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過去の不倫への慰謝料請求はできる?請求の条件や時効の更新方法を解説!

監修者
齋藤 健博
弁護士
過去の不倫への慰謝料請求はできる?請求の条件や時効の更新方法を解説!
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「過去に不倫されていたのを最近知ったけど、裏切られた仕返しとして慰謝料を請求したい」

「今まで不倫を隠されていたことが、ほんと許せない」

このように配偶者の過去の不倫に対して慰謝料を請求したいと考えている方は少なくありません。

浮気に対する慰謝料は一定の条件を満たせば請求できます。

ただし、過去の浮気に対する慰謝料請求には時効があります。その時効を過ぎてしまうと請求できなくなってしまうため、注意が必要です。

そこで本記事では、過去の不倫に対して慰謝料を請求できるケースや時効について解説します。本記事で紹介している事例と比べながら、慰謝料請求できるかどうか照らし合わせてみてください。

過去の不倫に対して慰謝料請求したい方へ

過去の不倫の慰謝料を請求するためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 不倫関係が事実として存在していた
  • 自由意思のもとで不倫している
  • 相手が既婚者と知っていた
  • 夫婦関係が破たんしていなかった

また、慰謝料請求するためには不倫相手を特定し、かつ不倫の事実を知ってから3年以内に請求しなければいけません。

時効の起算日を間違えてしまうと、慰謝料請求することができません。慰謝料請求できるか悩んでいる方は弁護士に無料相談をして法律的な観点からアドバイスをもらってみてください。

 

また過去の浮気に対して慰謝料を請求するには証拠を確保しなければいけません。過去の浮気であればあるほど、証拠を消されている可能性があり、証拠集めに苦労する可能性が高いです。

時間の経過とともに慰謝料が減額する恐れもあるので、早めに証拠を確保し、慰謝料を請求する必要があります。

 

証拠を集める手立てがなく苦労している方は、証拠集めを得意としている調査業者や探偵に依頼することをおすすめします。


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過去の不倫に対して慰謝料を請求できる4つの条件

過去の不倫に対して慰謝料を請求するためには、条件があります。慰謝料を請求できる条件は、次の4つです。

  • 不倫関係が事実として存在していた
  • 自由意思のもとで不倫している
  • 相手が既婚者と知っていた
  • 夫婦関係が破たんしていなかった

条件①|不倫関係が事実として存在していた

過去の不倫に対して慰謝料を請求するための最初の条件は、不倫関係が事実として存在していたことです(不倫をどの範囲までいうかは、肉体関係に限定される見解とそうでない見解に分かれています)慰謝料を請求できる不倫関係とは、不貞行為があった関係です。

不貞行為とは、肉体関係を指します。民法770条では、不貞行為は離婚事由となる旨が規定されています。さらに、不貞行為は民法709条に定められた不法行為に該当します。

(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。

(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(引用:民法|e-gov法令検索)

配偶者が過去の不倫の中で不法行為を行った事実が認められれば、相手に対して慰謝料を請求できます。

次のような場合は、不貞行為がなくても、不倫関係の相手方に対して慰謝料の請求が可能です。

  • 肉体関係相当の関係があった
  • 不倫関係にあった2名の親密度が夫婦の権利侵害にあたるとされる場合

条件②|自由意思のもとで不倫している

自由意志のもとで不倫していた点も、過去の不倫で慰謝料を請求する条件です。過去の判例で、民法770条に定められる「不貞行為」は、次のように定義されました。

民法七七〇条一項一号の不貞な行為とは、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい、相手方の自由な意思にもとづくものであるか否かは問わない。

(引用:昭和48年11月15日最高裁判所判決、事件番号:昭和48(オ)318)

不貞行為の相手が上司や取引先などで誘いを断れなかった場合は、慰謝料請求ができません。上記の定義にある「自由意思」に基づく不貞行為に該当しないからです。

条件③|相手が既婚者と知っていた

過去の不倫で慰謝料を請求する場合、不倫相手が既婚者と知っていたこともポイントです。相手が既婚者だと知らずに不貞行為に及んでいた場合は、以下の点を立証する必要があります。

  • 独身だと思い込んでいたこと
  • 既婚者と知らなかったことについて、相手側の過失がないこと

上記を立証するのは、慰謝料を請求される側である不倫の相手方です。

条件④|夫婦関係が破たんしていなかった

過去の不倫に対して慰謝料を請求する条件の最後は、夫婦関係が破たんしていなかったことです。不貞行為は「夫婦が円満に過ごす」という法益を侵害するため、法定離婚事由とされています。不貞行為で請求する慰謝料は、精神的苦痛の意味合いの他に、夫婦の幸せという法益侵害も対象です。

しかし、配偶者が不貞行為に及んだときにすでに夫婦関係が破たんしていた場合は、守るべき法益がないため、慰謝料の請求もできません。

過去の不倫に対する慰謝料には請求できる時効がある

過去の不倫に対する慰謝料は、何年でもさかのぼって請求できるわけではありません。慰謝料には、請求できる時効があります。

慰謝料を請求できる時効

時効とは、慰謝料を請求できる期限です。時効を過ぎてしまうと、過去の不倫に対して慰謝料を請求できなくなります。

過去の不倫に対して慰謝料を請求できる時効は、民法724条により次のように決められています。

  • 不倫の事実および不倫相手が誰かを知った時点から3年(民法724条1項)
  • 不倫=不貞行為の事実があった時点から20年(民法724条2項)

