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大学卒業までの養育費相場と年収別シミュレーション!延長条件や合意書の書き方も解説

監修者
川越 悠平
弁護士
大学卒業までの養育費相場と年収別シミュレーション!延長条件や合意書の書き方も解説

「子どもが大学を卒業するまで養育費を支払ってほしい」「大学進学を見据えた場合、養育費はいくらが相場なのだろう」と悩んでいませんか。

養育費は、子どもが経済的・社会的に自立するまでの生活や教育を支えるためのお金です。

支払期間は法律で一律に決まっているわけではなく、子どもの年齢や就学状況、経済的自立の有無、親同士の合意などによって判断されます。

ただし、養育費の金額は子どもの人数や年齢、両親の年収などによって異なり、「大学卒業まで延長する場合はいくらになるのか」「どのような条件で延長できるのか」がわかりにくい方も少なくありません。

そこで本記事では、大学卒業までの養育費相場や年収別シミュレーション、支払いを延長できる条件、トラブルを防ぐための合意書の書き方までわかりやすく解説します。

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子どもが大学卒業までにかかる教育費は1,000万円以上が目安

子どもを大学卒業まで育てるには、多額の教育費が必要になります。

進学先によって差はありますが、幼稚園から大学卒業までにかかる教育費は、少なくとも約800万~1,000万円、私立中心の進学では1,500万円を超えることも珍しくありません

以下では、進路ルート別にかかる教育費をまとめました。

進路ルート 合計目安
すべて公立+国立大学 約800~1,000万円
公立中心+私立文系大学 約1,000~1,200万円
公立中心+私立理系大学 約1,200~1,500万円
私立中心+私立大学 約1,500万円以上

【参考】
文部科学省 – 令和5年度子供の学習費調査結果のポイント
文部科学省 – 国公私立大学の授業料等の推移

このように、大学進学まで見据えると教育費は非常に高額になります。

そのため、離婚時には「毎月の養育費をいくらにするか」だけでなく、「大学卒業まで支払いを続けるか」「大学の入学金や授業料をどのように負担するか」まで話し合っておくことが大切です。

そもそも「養育費を大学卒業まで支払う」のは普通?

子どもが大学へ進学する場合、養育費を大学卒業まで支払うことは珍しいことではありません。

親同士の合意があれば、支払期間を22歳頃(大学卒業時)まで延長することは十分可能です。

そもそも、養育費の根拠となる親の扶養義務は、成年かどうかではなく、「未成熟子(経済的・社会的に自立していない子ども)」であるかどうかを基準に判断されます。

そのため、子どもが大学へ進学し、自立していない状況であれば、大学卒業まで養育費の支払いが認められるケースがあるのです。

なお、大学卒業までの支払いが法律上必ず認められるわけではありません

親同士で合意できない場合は、家庭裁判所が両親の収入や学歴、家庭環境、子どもの進学の可能性などを総合的に考慮して判断します。

大学卒業までの養育費が決まる基準

大学卒業まで養育費を支払う場合でも、金額は自由に決まるわけではありません。

当事者同士で合意できる場合はその内容が優先されますが、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所が公表している「養育費算定表(簡易算定表)」が判断の目安として用いられます。

養育費の金額は、主に次の3つの要素をもとに決まります。

  • 養育費を支払う側(義務者)の年収
  • 養育費を受け取る側(権利者)の年収
  • 子どもの人数と年齢

基本的には、支払う側の年収が高いほど養育費は高くなり、受け取る側の年収が高いほど養育費は低くなる傾向があります。また、子どもの人数が増えるほど総額は増加します。

子どもの年齢については、「0~14歳」と「15歳以上」の2区分に分かれており、15歳以上は教育費や生活費が増えることを考慮して、養育費も高めに設定されています

そのため、子どもが高校生になるタイミングで養育費の増額について協議するケースも少なくありません。

なお、大学卒業まで養育費を支払う場合であっても、毎月の養育費は基本的に算定表を参考に決められます。

ただし、算定表には大学の入学金や授業料などは含まれていないため、大学進学にかかる費用は別途取り決める必要があります

ひとり親世帯が受け取る養育費の平均月額は約5万円

厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査によると、母子家庭が実際に受け取っている養育費の平均月額は約5万円です。

