおそれがあります。
たとえば、不貞発覚を基準に「もう3年過ぎたから無理だ」と捉え、離婚成立からはまだ3年以内で請求できたはずの離婚慰謝料まで諦めてしまいかねません。
一方で、離婚成立日のみを見て安心していると、不貞相手への請求期限を過ぎてしまう場合もあるため注意が必要です。
慰謝料請求においては、自分のケースがどちらの慰謝料にあたり、いつを起算点とするのかを正しく特定することが欠かせません。
相手が誰か、いつ何を知ったか、いつ離婚が成立したかを時系列で整理すれば期限を見誤りにくくなります。
起算点の判断に迷うときは、自己判断で結論を出す前に弁護士へ確認してください。
たった1日の違いで請求の可否が変わる可能性もあるため、早めの相談が安全です。
時効が完成しても慰謝料を請求できるケース2つ
時効期間が過ぎても、慰謝料を請求できる余地が残るケースは2つあります。
具体的には、相手が時効を主張しない場合と相手が支払いを認めて時効が更新された場合です。
見落とされがちなのは、時効は期間の経過だけで権利を自動的に消滅させる制度ではない点です。
相手が「時効なので払わない」と主張して初めて、支払い義務が消えます。
裏を返せば、相手が主張しなければ、期間が過ぎていても支払いを受けられる可能性が残ります。
なお、すでに時効が完成した後でも、相手が支払いを約束するなど承認をすれば、以後は時効を主張(援用)できなくなり、結果として請求できる場合があります。
まずは、自分のケースが2つのどちらかにあてはまらないかを確認しましょう。
①相手が時効を主張(援用)しない場合
相手が時効を主張しない限り、期間が過ぎていても慰謝料の支払いを受けられる可能性があります。
法律上、時効は「援用」という相手の主張があって初めて効力を持ちます。
民法145条では、当事者が時効を援用しなければ裁判所は時効による権利消滅を認められないと定めています。
時効が経過しても、相手が援用しなければ請求権は残ったままです。
相手が時効に気づいていない可能性や支払う意思を持っている可能性もあるため、期限を過ぎていてもまずは請求してみる意味はあります。
請求をきっかけに相手が支払いに応じるケースも少なくありません。
ただし、請求を受けた相手が援用してくる可能性は十分あり、援用されれば請求は止まるため、あくまで援用される前提で準備を進める方が安全です。
過度に期待しすぎず、冷静に対応しましょう。
②相手が支払いを認めて時効が更新された場合
相手が支払い義務を認めれば、時効は更新され、承認の時点からあらためて期間が進み直します。
過去に時効が迫っていても、承認によって期限を延ばせる場合があります。
時効の更新を生む承認とは、相手が債務の存在を認める行為のことです。
慰謝料の一部を支払う、「必ず払う」と約束する、支払いの猶予を求めるといった言動が承認にあたります。
民法152条により、承認があった時から時効は新たに進行を始めます。
気をつけるべき点は、承認を口頭だけで済ませないことです。
あとで「認めていない」と否定されても更新を証明できないため、合意書・念書・メッセージなどの書面や履歴で残しておきましょう。
交渉では、相手を追い詰めて態度を硬化させないことも大切です。
感情的なやり取りは避け、支払いの約束を文書化する流れを意識して進めると、更新の効果を確実にできます。
慰謝料請求の時効を延長する4つの方法
時効の完成が迫っていても、期限を延ばして請求権を守る方法があります。
主な手段は、①催告、②裁判上の請求、③債務の承認、④仮差押えや仮処分の4つです。
これらは、一時的に時効の完成を止める「完成猶予」と、時効を振り出しに戻す「更新」に分かれます。
自分で今すぐ動ける手段もあれば、裁判所や弁護士を通す必要がある手段もあります。
期限までの残り時間や証拠の状況に応じて、適した方法は変わります。
以下で具体的な進め方を確認していきましょう。
①内容証明郵便で催告で6ヵ月の完成猶予を得る
内容証明郵便で相手に慰謝料を請求する「催告」をすれば、そこから6ヵ月間は時効の完成が猶予されます。
催告は口頭でも成立しますが、確実に証拠を残すには内容証明郵便でおこなうのが適切です。
民法150条により催告には6ヵ月の完成猶予の効果があり、内容証明郵便なら「いつ・誰に・どのような請求をしたか」を郵便局と差出人が記録として残せます。
後から「請求など受けていない」と否定されるリスクを抑えられるのが大きなメリットです。
ただし、催告による猶予はあくまで6ヵ月間の一時的な効果です。