(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。

二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

(引用:民法|e-gov法令検索)

慰謝料を請求できる期限の3年を「消滅時効」といいます。不倫の事実と不倫相手を知った時点から3年以内に慰謝料の請求を行わないと、慰謝料を請求できる権利が消滅します。

3年以内であっても、不倫の事実があった日から20年過ぎてしまうと、慰謝料の請求ができません。民法724条2項に定める、20年の時効が適用されるからです。

不倫相手への慰謝料請求の時効とは

過去の不倫で慰謝料を請求する場合、請求相手が不倫相手か配偶者かによって時効の起算点が変わります。過去の不倫相手に慰謝料を請求する場合の時効は、不倫相手を特定し、かつ不倫の事実を知った時点から3年です。時効となる3年は【不倫相手を特定し、かつ不倫の事実を知った時点】を起点とします。

②配偶者への慰謝料請求の時効とは

過去の不倫に対して、配偶者に慰謝料を請求する場合の時効は、配偶者が不倫していた事実を知ってから3年です。

過去の不倫相手の場合、時効の起算日は不倫相手を特定した日でした。しかし、配偶者の不倫の場合は、最初から不倫した相手がわかっています。そのため、時効は【不倫の事実を知った時点から】3年となります。

離婚で慰謝料を請求する場合、時効の起算点が過去の不倫と異なります。離婚に対する慰謝料請求の時効は、離婚してから3年です。同じ3年でも数え方が全く違いますので、一緒にしないようにしましょう。

慰謝料請求の時効が近い!時効を延ばすことはできる?

過去の不倫に対する慰謝料請求の時効は、3年です。時効の完成期限が迫っている場合、時効の更新により時効の期限を延ばすことができます。

「時効の更新」により時効が更新される

過去の不倫に対する慰謝料請求の時効は、「時効の更新」をすることで延長されます。時効の更新をした場合は、時効の更新となる行動をした日が、新たな時効の起算日です。

例えば、令和4年12月1日に慰謝料請求の催告と行った場合、令和4年12月1日を新たな起算日として時効が計算し直されます。それまでの時効はリセットされ、新しい時効は令和7年11月30日までとなるのです。

2020年に民法が改正され、「時効の中断」が「時効の更新」へと名称が変更されました。本記事では、民法改正後の情報を掲載しています。

時効の更新方法

時効を更新するには、次の方法があります。

  • 債務の承認
  • 示談など協議による合意
  • 内容証明郵便による慰謝料請求の催告
  • 慰謝料請求の裁判を起こす
  • 仮差し押さえや仮処分、差し押さえ

慰謝料を請求するだけでなく、相手方が不貞行為と慰謝料の支払い義務の存在を認めたときや、示談で慰謝料額の合意に至った場合も、時効は更新されます。

時効の計算は弁護士へ相談を

時効の計算は複雑です。時効の起算点を間違ったために、慰謝料を請求できなくなる場合もあります。特に、「不倫の事実を知った日」や「不倫の事実があった時点」の認識の違いは、トラブルの元です。

「不倫を知ったのはこの日になるはず」などと、法律の知識が薄い状態で時効の計算をするのは危険です。もらうべき慰謝料をきっちり請求するためにも、時効の計算が必要なケースは、法律の知識がある弁護士に相談しましょう。

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過去の不倫に対する慰謝料の相場

過去の不倫に対する慰謝料の相場は、50万円~300万円です。

不倫の慰謝料額はさまざまな条件により変動するため、相場に幅があります。慰謝料額が決まる要素は、次のようになっています。

  • 不倫関係が継続していたか、1回限りの不貞行為か
  • 婚姻関係が破たんしていたかどうか
  • 婚姻関係の長さや子どもの人数

過去の不倫に対する慰謝料請求に関する判例

過去の不倫に対する慰謝料請求は、たくさんの判例があります。慰謝料請求が認められた事例と認められなかった事例を、それぞれ紹介します。

過去の不倫に対して時効の更新が認められた判例

裁判日時 令和 4年 3月24日
裁判所 東京地裁
認められた支払額 · 慰謝料110万円+遅延損害金

· 訴訟費用の3割

原告と被告の関係 · 原告

· 被告ー原告の夫と不倫関係

時系列 · 不貞行為があった日:平成29年6月24日

· 不貞行為の事実を知った日:平成29年7月1日

· 本件訴訟提起日:令和2年12月27日

原告が不貞行為の事実を知ってから本件訴訟を提起するまで、3年以上経過しています。本来ならば、消滅時効期間が経過していて、時効が完成しているはずです。

しかし、原告は、本件にかかる賠償金催告を令和2年6月18日に行っていました。したがって、時効の更新により消滅時効期間は経過していないとして慰謝料の請求が認められました。