仮に毎月5万円の養育費を、子どもが5歳のときから大学を卒業する22歳頃まで受け取り続けた場合(204か月の場合)、総額は約1,020万円になります。

一見すると高額に思えますが、大学卒業までに必要な教育費は進学先によっては1,000万円を超え、私立大学へ進学する場合はさらに多くの費用が必要になることもあります。

そのため、毎月の養育費だけで大学までの教育費をすべて賄えるとは限りません

特に大学の入学金や授業料はまとまった支出となるため、毎月の養育費とは別に、大学進学時の費用負担についてあらかじめ取り決めておくことが重要です。

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大学卒業までの養育費総額を年収別にシミュレーション

大学卒業までに受け取れる養育費の総額は、支払う側・受け取る側の年収や、離婚時の子どもの年齢によって大きく変わります

子どもが幼いうちに離婚するほど支払期間が長くなるため、受け取れる総額も大きくなる傾向があります。

そこで以下では、受け取る側の年収を0円(専業主婦・主夫)と仮定し、支払う側が給与所得者であるケースをもとに、大学卒業(22歳の3月頃)までに受け取れる養育費の目安をシミュレーションしました。

ケース① 相手の年収が400万円・子どもが5歳で離婚した場合

相手の年収が400万円、離婚時の子どもが5歳の場合、裁判所の養育費算定表では月額4万円~6万円程度が目安となります。

大学卒業まで支払いが続くと仮定すると、支払期間は約17年(204か月)となり、養育費の総額は約816万円~1,224万円が目安です。

  • 月額の目安:4万円~6万円
  • 支払期間:約17年(204か月)
  • 総額の目安:約816万円~1,224万円

なお、子どもが15歳になると、養育費算定表の年齢区分が「15歳以上」に変わるため、養育費が増額される可能性があります。

そのため、離婚時に一律の金額を決めるだけでなく、「子どもが15歳になった時点で養育費を見直す」といった取り決めをしておくと安心です。

また、支払期間が17年と長期に及ぶため、途中で収入の増減や再婚、転職など、双方の生活状況が変化する可能性もあります。

将来のトラブルを防ぐためにも、公正証書を作成し、不払い時の対応や大学進学時の費用負担についてもあわせて定めておくことをおすすめします。

ケース② 相手の年収が600万円・子どもが10歳で離婚した場合

相手の年収が600万円、離婚時の子どもが10歳の場合、養育費の目安は月額6万円~8万円程度です。

大学卒業まで支払いが続くとすると、支払期間は約12年(144か月)となり、総額は約864万円~1,152万円が目安になります。

  • 月額の目安:6万円~8万円
  • 支払期間:約12年(144か月)
  • 総額の目安:約864万円~1,152万円

ケース①と比べると支払期間は短くなりますが、月額が高くなるため、受け取れる総額は同程度になるケースもあります

また、子どもが10歳前後の時期は、高校・大学への進学が近づくため、毎月の養育費だけでなく、大学の入学金や授業料を誰がどのような割合で負担するかについても話し合っておくことが重要です。