この6ヵ月以内に訴訟の提起など次の手続きを取らなければ、時効は完成してしまいます。
期限が迫っているなら、まず自分でできる一手として内容証明郵便を送りましょう。
そのうえで、6ヵ月の間に弁護士へ相談し、訴訟などの本格的な対応につなげるのが安全です。
【関連記事】【例文付き】内容証明郵便とは?効力・書き方・出し方をわかりやすく解説|ベンナビ
②裁判上の請求で時効を更新する
訴えを提起して判決が確定すれば、時効は更新されます。
時効を確実に止めたい場合に、もっとも効果の高い方法です。
裁判上の請求では、まず訴えを提起した時点で時効の完成が猶予されます。
そのうえで、勝訴の確定判決を得ると時効が更新され、そこから新たに時効が進行を始めます。
確定判決で確定した権利の時効期間は、通常より長い10年になります。
催告のような一時的な猶予と違い、時効を根本から止められる点が大きな強みです。
一方で、訴訟は手続きが複雑でかつ証拠の準備や主張の組み立てに専門知識が要ります。
手続きに不安があるなら、無理にひとりで進めず弁護士へ依頼する方が安心です。
弁護士であれば訴状の作成から証拠集めまで任せられ、確実に時効を止められます。
③債務の承認を得て時効を更新する
相手に債務を承認させれば、その時点で時効が更新され、あらためて期間が進み直します。
訴訟を起こさずに時効を止められる、負担の軽い方法です。
承認は「必ず支払う」との約束や慰謝料の一部支払い、支払い猶予の相談などで成立します。
ここで問われるのは、いかに相手から承認を引き出すかという交渉の進め方です。
相手を感情的に責め立てると態度が硬化し、「払わない」と開き直られて交渉が決裂しかねません。
まずは冷静に事実を伝え、分割払いなど相手が応じやすい条件を示すのが有効です。
引き出した承認は、必ず書面や記録に残しましょう。
口約束のままでは後から否定され、更新の事実を証明できません。
交渉に不安があれば、弁護士に代理を依頼すると、承認の取り付けから書面化まで確実に進められます。
④仮差押え・仮処分で完成猶予を得る
仮差押えや仮処分の手続きを取れば、時効の完成猶予が得られます。
時効の完成猶予とは、時効期間中に特定の行為をおこなえば、時効に一定期間の猶予が与えられる制度です。
仮差押えは、相手の預金や不動産などの財産を判決が出る前に暫定的に押さえておく手続きです。
相手が慰謝料の支払いを逃れようと財産を移す前に手を打てるため、後の回収を確実にするうえで有効です。
ただし、仮差押えや仮処分は裁判所への申立てが必要な手続きです。
請求権の存在を疎明する資料の準備や、担保金の用意など、個人だけで進めるにはハードルがあります。
財産隠しの懸念があり、確実に回収まで見据えたいなら、弁護士に手続きの要否の判断から申立てまで一任するのが現実的です。
離婚慰謝料を請求された側は時効援用で支払いを拒否できる
過去の離婚や不倫を理由に慰謝料を請求されても、時効が完成していれば援用によって支払いを拒否できます。
長い年月が過ぎた請求に、慌てて応じる必要はありません。
ただし、対応を誤ると一度は消えたはずの支払い義務が復活してしまう可能性もあります。
ポイントは、安易に支払わないことと正しく援用することの2つです。
ここでは、時効援用で支払いを拒否するときに押さえておくべきポイントを解説します。
時効が完成していれば援用の意思表示で支払い義務が消える
時効がすでに完成している場合、援用の意思表示をすれば慰謝料の支払い義務を免れられます。
援用とは、「時効の利益を受ける」と相手に伝える意思表示のことです。
時効は期間の経過だけでは効果が生じず、援用して初めて債務が消滅します。
援用が認められれば、相手に慰謝料を支払う必要はなくなります。
時効の効力は、数え始めの日にさかのぼって生じます。
ただし、援用の意思表示をする際は起算点がいつかを特定し、起算点から3年(または5年・20年)が過ぎているかを正確に数える必要があります。
1日でも足りなければ、援用は認められないため注意が必要です。
自分での判断に迷う場合は、弁護士に起算点の見極めから通知書の作成まで任せれば、確実に支払い義務を消せます。
時効の援用は内容証明郵便でおこなうのが確実
時効が完成した後に支払いを断りたい場合は、内容証明郵便で援用の意思を伝えるのが確実です。
時効は期間が過ぎただけでは自動的に効果が生じないため、「時効の利益を受ける」という意思表示(援用)が必要です。
口頭のみで「時効だから払わない」と伝えるだけでは、後日「言った・言わない」の争いになりかねません。