(参考:令和4年3月24日東京地裁判決、事件番号:令2(ワ)32061号)

消滅時効の起算日について争われた判例

裁判日時 令和 4年 2月24日
裁判所 東京地裁
認められた支払額 · 慰謝料165万円+遅延損害金

· 訴訟費用の4分の1

原告と被告の関係 · 原告ー妻との間に3人の子

· 被告ー原告の妻と不倫関係

時系列 · 不貞行為:平成16年2月

· 長女誕生:平成16年

· 浮気について原告と被告で話す:平成17年8月

· 長女のDNA鑑定の結果を知る:令和3年1月18日

本件は、不貞行為の起算点について争われました。被告は、原告が不貞行為の事実を知った日は、過去の浮気について話をした平成17年8月だとして、本件は時効が完成していると主張しました。

一方、原告側は、不貞行為の事実を知ったのは、DNA鑑定の結果により長女の生物学上の父親が自分ではないことを知った令和3年1月18日だとして争います。

判決では、平成17年8月の話し合いにより原告が不貞行為の事実を知ったと裏付ける証拠がなく、平成17年以降も家庭不和となることなく暮らしていたとして、本件不貞行為の起算点を令和3年1月18日として、原告の慰謝料請求を認めました。

(参考:令和4年2月24日東京地裁判決、事件番号:令3(ワ)5233号)

慰謝料請求が認められなかった判例

裁判日時 令和 3年 9月 6日
裁判所 東京地裁
認められた支払額 なし(慰謝料請求棄却)
原告と被告の関係 · 原告

· 被告Aー原告の夫

· 被告Bー被告Aと不倫関係

時系列 · 不貞行為:平成22年8月

· 原告と被告Aが別居:平成23年10月15日~判決日まで別居継続

· 被告AとBが同居:平成24年2月

原告は、被告Aおよび被告B双方に対して、不貞行為による慰謝料を請求していました。被告は、平成29年3月6日以前の不貞行為に基づく慰謝料請求権について、時効が完成したとして消滅時効援用の意思表示をしました。

判決では、平成29年以前の慰謝料請求は時効が成立しているとして、原告の慰謝料請求が棄却されました。平成29年2月の段階で被告とAが別居していて、夫婦関係が破たんしているとみなされたことが理由です。

(参考:令和3年9月6日東京地裁判決、事件番号:令2(ワ)5476号)

過去の不倫に対する慰謝料請求のポイント

過去の不倫に対して慰謝料を請求する際、外してはいけないポイントがあります。適正な慰謝料を支払ってもらうためのポイントを紹介します。

①証拠を確保する

過去の不倫に対して慰謝料請求を考えているときは、過去に不倫関係があったことがわかる証拠を押さえておくことが、何より大切です。過去の不倫であればあるほど、証拠がなくなっている確率が高まります。証拠隠滅のためにLINEやメールが消されている場合もあるかもしれません。

時間が経っているからこそ、証拠がなくなる可能性が高まります。不倫の証拠を見つけたら、すぐ確保に確保しておきましょう。

②不倫の事実を知ったらいち早く行動する

過去の不倫に対して慰謝料請求するときは、すぐに行動することも大切です。不倫の事実を知ってから時間が経過すると、慰謝料を減額される可能性があります。急いで請求しないことで損害が少ないとみなされるため、慰謝料の計算や離婚の協議の際に不利になるのです。

「どうせ時間が経っているからのんびり請求しよう」と構えるのではなく、不倫の事実を知ったら即行動に移しましょう。

③弁護士に相談する

過去の不倫に対し慰謝料請求を考えているときは、弁護士への相談がおすすめです。過去の不倫に対する慰謝料は、通常の慰謝料請求と異なる場合があります。さらに、時効の起算日の認定が大変です。時効の延長をした場合は、計算がさらに複雑になります。

慰謝料を支払いたくない相手方は、過去の不倫に対して時効が完成したとして、消滅時効の援用を訴えてくるケースもあります。過去の不倫を今知ったとしても、精神的苦痛を受けたことには変わりありません。妥当な慰謝料を受け取るためにも、ぜひ一度弁護士へ相談しましょう。

最後に|過去の不倫への慰謝料請求には時効の計算が必要!まず弁護士へ相談を

過去の不倫であっても、慰謝料の請求は可能です。不倫した側とされた側の間で、いつ過去の不倫を知ったのかの見解が違うことがあります。どの見解を採用するかで、時効の期限は大きく変わります。

過去の不倫に対する慰謝料請求の時効の計算は、とても複雑です。特に、時効の完成が近くなって慰謝料を請求するときは、時効の計算が必須です。

法律の知識が豊富な弁護士であれば、時効の計算にも対応してくれます。過去の不倫問題を解決したいときは、無料の初回相談を使って、法律の知識が豊富な弁護士へ一度相談しましょう。

参考:離婚後でも浮気調査は依頼できる?調査の必要性や慰謝料請求について | 探偵SOS

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株式会社アシロ編集部
編集者
株式会社アシロ編集部
本記事は法ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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