大学進学が現実的になってから協議を始めると意見が対立しやすくなるため、離婚時の段階で大学費用の取り決めまで行っておくと、将来のトラブルを防ぎやすくなります

ケース③ 相手の年収が800万円・子どもが15歳で離婚した場合

相手の年収が800万円、離婚時の子どもが15歳の場合、養育費の目安は月額8万円~10万円程度です。

大学卒業まで支払いが続くとすると、支払期間は約7年(84か月)となり、総額は約672万円~840万円が目安となります。

  • 月額の目安:8万円~10万円
  • 支払期間:約7年(84か月)
  • 総額の目安:約672万円~840万円

子どもが15歳の場合は、大学受験まで数年しかありません。

そのため、養育費の支払期間は短いものの、大学の受験料や入学金、授業料などのまとまった費用が近い将来発生します

また、年収が比較的高いケースでは、毎月の養育費とは別に大学費用をどのように分担するかが争点になることも少なくありません。

大学進学を前提としている場合は、入学金や授業料を双方の収入に応じて負担するのか、一方が全額負担するのかなど、具体的な取り決めをしておくことが重要です。

養育費には子どもの大学費用が含まれない点に注意

毎月支払われる養育費があれば、大学の学費までカバーできると思われがちですが、実際にはそうではありません。

養育費算定表で算出される毎月の養育費には、大学の入学金や授業料などの費用は原則として含まれていないからです。

家庭裁判所の養育費算定表は、子どもの生活費や通常の教育費をもとに作成されており、教育費についても高校卒業までに必要となる一般的な支出を前提としています。

そのため、大学進学時に必要となる高額な入学金や授業料、施設設備費などは別途検討する必要があるのです。

特に私立大学へ進学する場合は、初年度だけでも100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。

この場合、毎月の養育費だけでは十分に賄えないケースが多く、進学が決まってから費用負担を巡ってトラブルになることもあります。

そのため、子どもが大学へ進学する可能性がある場合は、毎月の養育費とは別に、大学費用をどのような割合で負担するのかをあらかじめ取り決めておくことが重要です。

子どもの大学費用は「特別費用」として別途請求が可能

大学の入学金や授業料は、毎月の養育費とは別に「特別費用」として負担を求められる場合があります

特別費用とは、養育費算定表では想定されていない、一時的かつ高額な支出を指します。

大学の受験料や入学金、授業料などが代表的です。

大学費用をどちらが負担するかについて法律上の一律のルールはありませんが、親同士の合意がある場合は、その内容に従って負担します。

合意できない場合は、家庭裁判所が双方の収入や資産、子どもの進学の必要性などを考慮して判断することになります。

なお、負担割合は単純に半分ずつではなく、双方の経済状況に応じて決められるのが一般的です。

たとえば、支払う側の収入が受け取る側より大幅に高い場合は、7対3や8対2など、収入割合に応じた負担となるケースもあります。

子どもの大学費用負担を拒否された・拒否したい場合の対処法

大学費用の負担について話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所の養育費調停や審判によって解決を図ることができます

当事者だけで解決しようとすると感情的な対立が生じやすいため、第三者を交えて話し合うことが重要です。

受け取る側の場合

相手が大学費用の負担を拒否した場合、両親の学歴・収入・子どもの進学意欲などを根拠に、調停で支払いを求めることができます

裁判所では、次のような事情を総合的に考慮して判断します。

  • 両親の収入や資産状況
  • 両親の学歴や家庭環境
  • 子どもの学力や進学意欲
  • これまでの教育方針や進学実績
  • 大学進学の必要性・相当性

負担の見直しを求めたい側の場合

一方、支払う側も必ず大学費用を負担しなければならないわけではありません

離婚後に失業や病気などで収入が大幅に減少した場合や、新たな扶養家族が増えた場合など、経済状況が大きく変化したときは、負担割合や養育費の見直しを求められる可能性があります。

その際は、給与明細や源泉徴収票、確定申告書など、現在の収入状況を客観的に示す資料を準備したうえで、話し合いや調停を進めることが大切です。

大学費用の負担は家庭ごとの事情によって結論が異なります。

話し合いで解決できない場合は、一人で判断せず、弁護士へ相談したうえで調停などの法的手続きを検討するとよいでしょう。

まとめ|大学卒業までの養育費でお悩みなら弁護士へ相談を

子どもが大学へ進学する場合、養育費を大学卒業まで支払うケースは珍しくありません

ただし、大学卒業までの支払いが当然に認められるわけではなく、親同士の合意や家庭裁判所の判断によって決まります

また、毎月の養育費には大学の入学金や授業料は原則として含まれないため、大学費用の負担方法についてもあらかじめ取り決めておくことが大切です。

なお、養育費に関する取り決めは、感情的な対立から話し合いがまとまらないことも少なくありません。

そのような場合は、弁護士へ相談することで、適切な養育費の金額や大学費用の負担割合についてアドバイスを受けられるほか、交渉や調停のサポートも受けられます

「大学卒業まで養育費を受け取りたい」「大学費用の負担について相手と合意できない」とお悩みの方は、将来の子どもの進学や生活を見据えるためにも、早めに弁護士へ相談してみてはいかがでしょうか。

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株式会社アシロ編集部
編集者
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本記事は法ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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