書面が残らなければ、援用した事実を証明できないおそれもあるため注意が必要です。
内容証明郵便に配達証明を付ければ、いつ相手に届いたかも記録に残せます。
内容証明郵便には、誰に対するどの債務かを特定し、時効期間が経過した事実を記載します。
加えて、時効を援用する旨をはっきりと示して日付と差出人を添えるのもポイントです。
書き方に不安がある場合や相手が応じない可能性がある場合は、弁護士に作成を依頼すると安心です。
安易に支払いに応じると時効が更新され支払い義務が復活する
慰謝料を請求された際に、一部でも支払うと承認とみなされ、時効が更新されるおそれがあります。
承認とは、一部の支払いや分割・猶予の相談などによって債務の存在を認める行為のことです。
承認すると、時効は更新され、承認の時点から改めて進行します。
たとえば、数千円だけ支払った場合や「少しずつ返す」と伝えた場合でも更新の対象になり得ます。
さらに注意したいのは、すでに時効が完成した後の対応です。
もし時効完成後に支払いや承認をすると、後から時効を主張できなくなる場合があるため注意が必要です。
つまり、深く考えずに応じてしまうと一度は消えたはずの支払い義務が事実上復活します。
慰謝料請求を受けても、すぐに支払ったり認めたりしないことが大切です。
まずは時効が成立しているかどうかを確認し、必要なら弁護士に相談してから対応しましょう。
離婚慰謝料の時効が迫っているときは弁護士に依頼すべき3つの理由
時効が迫っているときは、自分だけで対処するよりも弁護士に依頼するのが確実です。
その主な理由は大きく3つあります。
期限が近いほど、判断の遅れが取り返しのつかない結果につながります。
まずは、依頼するメリットをひとつずつ確認していきましょう。
①弁護士に依頼すれば確実に時効を止められるから
弁護士に依頼すれば、催告や提訴を適切なタイミングでおこない、確実に時効を止められます。
時効を止める手続きは、正確さと順序が結果を左右します。
催告で得た6ヵ月の猶予中に提訴し、判決の確定でリセットするという一連の流れを、期限を1日も外さずに運ばなければなりません。
手続きの選択を誤ったり、次の一手が遅れたりすれば、猶予は無駄になってしまいます。
自分で催告を送ったものの、その後の対応が遅れて期限を過ぎてしまうケースは少なくありません。
弁護士に任せれば、期限の管理から手続きの選択、書類作成までを一貫して代行してもらえます。
依頼が早いほど選べる手段は広がるので、時効が近いときはできるだけ早く相談することが大切です。
②証拠が不十分でも収集・立証を任せられるから
時間が経って証拠が乏しくても、弁護士の力を借りれば収集と立証を任せられます。
年月が過ぎた事案では、写真やメッセージが消えたり記憶も曖昧になったりしがちです。
中には、証拠が足りないと感じて慰謝料請求を諦めてしまう人も少なくありません。
しかし、弁護士は残された手がかりから証拠を組み立てることが可能です。
具体的には、LINEやメールの履歴・クレジットカードの利用明細・宿泊やホテルの記録などが有力な手がかりです。
さらに弁護士会照会を使い、不倫相手の氏名や住所などの自分では取得が難しい情報を取得してくれる場合もあります。
証拠が不十分に思えても、請求できる可能性が残っているケースは珍しくありません。
諦める前に、まずは手元の資料を持って弁護士に相談してみましょう。
【関連記事】浮気・不倫の有効な証拠15選!裁判で認められにくいものや自分で集める際の注意点も
③無料相談で残り期間と請求可否を確認できるから
無料相談を使えば、自分のケースの残り期間と請求できるかどうかを確認できます。
相談では、起算点をどこに置くべきか・時効まであと何年あるかを事情に沿って整理してもらえます。
また、請求できる相手や見込める慰謝料の目安について助言を受けられるのもメリットです。
相談の段階では無理に依頼を決める必要はなく、まずは見通しを聞くだけでも十分です。
あわせて、依頼した場合の費用体系も確認しておくと安心できます。
着手金や報酬金の仕組み、成功報酬型に対応しているかを聞いておけば、依頼後の見通しが立つでしょう。
期限が迫るほど、動き出しの早さが結果を左右します。
まずは無料相談で現状を把握し、必要なら正式な依頼へ進みましょう。
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Q1.複数人と不倫していた場合の時効の起算点はいつ?
複数人との不倫があった場合、時効は不倫相手ごとに、相手を知った時からそれぞれ進みます。
慰謝料の請求権は、不倫相手一人ひとりに対して別々に発生します。
時効は相手ごとに数え始めるので、Aさんを知った時期とBさんを知った時期が違えば、期限も別々です。
たとえば、先に判明した相手への請求権が時効にかかっていても、後から発覚した相手にはまだ請求できる場合があります。
大切なのは、誰の不倫をいつ知ったかを記録しておくことです。
日付や経緯をメモに残しておけば、相手ごとの残り期間を正確に把握できます。
Q2.20年経過した不貞の慰謝料は請求できるの?
不貞行為から20年が経過している場合、慰謝料は原則として請求できません。
慰謝料の請求権には、不法行為の時から20年という上限があります。
20年を過ぎると、起算点にかかわらず権利は確定的に消滅します。
不倫の事実を長く知らずにいた場合でも、行為から20年で請求できなくなるため注意が必要です。
不貞行為から20年ほど過ぎている可能性があるときは、早めに弁護士へ相談しましょう。
Q3.離婚後に不倫が発覚しても慰謝料請求できるの?
離婚後に不倫が発覚した場合でも、不倫を知った時から3年以内であれば慰謝料を請求できます。
不貞慰謝料の時効は、不貞の事実と相手を知った時から3年で数えます。
起算点は離婚した日ではなく、不倫の事実を知った日です。
もし離婚後に初めて不倫がわかったときは、知った日から3年が期限になります。
ただし、行為から20年という長期の上限には注意が必要です。
不倫があったのがかなり前であれば、20年を過ぎて請求できないケースもあります。
離婚が済んでいるからといって、請求を諦める必要はありません。
証拠と知った時期を確認し、期限内であればすぐに動き出しましょう。
Q4.口約束の慰謝料にも時効はあるの?
口約束で取り決めた慰謝料にも時効はあり、内容によって期間が変わります。
不法行為としての慰謝料は、知った時から3年で時効にかかります。
一方、示談として金額や支払いを合意した場合は、合意による債権として扱われます。
合意債権の時効は、原則として権利を行使できると知った時から5年です。
問題は、口約束では合意した事実を証明しにくい点です。
相手が「約束していない」と否定すれば、支払いを求めるのは難しくなります。
慰謝料の合意では、後々のトラブルを防ぐために金額・支払期日・振込先を記した合意書を作成することが重要です。
まとめ
離婚や不倫の慰謝料は、原則3年、遅くとも20年で時効により消滅します。
DVなど身体を害する場合は、短期の時効が5年になります。
時効を正しく計算する鍵は、数え始めの起算点です。
不倫の慰謝料は不倫を知った時から、離婚の慰謝料は離婚が成立した日から進行します。
2つは別の請求権であり、期限も切り離して考える必要があります。
期限が迫っているときは催告や提訴で時効を止められますが、手続きの正確さが結果を左右するため、弁護士への依頼が確実です。
逆に請求された側は安易に支払うと時効が更新される点に注意しましょう。
ベンナビ離婚には、離婚トラブルに強い弁護士が多数掲載されています。
まずは無料相談で残り期間を確認し、必要な一歩を早めに踏み出しましょう。
